月食は "a lunar eclipse" なぜ a があるか?
「月食」を和英辞典で引くと、
a lunar eclipse
と載っている。
lunar があるのは、eclipse には日食もあるからで、日食は
a solar eclipse
という。
長いこと私は、どうしてこうした表現に a があるのか理解できなかった。
いまの私の理解では、 英語の a の元の概念は「個別性」という具体性であり、文中での意味は<個・回・種>(こ・かい・しゅ)の三種類になる。
現実の月食を指すときは「一回分の月食」という意味で言うことになるし、solar(太陽の)ではなく lunar (月の)という種類の eclipse でもあるから、 lunar eclipse 前に、自然と a を言いたくなるのである。
以前、アメリカで長く活動した日本人ジャズピアニストが、「このピアノ、どう思う?」とアメリカ人に聞かれて、
It's good piano.
と答えたという話をラジオでしていた。
細かいことだが、この場合、目の前のピアノは構造性をもつ「一個」のものなので、
It's a good piano.
と言うほうが、英語としては片言っぽさがなくなる。
ここでは good もあるので、「goodという種類の」という意味でも、 a はあったほうがよい。
日本語の<個・回・種>にあたる、具体性あるものを表現するとき、思わず a や -s をつけて言いたくなるー。
これは英語のとても大事な感覚だと思う。
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