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リハビリ×オミクス

オミクスとはラテン語で総体を意味するもので、gene+ome=genomeだったりprotein + ome = proteomeという言い方をする。

オミクス解析とは、数万以上の遺伝子情報を処理して、そこから病態特異的な分子メカニズムを推定したり、予測する技術のこと。

もともとがんを中心に発達してきて、最近だとアルツハイマーなどの神経疾患や糖尿病などといった生活習慣病にも応用が進んでいる。

ところでリハビリにはどう応用ができるか。一つは運動生理学を分子レベルにまで掘り下げた運動分子学のような領域。エクセサイズが体にもたらす効果をオミクスデータにより明らかにしていく研究。効果的なリハビリ介入方法、生活習慣病予防、スポーツトレーニングや怪我予防への応用が期待できそうだ。

エクセサイズ・オミクスが進んでいる領域の一つが筋肉の分子メカニズム。エクセサイズに限らず、老化と筋組織の分子メカニズムの変化を大規模に調査したデータベースや、筋疾患特異的な分子病態の研究、最近だと一細胞レベルで筋組織の分子メカニズムを調べる研究など進んでいる。

がん領域に比べると規模も複雑性もまだまだ見劣りしてしまう感が否めないが、将来を感じる分野。

生理学的データとオミクスデータを駆使したデータ駆動型研究がもう少し進めば、我々のようなバイオインフォマティクス研究者も接点が生じるかもしれない。海外ではすでに始まっているようですね。

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