初めて亀戸で餃子を食べたときの話

よく二人で飲み歩いてた会社の先輩から「厄年なので厄払いしたい!一緒に行こう!」と誘われたので、そのお供で成田山新勝寺に行ってきた。

その帰りの総武線の車内、時間はまだ日が暮れていなかったので16時頃だったと思う。帰宅するにはまだ早すぎる、お腹も空いてきたので自然と飲みに行こうという流れになった。

ちょうど、SNSで亀戸餃子の話題を見かけたのを思い出し、私が「亀戸餃子って気になってるんですよね~」と言うと、同じく先輩も亀戸餃子を思い浮かべていたとのこと、頻繁に飲みに行く人とは思考と胃袋がペアリングしてくる。

あと数駅で亀戸に着くタイミングだったこともあり、二人で意見が一致したうれしさと、初の亀戸駅下車、初の亀戸餃子にテンションが上がる。

グールマップで「亀戸餃子」と検索すると北口あたりに赤いピンが並ぶ。そのときは亀戸で食べる餃子=亀戸餃子、という認識しかなかったので、とりあえずお腹も空いてるし、雰囲気のよさそうなお店があれば即入店しようということになった。

北口の雑多な路地に入ってほどなく、亀戸餃子と書かれた看板が目に入る。ほぼ満員で賑わうお店、焼き立ての餃子のうまそうなにおい。

二人ともとくに何も言葉を交わさずにアイコンタクトだけで入店をキメる。これが今では行列が並ぶ光景が当たり前になり、なかなか入れない「亀戸餃子 本店」だということを後になって知る。この日は待つことなくすぐに着席できた。あの時の自分がうらやましい。

この時、季節は冬だった。下町らしく狭く混んでいるお店、周囲のお客さんにぶつからないよう気を使いながらマフラーとコートを脱いで座ろうとすると、目の前に焼けたばかりの熱々の餃子を5個のせたお皿が差し出された。

まだオーダーしていないのに・・・!?

どうして??と驚いたが、酒の場になるとなにもかも楽しくなっちゃうおめでたい性格なので、「なんで餃子が食べたいってわかったんだろう!」「でもいいや、うれしい~」と言いながら餃子を食べる。

断っておきますが、この時は事前知識無しで入店したのでこのバカさを許してください。

瓶ビールをお供に、無心で餃子をぱくぱく食べる。おいしい~!亀戸餃子ってすごい!

1皿目が空になる前に、2皿目が差し出される。わんこそば?これは餃子のわんこそばではないのか?周りを見ると回転寿司のように5皿、7皿とお皿を積み上げている人がちらほらいる。

先輩と私は何もオーダーしてないのに2皿目が来たことに怖くなってしまった。これは、ストップをかけないと永久に餃子を食べ続けなきゃいけないシステム・・・?
(呆れないで読んでやってください。)

店内をきょろきょろすると、壁に古びた張り紙で一人2皿までと書いてある。なーんだ、そういうことか、ここは必ずひとり2皿食べなきゃいけないお店なのか。初めて亀戸餃子のしきたりを知って安心する。

2皿目の半分、8個目の餃子を食べているときにお店のおじちゃんが「次、食べる?」と声をかけてくれた。まだ半分しか食べてないのに次の餃子も食べさせようとしてくる・・・!

田舎のおばあちゃん的な優しさを勝手に感じてしまって、なんだかうれしくなってしまった。
でも初めて降りた亀戸、絶対にはしごしたいと心に決めていたので、必要最低ノルマの2皿目で打ち切ることにした。

すごいお店を見つけてしまったな~と、ふたりでニヤニヤしながらお店を出る。冬の日暮れは早くて外は薄暗くなっていた。

さらに路地を進むと、今度は町中華風のお店がある。ここのお店も餃子推し。迷わず入り、スープ餃子を頼む。
さすがにビールと餃子でお腹がいっぱいになり、この日は2軒目で帰ることにした。なんだか今年1年分の餃子を食べたような気になってきた。

これが初めて亀戸で飲んだ思い出。その後、ことあるごとに亀戸には餃子のわんこそばができるお店がある!と色んな人におすすめしまくった。

またその数年後に別のお店を飲み友達から紹介してもらい、亀戸飲みにまたはまっている。

人づきあいと一緒で、最初から意気投合して打ち解けるのが早かった友人のように、亀戸という街は第一印象から良くて、あれから何度か通ったけどやっぱり最高ー!と思わせてくれる街、というのが亀戸の印象となっている。

う~~~ん、亀戸に住みたい!

みたらし


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?