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見たままをそのまま

 こんにちは。

 2024年がはじまって1ヶ月経とうとしていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
 私は今年“目標を立てる”ということを久しぶりにしました。その理由は、自分の行動を明確にしたかったからです。こうなりたい、ああなれたらいいなと思うことはもちろんあります。じゃあ具体的に今何をしているの?という問いにちゃんと答えを持ちたい。
 結果として、理想から逆算した目標を複数立てました。達成できるように努力したいし、その目標が全てではないと理解して日々を過ごしたい所存です。


 そんな目標を持っている私ですが、趣味を増やしたい願望も叶えようと思っています。その中のひとつに、美術館に行くことが挙げられました。美術館……これまでの生活にあまり馴染みはないのですが、趣味のひとつになったら素敵だなと。かっこよくないですか?
 2024年は言いっぱなしで終わりたくない!ということで先日絵を観てきました。美術館ではなく作品展だと思うのですが、とても楽しかったです。絵をちゃんと観た経験がなく、そのために自分の鑑賞が王道スタイルなのかは不明ですが……。写真撮影OKだと伺ったので、気になったものを何枚か撮ってきました。

 北信濃の春だそうです。絵と共に、込められたも読むことができました。私はこの絵を観て、とても懐かしい気持ちになりました。というのも、祖母宅の近くは春になると満開の桜を咲かせるからです。木の下を歩くのも楽しいし、山の上の方から桜を眺めるのも楽しい。誰かが撮った写真を見て、「あれは彼処だな」と思いを巡らせるのも楽しい。
 幼少期から1番目にしている花だからでしょうか、桜のことが案外好きなのだと今回気が付きました。ぼんやり眺めているだけで口元は緩くなるし、桜の木を見ているときは下を向いていない。もうすぐ冬が終われば、また春がやってきます。楽しみです。


 最初に目にしたときは「何の絵なんだろう」と思ったのですが、添えられた文章を読んでなるほどとなりました。そして、この光景もよく目にしていました。馴染みある光景なのに、絵の描き方で目新しいもののように思える……。絵の世界とは奥深いなと、感じました。絵は平面なのに、奥行きを感じられるんです。この下に水がありそうだし、ちょっと待っていたら天気が変わるんじゃないかと思うくらい。絵とはこうも不思議な世界なのかと驚きました。
 そしてこの絵に感動した理由は、作者の藤井様が「この様子を絵に残さなくては」という思いだけだと言い切っていた点です。他の絵を描かれた方もきっと同様の思いではないかと、絵やコメントを見て感じていたのですが、絵に対する考え方がそもそも違っているのだと……。私はどうしても絵=上手いか下手か、の方程式が成立してしまうので上手く描かなきゃと思いがちです。ですがそうではなく、この景色を/この瞬間を絵に残すという発想があるのだと感心しました。

 そして、絵を見るという空間も独特で好きでした。BGMなどがなく静寂が続く。コツ、コツと人の足音が響く。次の絵に進んだんだなとか、まずは一周見たりするのかなとか、そういったことに意識が向くのも魅力的でした。イヤホンがいらなくて、静かに見れる場所でした。


 鑑賞を通して絵の世界に感心すると同時に、とあるエッセイ内のから伝わってきたことを思い出しました。そちらも絵にまつわるエッセイなのですが、今回絵を観たことによってその意味を少しつかめたような気がします。
 それは「見たままを描く」ということ。光も、色も、見たまま。それがどれだけ難しいことなんだろうかと、今回鑑賞したことによって考えるきっかけになりました。

 子供の時はあまりわかっていなかった鑑賞・美術館の楽しさ、今年ようやくつかめた気がします!また巡り合わせがあれば、ぜひ行ってみたい。みなさまもおすすめの展覧会や美術館があれば教えてください。

 それでは。

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