by は「独立した力の担い手」 with は「一緒にいるが力の担い手ではない」という概念(立解)
by は、「独立した力の担い手」を表す主体的な概念である。by は物理的な力ではなく観念上の「力」をいうので、触れていたり目に見えるとは限らない。
たとえば、聖書の「狭き門より入れ」は、次のように表現される。
Enter by the narrow gate. (Matt.7:13)
この by は、不動の the narrow gate が、 enter する通路をしっかり規定する力をもっていることを表している。
by とペアになる with は、「近くにいるが力の担い手ではない」という受け身の概念を表す。
He was angry with us. (われわれに対して怒っている)
これは、he was angry という状況によって力を受けているのは us であること、あるいは、he was angry という状況とともに us がいるが、us は力の担い手ではない、ということである。
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