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更新型Covid-19ワクチン追加接種直後の抗体反応が誤って解釈され、公衆衛生上危険な、誤ったメッセージが流布されている。

Dr. Geert Vanden Bossche 2023年12月18日投稿(substack)12月21日(VOICES FOR SCIENCE AND SOLIDARITY)
Misinterpretation of acute antibody responses after administration of updated booster vaccines to Covid-19 vaccine recipients conveys a dangerously misleading public health message.
の翻訳です。原文を参照の上ご利用ください。
タイトル画像:Image by pikisuperstar on Freepik

この短い記事で私の複雑な解析を伝えることは不可能だ。しかし、新たなSARS-CoV-2変異株、しかも、これまでとは劇的に異なる変異株の出現が差し迫っていると強く言わざるを得ない。その変異株はCovid-19ワクチン接種率の高い集団で、非常に病原性の高いワクチン・ブレークスルー感染を起こすと私は強く予測している。

この結論は、アメリカ合衆国、及び、ヨーロッパの複数の国で、現在、JN.1の感染率の顕著な上昇と、Covid-19による入院と死亡率の上昇が同時に起こっていることから導き出される。JN.1は、スパイクタンパク質以外にも複数の複製増強性変異を含む新規変異株である。

痛ましいことに、多くの科学者や、いわゆる「専門家」たちは、今も、現在流行している変異株は、JN.1も含めて、更新型ワクチン(XBB1.5対応ワクチンなど)の追加接種で中和できるという考えに固執している。彼らは、更新型(2023-2024年型)COVID-19ワクチンは新たなJN.1変異株に効果がある、と誤って結論している! 彼らは、追加接種は、これまでのワクチン・ブレークスルー感染に引き続く立体的免疫再集中によって、既に誘導された、(異なる変異株に)交差反応性の抗スパイク抗体の一時的な増加による短期間の中和活性をもたらすことしかできない、ということを理解していない。この一時的な中和効果は、急速に、より恒常的な不十分な感染抑制効果(すなわち、症状緩和効果)に移行する。それによって、Covid-19ワクチン接種率の高い集団は、集団的にウイルスの感染性に免疫選択圧力を及ぼすようになり、より感染性の高い変異株の拡大を促すのだ! 追加接種は、これまでの免疫再集中で誘導された交差反応性抗体を再び増加させ、次に現れる変異株にワクチン・ブレークスルー感染したときに、さらに免疫再集中を起こしやすくするだけであり、より感染性の高い免疫逃避変異株の出現を加速するだけである!

新たに出現する、より感染性の高い変異株は、Covid-19ワクチン接種者の免疫系に、非中和抗体の産生を維持するのに十分な時間を与えない。これまでは、既に誘導された中和抗体(中和能力を著しく失っている)が、新たな感染性スパイク変異株と相互作用して、非中和抗体の産生を促していた。

非中和抗体が、その感染促進効果によって、新規SC-2変異株によるワクチン・ブレークスルー感染を促進することは、繰り返し報告されている。まもなく、Covid-19ワクチン接種率の高い集団で、ワクチン・ブレークスルー感染は非中和抗体の産生を伴わなくなり、集団的に非中和抗体の濃度が不十分なレベルにまで低下するだろう。そうなれば、SARS-CoV-2は、非中和抗体による集団的な病原性抑制効果に打ち勝つ劇的な変異を起こすことになる。すなわち、もはや、Covid-19ワクチン接種率の高い集団で、感染率の上昇が重症COVID-19の減少をもたらすことはなくなる、ということが強く示唆される。

オミクロンの出現と、変異によるスパイクタンパク質の受容体結合ドメインの著しい変化は、全く私たち皆の予期せぬことだった。オミクロンの出現は、新たな変異株の出現が間近に迫っていることを示す凶兆であり、そこから唯一予測されるものは、より突然に現れ、より一層、劇的な変異(おそらくO型糖鎖プロファイルにおいて)を伴う新たな変異株の出現である。

オミクロン出現後のこれまでの状況とは異なり、今回は感染性の増強だけでなく、高度のウイルス病原性によって事態がさらに悪化するだろう。
私が繰り返し警告してきたように「COVID-19ワクチン接種率の高い国々は不意をつかれる」のだ。

しかし、非接種者は、既にかなりの期間に渡り、液性獲得免疫から、訓練された細胞性自然免疫に移行して様々な変異株に対応してきた。そのため、恐るべき変異株も健康な非接種者には、何の問題も起こさない。私が「アフリカが勝つ」と言い続けているのは、その理由である。

この記事で触れた陰湿な免疫破壊メカニズムについては、新しい論考で詳しく説明するつもりだ。しかし、この押し寄せる津波に間に合うだろうか…。現時点ではシャーロック・ホームズを引用する以外に何が出来るだろう。

「不可能を排除したとき、どんなにありえないことでも、残った
ものが真実に違いないと、何度言ったことか」

"How often have I said to you that when you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth?”― Arthur Conan Doyle, The Sign of Four

最後に:

オミクロンの出現は、疑いなく、パンデミックの最中に実施された大規模なCOVID-19ワクチン接種プログラムによってもたらされた。WHOを初めとする、この集団接種プログラムの全ての利害関係者は、このパンデミックの悲惨な進化の現状について非難され、責任を負わなければならない。

技術によって自然を制御できるという信じられないほど単純な信念のもと、技術者たちは、その生物学的影響を十分に理解しないまま、高度な技術を追求するという誘惑に取込まれてきた。Covid-19集団ワクチン接種プログラムは、自然なパンデミックを免疫逃避パンデミックに変容させただけではない。──人類が、自分自身に解き放った──生物学史上最大、かつ、最も危険な機能獲得実験へと変えたのだ…

Geert Vanden Bossche, DVM, PhD – December 17th 2023

自分が正しくて、世の中の波が間違っていると分かっていながら、その波が自分に押し寄せてくる。これほど無力感に苛まれることはない。
ノーマン・メイラー

”There is no greater impotence in all the world like knowing you are right and
that the wave of the world is wrong, yet the wave crashes upon you.”
– Norman Mailer 


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