英語教授法は100種類以上! いつのまにか消えたのはなぜ?
なんとかメソッドとか、なんとかアプローチとか、これまで英語の教室で試された教授法は、いったいいくつあるのか?
ちょっと古いデータだが、1984年に出た本によると、
① 文献に記載されている教授法が43種類。
② 明治以降日本に紹介されて、多少なりとも利用された教授法が12種類。
③ 日本人が日本人のために考案した教授法が5種類。
④ 日本にとくに影響を与えた外来の教授法が2種類(戦前はパーマーの Oral Method 、戦後はフリーズの Oral Approach)
⑤ 1970年以降の「新しい」教授法が12種類。
(伊藤嘉一『英語教授法のすべて』大修館書店、1984年、26-28頁)
上記の①~⑤を合計すると、さしあたり73種類となる。
この本のあとに登場したものもいれると、現在までに登場した英語の教授法は、おそらく100種類くらいあると考えてもおかしくないだろう。
では、いったい、100種類あった英語教授法のうち、ほんとうに革命的なものがいくつあったのか? 答えは、「… 」であろう。
この本には、こう書かれている。
「歴史上、開発された[英語の]教授法は無数にある。そのいくつかは現在も活用されているが、大部分は消滅し、文献に名をとどめるだけとなっている。」(同上書、26頁)
そういえば、以前に英語教育学の教授と話したとき、
「”英語教育学”というけれど、めぼしい英語の教授法を考案した人は、たいてい心理学とか、他分野の研究者。英語教育の問題には、もともと垣根はない。」
と言っていた。
日本の英語教育の歴史は100年以上。いろいろな人が100種の教授法を考案しては、いつのまにか消えた。
ここまでくれば、なにかが根本的におかしい、英語教授法と称していても、そもそも言葉というものがわかっていない、だからこういうことが起こるのではないか。そう疑ってみるべきではないだろうか。
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