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残念ながら、終わってはいない・・・

Dr. Geert Vanden Bossche 2024年1月27日投稿
Unfortunately, it’s not over... (VOICES FOR SCIENCE AND SOLIDARITY
の翻訳です。
原文を参照の上ご利用ください。

今、COVID-19は、一見、沈黙の時期を迎えているようだ。多くの国でCOVID-19による入院率と死亡率は(2022年末に比べて)比較的低く、いくつかの国では最近いくらか上昇しているものの、全体としては減少している。さらに、この傾向は、しばしば、下水中のSARS-COV-2の検出の減少と一致している。しかし、いくつかの国や州では、下水中のウイルス活性レベルは今も非常に高いままである。2023年秋に始まった更新型ワクチンの接種率がとても低いことを考えれば、これが更新型ワクチン接種キャンペーンの結果でないことは明白である。私の考えでは、この減少は、COVID-19ワクチン接種者で抗原提示細胞によるウイルスの取り込みが過剰に活性化していることを反映している。それによって細胞傷害性T細胞が強力に活性化される。ウイルスに感染した細胞を破壊することが細胞傷害性T細胞の働きであるため、ウイルスの排出が抑制されるだけでなく、ウイルスによる疾患の発症もますます抑制される。高度にワクチン接種された集団で、多くの人の細胞傷害性T細胞の活性が亢進することは、もちろん、ウイルスの拡大を促進しはしない。しかし、これによってウイルスの伝播の継続が防がれるわけではないことを忘れてはならない。流行中の変異株(特に、JN.1、すなわち、BA2.86.1.1とその派生株)は極めて感染性が高く、目立った臨床症状を示さないため、しばしば無症状で広がっていく。つまり、増殖を続け、変異株を生み出し続ける機会があるということだ。その中から細胞傷害性T細胞がウイルスの伝播に与えている悪影響に最もよく抵抗する変異株が選ばれるだろう。

SARS-CoV-2の無症状感染が増える一方で、他の呼吸器感染性ウイルス(RSV、インフルエンザなど)による疾患も増加している。同時に、がんや慢性感染性疾患もさらに増加している。以前にも書いたが、COVID-19ワクチン接種者で活性化したMHCクラスI非拘束性細胞傷害性T細胞は、他の呼吸器感染性ウイルスに感染した宿主細胞にも働くため、これらのウイルスの無症状での伝播が起こるようになり、これらのウイルスに対する免疫防御に欠ける人は発症する、と私は考えている。さらに、COVID-19ワクチン接種者での抗原提示細胞の強力な活性化は、通常であればがんや潜在性の慢性感染を制御している、(PD-1/PD-L系による)T細胞による免疫の抑制につながる。その結果、高度にCOVID-19ワクチンを接種された集団では、COVID-19関連疾患と、ワクチンによるCOVID-19非関連疾患の両方が起こるという事態に直面している。このことは、高度にCOVID-19ワクチンを接種された集団で、終には、ワクチン・ブレークスルー感染が重症COVID-19疾患増強を引き起こすようになり、そのような症例がほとんどを占めるようになるという状況への移行を示していると考えている。

一方で、JN.1は、すでに、いくつかの変異を追加した子孫に分化している。JN.1自身、例外的と言っていいほどにきわめて高い感染力を備えているが、その子孫に新たに加わった変異は、直ちに本質的なウイルスの感染力の増加につながるものではない。いわゆるハイブリッド免疫では、ウイルスの容赦ない拡大や 変異を抑えることができないことは明らかである。JN.1一族は世界的に最も有力な変異株であるが、JN.1もその派生株も以前のSARS-CoV-2系統に比べて、より重篤な結果を引き起こすものではないようである。さらに、現在のCOVID-19感染による重症化率は、パンデミックの初期ほどではない。

ワクチン接種と感染症の両方に由来する防御であると主張されているハイブリッド免疫なるものは、COVID-19ワクチン接種者における現在進行中の適応免疫応答の動態を理解していない人々によって、「両者のいいとこ取り」と考えられている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37592872/)。いわゆる専門家と呼ばれる人々の中には、mRNAやワクチン・ブレイクスルー感染によって誘導される免疫再集中という概念を理解しておらず、そのため、ハイブリッド免疫がワクチン単独や自然感染単独でもたらされる免疫よりも、大きさや持続性において優れていると信じている者たちがいる。彼らの中にはさらに踏み込んで、ハイブリッド免疫によって集団免疫が実現され、その結果、ウイルスがエンデミック化したと主張する者までいるのだ!

このパンデミックの研究を行っている科学者たちが、どうしてこのようなナンセンスなことを口にするのか、私には理解できない。
いずれにせよ、このウイルスの進化は予測不可能であり、今後もそうであり続けるという点では科学者達は合意しているようである。また、熱心な突然変異探索家の中には、ウイルスの感染率が高くなったからといって病原性が低下するわけではないと明言する者も増えてきている。

ロブ・レンネボーム博士は、現在進行している宿主の免疫反応の変化を、戦いに敗れると代替戦術に移行する軍隊の適応戦略に例えている(https://www.voiceforscienceandsolidarity.org/scientific-blog/an-armed-forces-analogy-the-immunologic-consequences-of-the-covid-19-mass-vaccination-campaign)[和訳]。博士は、この例えを用いて、私がこの(免疫逃避!)パンデミックで進行している進化が、実際には逆の効果をもたらすと確信している理由を簡潔に説明している。高度にCOVID-19ワクチンを接種された集団によって及ぼされる免疫圧力は、ある宿主から別の宿主へのウイルス感染を大幅に減少させるだろうが、同じ宿主内での強力な拡散を防ぐことはできないだろう。これがまさに高病原性ということなのだ。

私の説を信じるか信じないかは別として、純粋に理論だけを見ても、どちらにも転ぶ可能性があることに変わりはない。パンデミックの現段階において、人々が追加予防接種を受けることに積極的でなくなっていること、そして更新型ワクチンの追加接種でも十分な中和抗体が得られていないことを考えると、保健当局のこのような消極的な姿勢がどのように容認されているのか疑問に思わざるを得ない。

それは、ここ数年にわたるこの危機対応のまずさと、いわゆるコロナの専門家たちが吹聴してきたあらゆる戯言によって、人々がどれほど疲弊し、消耗しているかを示しているに過ぎない。私はこの無関心を完全に理解しているが、全く新しいタイプのSARS-CoV-2変異株が高度にCOVID-19ワクチンを接種された集団に引き起こしうる結果を、科学的根拠に基づいて恐れているということを隠すつもりはない。だから、私は “高度にCOVID-19ワクチンを接種した国の社会は不意打ちを食らうだろう" と主張し続ける。しかし、予想されるウイルスへの変化がいつ起こるかを予測するのは非常に難しい。デルタの後、感染性の、高いオミクロン世代が出現するのに時間はかからなかった。問題は、ウイルスが、現在受けているウイルス自身の存続を脅かす免疫圧力から逃れられるような変異株を出現させるのに、どれだけの時間が必要か、ことだけである。いずれにせよ、ロブ・レンネボーム博士は、改めてここで指針を示し、その中で、イベルメクチンによるタイムリーな治療が完全な理にかなっている理由も説明している(https://notesfromthesocialclinic.org/wp-content/uploads/2024/01/COVID-ANALYSIS-232g-IVERMECTIN-SUMMARY.pdf)。

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