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虚構のトランプ・イメージ

いまアメリカで話題の、膨大なトランプ捜査レポート「ミューラー報告書」を読んだジャーナリストが、手厳しいトランプ評を書いている (TIME, Apr. 19, 2019)。

この報告書を読むと、トランプの行動は勇敢さからではなく、自分を守り、誇示するために平気で他人(たとえば息子)を犠牲にする臆病な心性から来ている。トランプには指導者らしさがなにも感じられない、と。

このジャーナリストはテネシー州に住んでいて、周囲にトランプ支持者が多い。彼らの心理はこうだ。

「トランプについていけば、トランプはわれわれにいいことをしてくれる。 He  is good to people who are good to him.」

 ”Mr. トランプ ” は、民衆の救済願望がつくりあげた虚構のイメージであり、彼が富豪としてアドバイザー役を演じたテレビ番組などで、このイメージは丹念に下ごしらえされていた。

The Mueller report stands as a monument to reality. It plainly and clearly makes the case that Donald Trump is not the man his supporters think he is. He’s not bold. He’s afraid. They attributed to him a primitive form of loyalty, where he was good to people who were good to him. Instead, he’d harm his own son to win a single news cycle. His foolish hiring decisions have come back to haunt him time and again.

http://time.com/5574118/mueller-report-donald-trump/?utm_source=time.com&utm_medium=email&utm_campaign=the-brief-pm&utm_content=2019041919pm&xid=newsletter-brief

経済的にも軍事的にも、世界一の大国であるアメリカの富が、こういう人物によって浪費されていく。

歴史には、ほんとうに無駄と犠牲が多い。

その無駄と犠牲が人類の認識力を鍛えているのだが、問題は、無駄と犠牲が長すぎ、大きすぎて、とりかえしのつかない地点にどんどん近づいていることだ。


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