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私の研究インターンシップ体験記その3・インターンへ行って(最終回)

ご無沙汰してます、D3になった神田です。
前回「迅速な更新」を宣言しておきながら、丸2か月が経ちました…。

今回はインターンシップ最終回として、インターン中の話とその後の感想をまとめたいと思います。

インターン中の話

まずインターンで私が配属された部署は、「電子デバイスラボラトリー」という場所です。
東芝のHPに動画と研究者紹介が出ていますので、リンクを貼っておきます。

研究者紹介
https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/recruit/researchers/gangi.html

研究内容としては、半導体の中でも大電力を扱う「パワー半導体」と呼ばれるデバイスの研究開発を行っています。
従来型の半導体であるSiに加えて、比較的新しい半導体であるSiCやGaNのデバイス開発も行っています。
最近の大きな研究成果は「トリプルゲートIGBT」の開発です。(と、インターン初日のブリーフィングで教わりました。)
https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/rd/topics/21/2106-01.html

3か月のインターン期間では、二つのテーマに取り組みました。
最初の3週間は市販のMOSFETの特性評価をしました。
具体的には半導体チップのデータシート(皆さん見たことありますか?)のデータを複数種類のチップで実際に測定し、その違いを議論しようというものです。
参考:データシートの一例

https://docs.rs-online.com/fa9e/0900766b81294fa5.pdf

パラメータは10種類以上あるのですが、測定はマシンが全自動ですべてやってくれます。便利なマシンが世の中にはあったもんだ。
文献調査(そのパラメータの意味、どうやって測定するか)、実験、解析・議論、プレゼンまでを3週間で行いました。

では残り約2か月は何をしたかということですが、ヒ・ミ・ツです(笑)
守秘義務に抵触するので詳しくは言えませんが、半導体チップのある特性に関する研究をしていました。
期間は長いですが、基本的にやっていることはいつもと同じで、文献調査->実験->解析・議論->プレゼンの流れです。

インターンを終えての感想など

3か月間長々とお世話になったわけですが、一番の収穫は自分に自信がついたことです。
率直に言うと、研究の各段階でほめてもらえたのが本当にうれしかったです。
インターン中の上司もとても素晴らしい方でしたし、今の研究室でも仕事を評価してもらってはいるのですが、全然違うテーマでもちゃんと評価される仕事ができているのだと実感でき、自分のやっていることは間違っていないのだと自信がつきました。
ずっと同じテーマで研究しているのも楽しいですが、やはりある種の閉そく感というか、「このテーマ以外でも実力が出せるのか」という疑問はなかなか解消しません。
そういう意味で、思い切って全然違うテーマで研究し、その仕事を評価してもらえたのは貴重な経験になりました。

と、ここで終わるととてもいい話なのですが、もう少し続けたいと思います。(読者が一番読みたいのはこれ以降の話だと思うので)

インターンに行って感じたことは、「俺、サラリーマン向いてねぇ」ということです。
毎朝同じ時間(7時)に起きて、9時に会社に行って、昼休みにご飯を食べて、17時には退社(もちろん社員の人は残業)…24時には就寝という生活を3か月間続けたわけですが、毎日が単調すぎて正直つらかったです。
もう少し自由に働ける職場のほうがあっていると思いました。

それから、(これも「サラリーマン向いてねぇ」の一部分ですが)研究テーマをもらって研究するというのも、今となってはなんだか違和感を感じるようになってしまいました。
小濱先生の指導方針として「研究テーマは自分で探す」というのがあり、博士の学生はテーマ探しからする必要があります。
やったことある人はわかると思いますが、ノーヒントで0から、しかも博士論文が書けそうな(=3年で博士論文にできると小濱先生が納得するような)テーマを、研究を始めて3年目の段階で探すというのは大変苦労します。
ちなみに僕は小濱先生に納得していただくまでに半年かかりました。

インターン先では修士の研究以来数年ぶりにもらったテーマで研究をしました。
テーマ探しのつらさが身に染みて分かっているだけあって、最初は「研究テーマをいただきありがとうございます!」くらいの気持ちでした。
ただ、やはり研究テーマへの「愛着」が違いました。
更新間隔があきすぎて以前お伝えしたかもう忘れてしまったのですが、僕の場合は月曜から木曜まで勤務、金曜日を休みにしてもらって研究室の研究(主に論文の執筆)にあてていましたが、毎週金曜日が一番楽しかったです。

職場としての東芝は本当に最高でした。
大変素晴らしい上司と同僚に恵まれ、普段絶対に使うことが無いような装置も使わせていただき、それからいっぱい褒めていただき、3か月働いた私は自信をもって皆様に東芝をお勧めします!!!
が、私個人がサラリーマンに向いていなかったこともよく分かったので、私はアカデミックに残ろうと思います!
(東芝の皆さんすみません(>_<))

ただこの向き不向きというのも、実際に働いてみないとわからないことです。
このブログを読まれた方も、3か月はさすがに長すぎだと思いましたが、1ヶ月でもいいのでぜひインターンに行き、自分の人生に自分なりの答えを探してみてください!!

それでは「私のインターンシップ体験記」はこれにておしまいとします。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。(完)

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