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カゴよりヒゴのほうが格段に難しい

 竹カゴを作るにはヒゴがいる。だから作る必要がある。いたって当たり前な話ですが、実はヒゴ作りが一番難しいのです。でも竹細工を続けるには必ず乗り越えなければならない壁でもあります。

ヒゴ作りが難しいのは竹細工あるある

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 竹カゴが作れるようになりたくて始めた竹細工。四つ目編み、六つ目編み以外にもいろいろな編みかたがあって、実に楽しい世界なんですが実はその前に必ず習得しなければならないものがあります、それが竹ヒゴ作り。

 確かに考えてみれば竹林にヒゴが生えているわけもなく、カゴを編むためにはヒゴを作らなければ何も始まりません。さっさと竹ヒゴを作ってしまえばいいじゃないかと思われるでしょうが、甘い甘い。実はこれが一番難しいのです。

真竹から竹ヒゴを作る

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 ひとくち竹をいっても世の中には沢山の種類の竹があります。タケノコが有名な孟宗竹、淡い竹と書く淡竹(はちく)、真の竹と書く真竹(まだけ)、その他にも篠竹、女竹、和竿に使われる布袋竹などなどです。いずれの竹も竹細工に使われるのですが、竹カゴには真竹を使うのがもっとも一般的です。

初めての竹ヒゴ作りは節無しの竹

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 当時の教室は、竹カゴ教室と竹ヒゴ教室に分かれていました。竹ヒゴを作る教室に行くようになったのは2014年3月からです。まずは竹についての説明を受けてから、竹ヒゴ作りを始めたと記憶しています。「竹細工 竹ひご作り&風車」を見てみると、竹ヒゴ作りを若干甘く見ている感じです、自分のことながら笑ってしまいます。

 竹には節があり、長い竹ヒゴを作るには節の部分も利用しないと作ることができません。「節越え(ふしごえ)」が出来る技術が必要ですが、初心者にはまず出来ません。ですので、当然のことながら節が無い短い竹からヒゴを作ることとなりました。

厚みも幅も思い通りになりません

竹ヒゴ

 節無しの竹は40cmも無い短いもので、この竹ひとつで鉈で割り30本から40本ほどの竹ヒゴを作ります。鉈で均一な幅で割って、そのあとに好みの暑さに「へいで」いきます。「へぐ」は竹細工独特の言いかたで「剝く(はぐ)」と似たようなニュアンスです。

 たかだか40cm程度の竹ですから鉈でパンパンパーンと割って、シュッシュッシューとへいでいけば楽勝だぜ!と思っていたのは竹に鉈を入れる前まで。割れば勝手に斜めに割け、へいでみれば全く厚さが均一にならず・・・。一番簡単なはずの節無しの竹でこのざまですから、本当にヒゴ作りは大変なのです。

四苦八苦の挙句、使えるヒゴは数本でした。

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 結果的には、たかだか30~40本のヒゴを作るのに丸一日を費やすこととなりました。しかも大半はヒゴというよりはゴミになり、最終的に使えるかなと言われたのは数本でした。こりゃ前途多難だなと感じたこと思い出します。 

 作れたヒゴを使って最後に編むのは風車でした。使うヒゴは4本・・なるほど初心者向けによく考えられたプログラムです。ここで六つ目といわれてもヒゴの本数不足でした。とはいえ、随分と苦労して作ったヒゴで作った風車ですから格別に嬉しかった懐かしい思い出です。

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