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【兎草子】新幹線連結解除事故の原因究明を(24/09/19)

今日のニュース。いや、驚きました。
東北新幹線の「はやぶさ」と「こまち」の連結が走行中に外れるという事故です。

当該列車である「はやぶさ6号」と「こまち6号」は盛岡駅で連結し、ひとつの列車となり東京へ向かうところでした。正確には「はやぶさ6号」は盛岡駅始発なので、2方向から到着した列車が連結したわけではないのですが、盛岡駅で発車を待つ「はやぶさ」に秋田から到着した「こまち」が連結したわけです。多くの「はやぷさ」は新青森や新函館北斗が始発ですが、早朝の列車だったので盛岡始発ということだったようです。

「はやぶさ」で使用されるE5系と、「こまち」で使用されるE6系は、国内最高である時速320キロで運転ができ、この列車も盛岡〜仙台間をノンストップ、そのほとんどを最高速度近くで運転していました。
実際今日事故が起きた時の速度は時速315キロだったと報じられています。

何らかの不具合が発生し、時速300キロを超える速度で連結が外れたわけです。鉄道はレールがありますから、連結が外れたとしても直線区間では簡単に脱線することはありませんし、連結が外れたことを検知したシステムは正常に作動して分離した双方の編成に急ブレーキをかけたということで、フェールセーフ機構は働きました。
ただ、前後に分離した列車の速度が異なると衝突の危険もあったわけで、JRは万が一分離した場合には前後でブレーキの効きを変えて衝突しないようにしていると言っていましたが、分離した後に前方車両の運転士、後方車両の車掌が手動で緊急ブレーキをかけたと言っていますから、その通りになっていたのかは検証が必要でしょう。

大事なのは、高速走行中になぜ連結器が、正確には連結併合装置というらしいですが解除されてしまったのかということです。本来は時速5キロ以上では解除できない仕様だったといいます。
つまり、今回の事故は当然のことながらあり得ないはずのこと、いわゆる想定外だったわけですが、想定外というのは正しい設計や実装に対してということですから、正しくなかったこと、もしくは設計や実装で考慮されていなかったことをみつける必要があります。

今回は、直線区間だったこともあり、時速315キロからでも安全に停車することができましたが、もし曲線区間や勾配区間であれば衝突や脱線の危険度は高まるはずです。
そのための原因究明はしっかりしていただきたいところです。

ここからは推測になりますが、連結併合装置は自動化されており、連結装置自体は機械的に破壊されている様子がなかったので、連結解除されたのは、誤って連結解除の指示がシステム上で出たということになります。
この場合、ソフトウェアの問題かハードウェアの問題かということの切り分けをまずする必要があるでしょう。ソフトウェアの場合は、そもそも実装されたソフトウェアにバグがあったのかだけでなく、意図的なウィルスのようなものが送り込まれたのか、ということも確認が必要です。
また連結解除の指示は最終的には何らかの電気信号ですから、ハード的にそういう間違った信号が出されることになっていなかったか、もしくはハードの不具合でそういう信号が出なかったかという検証も必要かもしれません。

いずれにしても時速300キロで連結が外れるというのは、はっきり言って私は大事故につながる見逃せない問題だと思います。
今後運輸事故調査委員会の調べが入るとは思いますが、襟を正して検証・究明にあたってほしいところです。

ところで、そう言った原因調査がきちんとされないまま、目視点検で大丈夫だったからといって連結運転を再開したのは解せません。
もちろん大動脈ですから、早く定常運転に戻すことは大事なことではありますが、優先順位が違っているような。正直安全に対する感度がおかしいのではないかとも思ったりしているところです。


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