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英語の文は<静→動>の順でできている

対象を静止したものととらえておいて、それからその動きを認識すると、対象が理解しやすく感じられる。

たとえば

1/3(三分の一)=0.3333333...

と言われると、すんなりと「そうだね」と納得する。

ところがこれを逆にして、

0.33333333... = 1/3

という形で見ると、「あれ、ほんとかな?」と思ってしまう。

無限に動いているものが、静止したものとイコールだといわれると、人間は疑問を感じるのである(畑村洋太郎『続 直観でわかる数学』岩波書店、2004年、195頁)。

素朴な静から洗練された動へ。

これが人間にとって自然な発展で、他にも例がある。

速度→加速度
四則演算→微積分
幾何学→関数
形式論理→弁証法論理
くぎ→ねじ

硬い<静>をなめらかな<動>へと移行させることで、われわれの認識はより高い次元へと移行する。

英語の文が、主語という<静>のあと、動詞という<動>へと発展するのは、人間の認識の自然な経路をたどっていることになる。


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