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デジタルな夏休み

今年の夏休みは、コロナのせいでどこにも行けない。行っても近くのスーパーに買い物に行くだけ!
コロナ前は、どんなに忙しく働きアリみたいにうごいていたことかと思うとゾッとする。1日一つのタスクを終えるために電車に乗り、汗水垂らして会場に着き、ぼーっと話を聞き、ランチを食べ、また、電車にゆられて帰ってくる。帰ったら、疲れたと言ってアイスクリームを食べテレビを見ながら夜が過ぎる。充実した1日だよね。
今は、時間になったらパソコンの前に座り、時間遅れて入室しても、遅刻したなという視線を感じなくてもいい。コーヒー飲みながら、部屋は散らかってるけど、背景変えてリゾート気分。
ネット環境が悪かったり、容量オーバーでしばし、動かないパソコンの前でパチパチ、キーボードをたたく。
動き出した頃には、話はずいぶん進んでいるけどなんとか話はわかるよね。
時間があるようで、時間があってうれしいとはあんまり思わない。
人の感覚は不思議なものである。
動いて、時計を見ながら、会場まで走っている時の方が、生きてるって感じはする。

お金がたまってしょうがないでしょ!とも言う。
旅行に行かないし、外食しないし、移動しないし。
でも、会計ソフトで打ち出される数字は、なぜか赤字である。
買い物だけが、外部とつながってるって感じる入り口なのかとも感じる。
いつ着るかわからない服を買ったり、いつ読むかわからない本を買ったり、いつ役に立つのかわからない自己啓発セミナーにお金を払ったり。
時間があるからパソコンポチポチして
ポチッと決済してしまう。
お金も数字だけの世界なので
買い物をすれば数字が減るだけである。
明日からの暮らしがどうなるかなんて考えない。だってお金なくても決済できてしまうから。
引き落とし日が近づくと、
またまた数字のやりくりが始まる。
そして、その時は、来月はなんとかしようと思うが、変わらない日常が始まる。

デジタルは人を幸せにするはずだ!
と信じている。
でも、何が幸せかわからなくなる。
デジタルを使うと
楽になる
自分の能力を超えた仕事が出来る
時間が生まれる
遠くの人とも簡単に顔を見ながら話せる
会う必要がない
行く必要がない
運動が大事と言いながら、動く必要がない
エアコンのスイッチ
電気のスイッチすら
押す必要がない
情報はあふれている

いいこと
悪いこと
物事には陰と陽があると言う
いいことは、情報があればすぐに調べることができる
悪いことは、情報があふれすぎて何を見れば何を信じればいいのかわからない
前よりもっと
頭を使わないといい情報は手に入らない
いい情報を手に入れるには
時間をかけて勉強して
時間をかけて調べて
時間をかけて手に入れるしかない
時間が生まれたはずの世の中で
時間がないとパソコンの前で頭をかかえる

楽を覚えた体は
より最短に学べる方法を探し
より手軽に学べる方法を探し
探しているだけで
なかなか本題の学習には身が入らない
なんかもっといい方法があるのではないかと気が気でない

動く必要がなくなった世の中で
無理矢理ジムにいって体を動かす
本当にストレスである
なにもしないでゴロゴロとしたい私は、
動かなければならないのは苦痛である

ひまな夏休みは
やることが見つからない
あのワクワクが感じられない
デジタルだけの世界では
ワクワクは見つからない
ひまになった時
みんな
なにやるのかと思ってしまう

人が気になる
投資の勉強をしている人
英語の勉強をしている人
ネットフリックスを見ている人
ジムに行く人
本を読む人
ピアノを弾く人
バイオリンを弾く人
絵を描く人
字を書く人
文を書く人
釣りをする人
温泉に入っている人
cafeでお茶を飲んでいる人
プログラミングの勉強をしている人
占いの本を読んで今日はどんな運勢か気になる人
靴を磨く人
レゴで遊ぶ人

なんでもできそうでなにもできない
何にもしなくてもいいのに
何故か不安になる

バーチャルな世界にもう一人アバターを作って
違う人生を歩めるとしたら
何になる?
結局、今の自分の頭の中にある世界からは飛び出せない!
想像できないものには、なれないから
頭の中で想像できないものには、なれない
悲しい

他の人の頭の中に入れば
もう少し世界が広がるかもしれない
他の人と関わることは
世の中を広げるためには必要だ

別に広げる必要はない?

ないものねだりで
未知の世界は魅力的である
未知の世界へ行くには
他の人の頭の中に入るしかない

その方法は
誰かと話すこと
本を読むこと
映画を見ること
ライブに行くこと
旅行に行くこと
美味しい料理を食べること
素敵なアートに触れること
お気に入りにアクセサリーを身につけること

なんだか今までやってきたことと同じじゃないか
デジタルな夏休みは
今までの夏休みが有意義であったことを
教えてくれた

誰かを気にすることは
意外と悪いことばかりでもないらしい

もうすぐ夏休みはおしまい
やっぱり
蝉の声は大事なアイテムだ

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