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「インタビュー」で心の声をさぐりあてる

仕事でいちばん好きなのは、インタビュー。
いろんな人の人生を聞くのが好き。

この人がこの人であるその根っこになにがあるのか、さぐりあて、その人の言葉を引き出す。
人が言葉を心の底からつむぎだす時、その人なりの人生の哲学とでもいうべき言葉をさぐりあてることがある。
その瞬間がとても好き。

インタビューされている側が、
ああ、そうなんだ、私ってこういうこと思っていたんだ。
私がこれをしてきたのはこういう意味があったんだ。
と、自分自身の内面に気づかれることがある。

「それって、こういうことですか?」
と問いかけるこちら側の言葉に、相手がはっとされる瞬間がある。
自分では言葉にできなかったけれど、私の心の奥のモヤモヤしている思いを言葉にした瞬間。

私自身も、インタビューをするだけでなく、取材され、数々のインタビューをされてきた。

遠い昔。20年近く前だろうか。まだ創業してほどない頃、
東京の日経新聞本社から取材に来られた。

「あなたのロールモデルは誰ですか?」というテーマだった。

私は、自分が不遜なのだろうか。
こんな風になりたい、とか思う人はいなかった。
私は私自身。でも、人の話を聞くのは好き。
「27歳のころ」というインタビューシリーズで、毎月毎月、福岡のたくさんの女性をインタビューして、ステキだなあと思ったり、感動したり、その一人一人が私にとってかけがえのない人たち。アヴァンティを読んだ読者の女性たちの1000人に1人でも、心に響くインタビュー記事があったらいいなあと思って続けている、取材をした方からも「自分の人生、捨てたもんじゃないと思えた、記事にしてもらって私ってこんなことしてたんだと確認できてうれしい」とお手紙をもらうことも多い、と、そんな話をしていると、ポツンと、

「アヴァンティは、ロールモデルを発掘している雑誌なんですね」
と言われ、はっとした。

自分でも、言葉にできなかった、意味もわからず続けていたことに、言葉を見つけることで、はっきりと役割を見い出した瞬間だった。

「記者ってすごい」と思った。そんな発見のあるインタビューを、私もしたいものだと思う。

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