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新幹線グリーン車に格安で乗れる「100キロ以内のおすすめ区間」を紹介!【東海道・山陽・九州新幹線編】

我が国の鉄道界における最高ランクの移動手段の一つ「新幹線のグリーン車」。
存在自体はほぼ全ての日本人が知っていても、「やっぱり、目が飛び出るほど高いんでしょ?普通席でも結構高いのに…」と思う人も多いでしょう。

しかし、JR線の特急(新幹線を含む)グリーン車の特別料金は
利用距離が100キロまでであれば、原則として自由席の特急料金にプラス1,300円で利用可能
となっており、イメージとは裏腹にそこまで高額ではないことがわかります。

グリーン車を利用する際の正式な特急料金の計算方法は
「普通車指定席を利用する場合の特急料金に530円をマイナスし、そこにグリーン料金をプラスした金額」
となりますが、ここでは分かりやすさを重視してこのような表記とします。
また、JRカレンダーの(最)繁忙期・閑散期に該当する日に利用する場合はそれぞれマイナス200円~プラス400円の値下げ・値上げが発生する点にも注意が必要です。
※以前は普通車指定席のみがこの影響を受けていましたが、2022年度以降はJR東日本・北海道で、2023年度以降は全国共通ですべての指定席(グリーン車・グランクラス・寝台特急サンライズ瀬戸出雲の個室寝台)がこの影響を受けるようになっています。
(通年同額となっており、この影響を受けない列車も一部存在しますが…)

そこで、今回は新幹線のグリーン車を格安で利用できる「利用距離100キロ以内のおすすめ区間」を、東海道・山陽・九州新幹線に的を絞って紹介します。
後日、在来線特急編も紹介予定ですので、よろしくお願いします。

【↓1/10に、東北・上越・北陸新幹線編も投稿しました!こちらも合わせてご覧ください^^↓】

【参考として、グリーン料金の価格設定や(最)繁忙期・閑散期の適用日を示すJRカレンダーのリンクを掲載します。】

なお、この記事で紹介するのは独断で判断した一部のおすすめ区間に限定しています。
また、山陽・九州新幹線では各駅停車に相当する「こだま・つばめ」を中心に、グリーン車がそもそも設定されていない列車も多く存在します。この点にも注意した上でご覧ください。


東海道新幹線編(東京~名古屋~新大阪)

1:東京~小田原(83.9キロ)

新幹線の起点となる東京駅からも、格安で新幹線グリーン車の旅が楽しめる区間が存在します。
この区間では、JR在来線の特急「踊り子」や新宿からの小田急線が安さを武器に並走しているので、これらの移動手段も利用時間に合わせて活用していくといいでしょう。

2:品川~熱海(97.8キロ)

伊豆半島方面を結ぶJR東日本の観光特急「サフィール踊り子」に安く乗れることで知る人ぞ知る区間ですが、この区間のコスパの良さは新幹線にももちろん当てはまります。
【↓参考として、サフィール踊り子の詳細ページを掲載します。↓】

ちなみに、新幹線で東京~熱海・三島に移動する場合の「利用距離が100キロをわずかに超えるが、特例で100キロまでの特急料金で利用できる」という特例は普通席の特急料金部分のみの適用です。(グリーン料金は通常通り200キロまでの価格区分になります)
自由席利用であれば強力なテクニックでしたが、グリーン車利用時にはこのテクニックは使えないことに注意しましょう。

3:新横浜~三島(91.9キロ)

東京への速達通勤の味方として代表的な新横浜駅ですが、今回のグリーン車格安移動企画においても大活躍します。
特に、日中には約2時間に1本の頻度で三島にもひかり号が止まるため、この列車を利用できれば新横浜から三島までノンストップで向かうことも可能です。

4:小田原~静岡(96.3キロ)

小田原にもひかり号は止まりますが、この駅に止まるひかり号はすべて名古屋までノンストップの速達タイプのため、この区間で使えるのはこだま号だけです。
とはいっても、所要時間は約45分と通勤電車利用よりも約1時間速くなるため、速達性は申し分なしでしょう。

5:名古屋~米原(79.9キロ)

他の区間よりは若干利用距離が短くなりますが、岐阜~米原の在来線は特急を除きすべて各駅停車になることもあり、彦根・野洲・長浜など滋賀県東部が目的地の人にとってはここもかなり有力な選択肢になり得ます。

番外編:京都~山陽新幹線の西明石(98.7キロ)

この区間では、乗車券だけで利用できる速達列車「新快速」が大活躍していることもあり、無理に特急料金を払ってまで新幹線を使う必要はない場合も多いです。
しかし、利用距離は98.7キロと料金区分が上がるギリギリのラインとなっており、コスパは申し分なしでしょう。
注意点としては、「日中に1時間1本走る岡山発着のひかり号を除き、必ず途中で乗り換えが必要」な点があります。

山陽新幹線編(新大阪~広島~博多)

1:新大阪~姫路(91.7キロ)

先述の「東海道新幹線の京都~西明石」と同じく、この区間では乗車券だけで利用できる速達列車「新快速」が幅を利かせているため、無理に新幹線を使う必要はない場合も多いです。
特に、大阪近郊の北部・南部(北摂・泉南エリア)から出発する場合は「新幹線を使わず、大阪や尼崎駅から新快速を利用する」という移動方法をとった方が安くて速い場合もあるほどです。
しかし、利用距離は申し分ないほか、遠距離からの観光目的で利用する場合には「姫路城などの観光名所へストレスなく訪問できる」などのメリットがあります。

2:姫路~岡山(88.6キロ)

青春18きっぷなどの普通列車しか使用できない乗車券ではおなじみの、京阪神~中国地方にそびえ立つ難所です。
普通列車ではこの区間は約1時間30分前後を要しますが、新幹線であればのぞみ・みずほ・さくら号などの速達列車を使うことで約20分で走破できる&(指定席・)グリーン車の利用であれば着席が確約されているため、この難所も難なく突破できてしまいます。

3:広島~徳山(88.5キロ)

徳山には1時間に1~2本ほど、のぞみ・さくら号が発着しています。
普通列車の利用だとこの区間は約2時間を要しますが、新幹線であれば最速約25分程度で走破できるため、姫路~岡山よりもさらにコスパのいい区間と言えます。

4:新山口~小倉(80.7キロ)

広島~徳山と同じく、1時間に1~2本ほどのぞみ・さくら号が発着しています。(朝に各1本だけ、みずほと博多まで乗り入れるひかり号も止まります)
所要時間の比較は姫路~岡山とほぼ同じく、新幹線が最速約20分、普通列車が最速約1時間30分程度となっています。

【注意】
「小倉~九州新幹線の新鳥栖は利用距離が95.8キロのため、ここもグリーン車に格安で乗れるポイントでは?」と思った人もいるかもしれません。
しかし、「(東海道)山陽新幹線と九州新幹線をまたいで利用する場合、同じ列車に乗り続ける場合や改札を出ない乗継であってもグリーン料金は別々に計算する」という規定があります。(普通席の場合は影響はありません)
このため、この区間でグリーン車を利用した場合、「小倉~博多」「博多~新鳥栖」で二重にグリーン料金の支払いが生じてしまい、「自由席の特急料金にプラス2,600円」になってしまいます。

九州新幹線編(博多~熊本~鹿児島中央)

1:新鳥栖~熊本(89.8キロ)

九州新幹線でも最も需要が高い博多~熊本は残念ながら利用距離118.4キロとなり、微妙に200キロまでの価格区分になってしまいます。
しかし、隣の新鳥栖からの利用であれば89.8キロとなり、初乗り料金でグリーン車が利用できます。
とは言っても、新鳥栖駅は並行する在来線の鹿児島線の駅ではなく、鳥栖駅から長崎線に1駅ではあるものの乗り換えが必要です。(直通列車は原則特急だけです)
このため、福岡市内などの博多近辺に住んでいる人などは無理にグリーン車にこだわらず、素直に普通席で博多~熊本を移動した方がよい場合も多いでしょう。

2:熊本~出水(いずみ)(91.7キロ)

この区間からは、並行する在来線の一部に肥薩おれんじ鉄道(JR鹿児島線の運営会社が変更された第三セクター線)が含まれるようになります。
在来線が第三セクター線になっている場合、新幹線経由と在来線経由で乗車券部分の金額が異なり、基本的に新幹線経由の方が安いのが特徴です。
このため、新幹線を使っても在来線利用時とあまり値段の差が変わらず、お得になるパターンが多くなります。

この区間の場合、在来線経由の普通運賃は2,500円/約2時間15分なのに対し、新幹線経由の普通運賃は自由席で3,610円(グリーン車利用時は4,910円)/約35分。
実質的に、自由席の特急料金は1,110円、グリーン車の特急料金は2,410円という状態になっています。

3:新八代~川内(せんだい)(91.5キロ)

肥薩おれんじ鉄道との並走区間の高コスパ区間第二弾です。
この区間の在来線は新八代~八代の1駅を除き、全区間がおれんじ鉄道の担当になっているため、新幹線利用時のコスパが実質的に最も高い区間となっています。

この区間の場合、在来線経由の普通運賃は2,840円/約2時間40分なのに対し、新幹線経由の普通運賃は先ほどの熊本~出水と同じく自由席で3,610円(グリーン車利用時は4,910円)/約35分。
実質的に、自由席の特急料金は770円、グリーン車の特急料金は2,070円という状態になっています。

4:新水俣~鹿児島中央(94.8キロ)

最後の区間は、肥薩おれんじ鉄道との並走区間の高コスパ区間第三弾です。
おれんじ鉄道の担当区間は川内で終了し、川内~鹿児島中央間は再び新幹線・在来線ともにJR九州の担当となります。
しかし、この影響により「在来線経由で移動する場合、川内までのおれんじ鉄道・川内からのJR線の2社分の運賃が必要」となってしまい、この区間もやはり高額となってしまいます。

この区間の場合、在来線経由の普通運賃は2,890円/約2時間20分なのに対し、新幹線経由の普通運賃は先ほどの熊本~出水・新八代~川内と同じく自由席で3,610円(グリーン車利用時は4,910円)/約35分。
実質的に、自由席の特急料金は720円、グリーン車の特急料金は2,020円という状態になっています。

まとめ

非常に高額なイメージを持つ人も多いであろう新幹線のグリーン車ですが、利用区間によってはそこまで高くなく、現実的な追加料金で利用できることを紹介しました。
皆さんも、近距離のグリーン車を活用することで日々の移動や旅行を一層便利なものにしてみてはどうでしょうか。


いつも読んでくださりありがとうございます^^これからもさらに内容を充実させていきます!