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おすすめ映画2022

はじめに

 こんにちは、ユミです。今年観てよかった映画をさくっと紹介していきます。筆者は映画に詳しいわけではないので、あくまで個人の好みによるものです。
 がっつりネタバレする予定はありませんが、作中の台詞や展開に触れるようなことも書いていきます。まっさらな状態で映画を観たい人には非推奨です。
 「劇場で観たおすすめ映画」と「アマプラで観られるおすすめ映画」に分けて紹介していきます。

劇場で観たおすすめ映画

超弩級濃厚インド映画「RRR」

 これを無視して今年の映画は語れない!
 「バーフバリ」のS.S.ラージャマウリ監督の最新作。闘争と革命、継承、なにより絆の物語。絆という漢字は元々「牛馬などをつなぐつな、物をしばるなわ、罪人を牢につなぐつな」などの意味があるらしいですよ。
 3時間の中に観客が見たいものを誇張なしに "すべて" 詰め込んだ、冗談みたいな濃度の今作。王道を地でいく王道。鬼気迫るまでの迫力を劇場で浴びるべきなのは言うまでもないけど、友達と飲んで騒ぎながら観たい気持ちもある、きっとそんな楽しみ方もできるハイパーパワフルな映画です。

おしゃれっぽいだけじゃない、今なお新しい映画「恋する惑星(4Kリマスター版)」

 20代の今、劇場で王家衛と出会えたことに感謝。「天使の涙」「花様年華」も観て、それぞれに別の良さがあったけどひとつ挙げるならやっぱりこれ。
 筆者が生まれる前に作られた作品とは思えないくらい新しい。それは技法とか脚本とか演出とか小難しいことじゃなくて、登場人物の在り方がちっとも埃臭くない上に説教がましいわけでもない。あと金城武がよすぎる。モノローグがね〜〜いいんですよ。どれを観ても王家衛と男の趣味が合う。
 「恋する惑星」は二本立てのような形で話が動いていきますが、個人的にはどちらかといえば一組目の二人、モウと金髪の女が好きです。カルフォルニアの二人ももちろん良いし、実際に当時もリマスター版もポスターにはよくフェイが使われていますね。彼女の存在感たるやといったところ。

すべての読み手と書き手、何者かになりたかった人へ「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」

 働く女性もの、自分探しものとしてのとらえ方もあると思いますが、個人的には作者と読者の関係を描いた作品として大好きです。その「作者」がよりによってあのサリンジャーなのも、作中での悲痛なまでの読者の声に説得力を与えます(そもそも実話を基にした物語だそう)。主人公をはじめとした、登場人物のお洋服が可愛いのも見どころ。
 特に好きな台詞は、学生の「クソ文よりマシだと思った?」と青年の「僕が自分を綴ったものが『ライ麦畑』だとしたら……」です。どんな場面かは君の目で確かめよう!

テッペンからの景色、下から見るか? 横から見るか?「HiGH&LOW THE WORST X」

 みんな大好きハイローの最新作。漫画『クローズ』とのコラボであるところの「THE WORST」シリーズの2作目ですが、前作よりすっきり見やすくなった印象。前作はこれまでのハイロー世界との繋がりや最初の土台を作る要素が大きかった分、今回はそれぞれの学校の不良たちの葛藤や関係性にフォーカスできたのかなーとも。
 あの世界特有の「こんな学校なくない!?」みたいなセットや鳳仙学園技巧(スキル)進撃の坊主電車道(ボウズライナー)はここでしか得られない栄養素です。あと小田島有剣があざとすぎる。ズルすんな。

腫れ物扱いしてはいけない一作「そばかす」(12月29日加筆)

 恋愛感情を抱かない主人公。結婚しろと口うるさい母親やバツ3であけすけな物言いの祖母、新婚で妊娠中の妹、帰郷した元AV女優の同級生など、色んな人の色んな言動に戸惑ったり振り回されたり励まされたりしながら、それでも生活は続く。
 セクシャルマイノリティの話というよりは、「他人の気持ちや意見を支配することはできないけど、だからこそ他人に迎合しなくてもいい」っていう人生の話をしてるんすわ(CVマフィア梶田)。
 あと登場人物たちのちょっとした目線や表情の変化で「今気持ち離れたな」「心閉ざしたな」ってわかる瞬間がなんかいい。ラストの爽やかさも必見。


アマプラで観られるおすすめ映画

大人と子どものあわいに潜むやるせなさ「オーファンズ・ブルース」

 1995年生まれの鬼才・工藤梨穂監督が描くロードムービー。最新作「裸足で鳴らしてみせろ」も劇場で観ました。すごかった。上のラインナップに加えるか迷った結果、一人でも多くの人に工藤監督の撮る「青春」に触れてほしいこともあり、サブスクでのおすすめに「オーファンズ・ブルース」を挙げました。
 日に日に記憶を失ってしまう主人公が消息不明の友達「ヤン」を探して旅する物語。作中での異常気象、汗ばんだ誰かの背中、青い草の匂い、ざらざらした肌の感触。「裸足で鳴らしてみせろ」もそうですが、懐かしいのに苦々しくて、無性にやるせない空気感をここまで再現できる才能に嫉妬すらしてしまいます。最後の一秒まで見逃せない一作。

ヒーローは虚構の存在なのか? に対するひとつの回答「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」

 「仮面ライダー」を好きな少年から物語が動いていく、メタ的な視点の異色作。正直言いたいことは、このキャッチコピーに尽きます。

仮面ライダーを愛してくれたあなたへ
— あなたの記憶に、彼らは生きているか。

 メインどころを務めるのはジオウとビルドなので、2シリーズのレギュラーメンバーを知らないと何が何だかわからないかもしれないけど、それを強いてでも観てほしい傑作。
 この映画を最大出力で味わうなら、少なくとも

  • 「仮面ライダー電王」本編と本編以降の動向(東映特撮における電王の扱い、立ち位置)

  • 「仮面ライダービルド」本編

  • 「仮面ライダージオウ」本編、「劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer」

の履修はマストだと思います。大体アマプラで見られるよ!

👫🏚️💥🦫「ゾンビーバー」

 ラストを見て、自分の中で一気に高評価に躍り出た映画。ゾンビパニックものと言えばそれまでですが、派手な男女が次々襲われていくさまは実に爽快です。ゾンビーバー(ゾンビのビーバー)がCGじゃないので湿った毛の質感がいい感じに気持ち悪いのもグッド。
 ただ一点だけ注意事項があるとすれば、犬が可哀想な目に遭うシーンがあります。それを除けば酒に合うB級映画です。こういうのでいいんだよこういうので。

静かな熱と憂鬱「燃ゆる女の肖像」

 もはや私が語ることはない気もします。可能な限り静かな部屋で、大きな画面で、できれば一人でこの世界に浸ってほしい。
 先に挙げた工藤監督の「裸足で鳴らしてみせろ」にも言えることなんですが、この作品の二人を「特別な状況下での特別な関係」と捉えるか否かは意見が分かれそうですが、決して「魔が差した」「若気の至り」などではないということは記しておきたい。
 好きな台詞は「振り返ってよ」です。言うまでもなくラストが良い。


☆劇場で観たのを後悔した映画☆

「仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル」

 内容の是非以前に、ストーリーの造りが粗末すぎて文字通りお話にならない。キャストに罪はない、と思いたい。

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