ロンドン夜景

中国顔負けの言論の不自由

論点外しの権化が年金問題です。さすがに、あまりに馬鹿げた一部の報道や報告書をロクにお読みにならずデモをする方々には、多くの国民が「存在の耐えられない軽さ」を感じているようです。もっとも、わかっていて確信犯的、政治イデオロギー的に騒ぐ人々も相当数おられるので、それはそれとして頭を整理して議論の相手を考えるべきでしょうね。

今回不思議なことは、現にこの報告書に関わった委員から目ぼしい意見や反論が見られないことです。相当な期間、それなりのデータや根拠に基づいて、当代一流の有識者の方々が検討してまとめたはずの報告書。

それが、野党の政争の具に利用されようとした時点で、どうしてもっと理性的な意見表明ができなかったのか、不可解です。

でも、ある委員がそっと言っていました「いや、役所も良くわかっているし、私も声を上げたい。でも、片言隻句だけ捉えられてネットで炎上したり、根拠レスに安手の報道でコケにされるのもいやだ。今の日本は、情報が横溢しすぎて、匿名多数の言論暴力が猛威をふるっています。意気地がないと言われようが、私はそんな不愉快な思いを覚悟してまで自説を主張しようとは思いません」

うーん、です。もう300年近くも前に、ボルテールが言ってた言葉は、いまや死語なんでしょうか。「私はあなたの意見に反対だ。だが、あなたがその反対意見を述べる権利は我が一命をかけて守ります」

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