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印欧祖語という仮説

印欧祖語 Proto- Indo- European という発想は、18世紀に生まれた。

言い出したのは、インド在住のイギリス人、ウィリアム・ジョーンズ(Sir William Jones,1746-1794)。

彼は古代インドの言語・サンスクリットと古代ヨーロッパの言語(ギリシャ語とラテン語)が非常に似ていると指摘した。

これは、これらの言語の祖先が同じだからではないかと発表したのである。ちょうど、アメリカが独立宣言をしたころのことである。

遠く離れたインドとヨーロッパの源流が同じかもしれないというロマンある仮説に、多くの人が惹きつけられた。

今日ではサンスクリットとヨーロッパ言語の類縁関係について疑問をもつ人もいて、印欧祖語なるものはイギリスのインド支配を正当化するイデオロギーだったのではないかという見方さえあるようだ(英語は印欧語族)。

http://39077453.at.webry.info/200907/article_11.html

とはいえ、たとえばグリムの法則、ヴェルナーの法則といった音韻変化の法則は、印欧祖語という仮説が出発点になって発見されたものであり、こうした発見が比較言語学を本格的に成立させたのは事実である。

大胆な仮説は間違いをふくんでいることもあるが、大胆なるがゆえに貴重な発見を誘うこともある。


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