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Yナンバーの車には近づくな

その町には多くの米兵がやってきましたが、大人たちから「Yナンバーの車には近づくな」といわれてました。

Yナンバーとは横須賀のアメリカ海軍基地に所属する米兵が乗った車につけられたナンバーだと思います。正しくはわかりませんし、Yナンバー以外の米軍車両のナンバーは記憶していません。

横須賀港は日本海軍の軍港でしたが、敗戦後は進駐軍に接収され、米国海軍が使用していました。
軍港は、正規軍のネイビーのほかにマリーンの部隊も使用していました。マリーンは日本軍の海軍陸戦隊に近い。強行上陸隊といった部隊です。日本軍の場合は、屈強な精鋭部隊だったといわれてますが、米軍も同様だったと思います。
違うのは日本軍は優秀な兵隊が選抜されたのに対し、米軍は屈強であると同時に犯罪歴のある兵隊が選抜されて所属していた、といわれてました。これはその町だけの伝説かもしれません。

犯罪歴といっても、放火犯と性犯罪の犯歴がある兵隊が最優先され、ついで殺人犯など重犯も選抜対象だったといいます。なかには志願して入隊する若者もいたそうです。彼らは何クルーか兵役を勤め除隊すると、無料で大学で学べることがきるといった特典があったといい、貧困層の若者が多く志願したらしい。

放火犯と性犯罪者は、普段はいい人なのですが、何かのスイッチが入ると犯罪を起こしてしまい、しかも矯正しても再犯する率が高い。困った人たちです。マリーンの部隊は戦死する確率がほかの部隊より高く、米国は実に合理的な国だと、これらの情報を知った後年思ったものです。

そのマリーンの部隊は、いまは沖縄に駐留しているといいます。もちろん前述の犯罪歴云々もいまはむかしの話になっていることと思います。

幼いころ育ったその町では、米兵によるいろいろな問題が起きるのですが、Yナンバーの兵隊も関与していたかもしれません。

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