ザ・レジェンド・オブ・ヘルズ・クイーン
前置いてた「AIEN」の焼き直しです。
登場人物
レギュラー
閻魔女王 女
ピランチ 男 陽動力がある
クロ 女 ネコの姿をした獣人
ルーア 男 竜人
レダイン 女 魔導士・治癒士
ゲスト
ダーノン 男 おっさん
ピランチママ 女 おばさん
警吏 多数
従者
刑吏「これより、大悪党ピランチの処刑を行う!!」
刑吏2「何か言うことはあるか」
ピランチ「お前らが死ねよ」
○ギロチンで首を切られるピランチ。
○ピランチ、地獄の入り口の手前で目を覚ます。
ピランチ「う・・・・こ、ここは・・・・・」
○ピランチ、地獄の風景を見渡す。
ピランチ「・・・・・ここは・・・・地獄、か・・・・・? そうか俺、死刑になって・・・・・」
○回想開始。ピランチ、両腕を縛られて処刑台に立っている。
警吏「大悪党ピランチ!! 悪業を重ねた報いを受けよ!!」
○歓声。
○回想終了。
○ピランチ、地獄の入り口まで歩こうとして、滑る。
ピランチ「ここが地獄の入り口か・・・蛇でもじゃでも何でも来いってんだ。お袋のカミナリに比べれば何だろうと」(鬼だろ)
○ルーアとクロ(地獄の門番)が出てくる。
ピランチ「お・・・?」
ルーア「お前がピランチだな…」
クロ「アナタの悪行はこの地獄にまで轟いているわ。強盗、窃盗、強姦、食い逃げ・・・ありとあらゆる悪に手を染める『魔王の息子』だとね」
ピランチ「ヘッヘヘヘ、それ程でもあらぁーな。そうこの俺こそが天下の大悪党、ピランチ様だ・・・地獄の罰とやら、やってみろってンだ」
ルーア「ヘッ。こりゃあ、閻魔様の『罰』が楽しみだな、クロ」
クロ「ふふっ、ええ、そうね、ルーア。さあ、こっちへいらっしゃい。地獄の番人・閻魔女王様にお連れするわ」
ピランチ「閻魔・・・『女王』・・・?」
○閻魔城、謁見の間
クロ「閻魔様、天保を連れて参りました」
閻魔「ありがと」
ピランチ「・・・・って、え!? え、閻魔女王ってお、お前か!? エマ!!」
閻魔「あら、あたしじゃ不満ー? あたしは地獄の閻魔大王の娘、今は閻魔女王なの」
ピランチ「お、お前随分キャラ変わったな……て言うかだってお前……人間界に居たじゃないか!? オレと同じ魔術学校だったろ!?」
閻魔「閻魔だって学校くらい行くわ……そうだ私、あなたに謝ろうとずっと思ってたことが………」
ピランチ「あーうるせぇ、うるせぇ! なんだよ、こんな茶番に付き合ってられるか。あれだろ? 夢なんだろ? これは。きっとそうだ。よーく見たら、(クロとルーアを見て)お前らも昔殺した盗賊二人組に似ているしな。」
クロ「ちょっと、どこ行く気!?」
ピランチ「決まってるだろ、夢ならもっとタノしいことをしに行くのさ。現実でやった悪事よりももっと面白くて楽しいコトをしてやるぜ♪」
○ピランチ、飛んで行く。この世界では人はみんな飛べるよ。
○どこかの高台で地獄の風景を眺めている。
ピランチ「ったく、何してやがんだ俺は。死んだならさっさとくたばって何もかも終わらしちまえばいいのに、しぶとく断末の夢なんか楽しんでいやがる。死んでまでカッコ悪ィぜ…おっ?」
○高架線の線路を何やら立派な汽車が走っている。
ピランチ「よーし、あの汽車を乗っ取って、オレさまのもんにしてやるか。ゴテゴテしてて、いかにもオレ様に似合いそうじゃないか。へへっ」
○不敵に笑って、飛ぶ。
クロ「閻魔様、いかが致しましょうか」
閻魔「仕方ない、後を追いましょう。ぼやぼやしていると、『ダーノン』が来てしまう。今の状態の二人を合わせるのは危険だと思う。レダイン、あなたも来て頂戴。怪我人が出るかも知れないから」
レダイン「かしこまりました、女王様」
○汽車、社内。何やら荘厳な雰囲気で、オリエンタルと言うか、オカルトっぽいと言うか、ちょっと気色悪い感じで、紫とか青とか、そういう神秘的な感じ。突如壁が爆発し、ピランチが入ってくる。
ピランチ「ちょっとこの汽車ちょうだい♪」
警吏「コラッ! 誰だ! こんな悪いコトをするヤツは!」
ピランチ「誰だと聞かれたら……オレはピランチ様だァーッ!! オラァ!! この汽車を寄越せぇ!!」
○ピランチ、警吏たちを次々となぎ倒していく。
○場面転換
○従者がエマに報告しに来る。
従者「女王様!! 大変です、『ダーノン』の封印されている汽車が…ピランチに襲撃されました!」
閻魔「な、何だって!? 大変だ、今ダーノンの封印が解かれたら……この地獄は破滅する!」
○封印の解けたダーノンの魂がピランチの前に立ちふさがる。
ピランチ「ん……なんか見覚えのある顔だな……」
ダーノン「久しぶりだな……ピランチよ………」
ピランチ「…! そ、その声はま、まさか親父…!?」
CM。
○過去回想、ピランチママがめっちゃ怖い形相で幼いピランチを叱っている。壁に死んだダーノンの肖像画が飾ってある。
ピランチママ「ピランチよ…お主は我、最悪の魔女ドランナと魔王ダーノンの息子…お主には史上最悪の血が流れておる。よいな、お前の力で世界中を恐怖のどん底に陥れてやるのだ……そして我らの力を知らしめるのだ、分かったな、ピランチ!!!」
○回想終了
ピランチ「どこかで見たことがあると思ったら…あんたが俺の親父か…!?」
ダーノン「そう…我こそが魔王、ダーノン………地獄で閻魔大王に封印されておったのだが……お主が封印を解いてくれたようじゃな……どれ、礼をしてやろう」
ピランチ「え、い、いいよそんな礼なん……」
○ダーノンの魂がピランチの中に入る。
ダーノン「おおおおおおおおお・・・」
ピランチ「ぐわっなな、何だァ!?」
ダーノン「貴様の肉体・・・・ワシが使ってやる・・・・これでワシは最強じゃ・・・・」
ピランチ「ぐ・・・・やめろぉ・・・・フ・・・・ウワハハハハハ!!! 魔王ダーノンの復活じゃあ!!!!」
○最強になったピランチが地獄の町を滅ぼし回っている。そこに閻魔、レダインがやって来る(ほか、モブ騎士やクロルーアいてもよし)
ピランチ「ウワハハハ!!!! ゆかいゆかい!!!! こりゃ最高に愉快じゃわ!!!!!!」
閻魔「ピランチ!! ダーノン!!」
ピランチ「来たか、閻魔女王………ワシを改心させようと、折角親父が地下深くに埋めたワシを掘り出したのが運の尽きじゃったのう………」
閻魔「今は私がこの地獄の番人だ、私は父とは違う……あなたも、そしてピランチも改心させて見せます!!」
ピランチ「ほ、ほ、ほ、・・・・・やれるものなら・・・・やって見やがれェ!!!!!!」
○戦う2人。閻魔が不利だが、それは閻魔がとどめを刺さないからである。
ピランチ「貴様…何故必殺技を出さない?」
閻魔「私は殺生はしない……あなたを生かして、改心させる!!」
○剣でせり合う二人。
ピランチ「ククク……そこまでして命を守りたいとは……さてはお前、この俺に惚れているな? なぁ、そうなんだろう? だから………」
○色香でスキを作ろうとするピランチ。
閻魔「私はどんな人も見捨てない、ダーノンも……あなたもよ、ピランチ」
○優しく笑う閻魔。
ピランチ「!? や……やめろ、その目で俺を見るな……やめろぉ!!!」
レダイン「今です、女王様!!」
閻魔「はぁぁーーーーっ!!!!」
○みねうちする閻魔。
閻魔「安心して、みねうちよ」
ダーノン(ピランチ)「そ……そんな馬鹿な!! この俺が負けるなんて……ぐわぁぁぁっ・・・・・!!!!」
○ダーノン、亀に変化する。
閻魔「この姿なら悪さはしないわ。レダイン、愛情をかけて、大切に飼ってね。そうすればいつかきっと、改心してくれるはずよ」
レダイン「はい、閻魔様この私、レダインが責任を持ってダーノンを保護します」
ピランチ「おい、俺はどうなるんだ…!?」
閻魔「ピランチ…」
○剣をしまってピランチに近づく閻魔。
閻魔「私、あなたに謝らなければならないことがあるの。昔、学校で……」
○回想開始
子供「お前のとーちゃん、魔王なんでしょ」
子供「おいやめなよ、まおう菌がうつるよ」
ピランチ「うるさい! オレのオヤジがどうだろうと、オレにはカンケイないだろ!!! なぁ、エマ!!」
エマ「…私よく分かんない」
○ふいっと去っていく閻魔。
子供「ほら、やっぱりまおうのむすこは、まおうなんだ。行こう、あんなやつにかかわると、ろくなことになんないぜ」
子供「ああ、気持ち悪いよな」
○取り残されるピランチ。
ピランチ「・・・・・・ああそうだよ・・・・俺は魔王ダーノンの息子だ・・・・・そんなに怖いなら・・・・お望み通りお前らみんな・・・・絶望のどん底に突き落としてやる・・・・・!!!」
○回想終了
閻魔「あの頃の私は剣術の修行のことしか考えてなくて……まだ未熟だったの……どうか……許してほしい………。」
ピランチ「………フン、そんなこともあったっけか? よく覚えてないぜ。そんな事より、オレはこれからどうなんだよ? 地獄の窯で煮られんのか? 逆さ吊りか?」
閻魔「そんなのは、父の代で終わったわ。今は、もうしてない。拘束も、幽閉もしてないわ」
ピランチ「え、じ、じゃあ、何もされなくていいってこと!?」
閻魔「……そう、あなたの自由よ。但し、悪いことは……」
ピランチ「うっひょーっ! だったらまず銀行強盗してー」
○閻魔が悲しそうな顔をする。
ピランチ「…じょ、冗談だよ。もうしねぇって。さて、どうすっかな…」
閻魔「なら、城で働けばいいよ。ねぇみんな?」
レダイン「え、でも閻魔様、相手はあの天才詐欺師ピランチですよ。城で働くだなんて…」
ピランチ「そういうお前だって、地獄に来てるってことは、悪人だったんだろうが。人のこととやかく言える身分かよ」
レダイン「う、そ、それは…!」
クロ「それならばその頭脳を、城で生かして頂ければよいのではありませんか?」
閻魔「そうだ、それが良いよ、やった、また一緒にいられるね!」
ピランチ「え…あ、ああ…」(赤面)
ピランチ「(小声)オレの母さんも、そのくらい優しければな…」
閻魔「え?」
ピランチ「な、何でもない! ほら、行くならとっとと行こうぜ!」
○歩き出すピランチ。
閻魔「……ええ!」
○夕日に向かって帰路へつく一行。
<続く>[newpage]
登場人物
閻魔
レダイン
町民
子供
看護師
ピランチ
クロ
マリス…野生児
ベンデッタ…狼のような妖魔
○夜(夜とかあんのかよ)、路地裏。町人が町を歩いている音。
町人「ん? 誰かいるのか?」
○不安になった町民がのぞき込むと、狼のうなり声のような音。目が光り・・・・町人の悲鳴。
○城。子供の怪我を手当てしているレダイン。
レダイン「はい、もう大丈夫ですよ」
子供「おばちゃんありがとう!」
レダイン「お、おばちゃん・・・・ハハハッ・・・・」
看護師「レダイン先生! 急患です!」
○さきほどの町人、八つ裂きにされて運ばれて来る。ピランチはそれをボンヤリ見ている。
レダイン「これは…! 一体誰にやられたんです!?」
町人「う…、わ、わからない…オオカミ…」
看護師「妖魔でしょうか」
○ヒールを開始するレダイン。えーとここは両手を翳すとかで良いですよ。
レダイン「恐らく」
ピランチ「妖魔?」
レダイン「地獄に徘徊する魔物のことだ。彼らは凶暴で、話が通じない…」
ピランチ「フーン、女王の手にも負えない奴がいんのか」
○ヒールが完了する。
レダイン「安心して下さい、もう大丈夫ですよ」
○傷が治っている。
ピランチ「フーン、やるじゃん」
レダイン「フフフッ。何たって私は女王様直属の医師ですからね。医療の事なら何でもお任せあれですよ」
クロ「コラ~ッ! レダイン!!」
○クロがずかずかと歩み寄ってくる。
レダイン「ゲッ、クロさん…」
クロ「また私を実験台にして…今度という今度は許しませんからね!!」
レダイン「い、いやぁ、でも、無事だったワケですし」
クロ「そんなコトが、言い訳になるか~ッ!!」
ピランチ「あの~、何があったんです?」
クロ「この人ったら、新薬の実験とかいって私に良く分かんない豆を食べさせたのよ」
レダイン「珍しい豆、"カルリビーンズ"です」
クロ「そしたら体が蛙に変身してしまって、一日中ゲロゲロと泣きながらぴょんぴょん跳ねるしかできなかったわ」
○笑い出すピランチ。
クロ「レダイン~? どう責任取ってくれるつもり~?」
レダイン「す、済みませんクロ様。しかしクロ様の実験結果が多くの人を救うのです」
クロ「そればっか言っちゃってさ」
レダイン「それはそうとクロ様。最近町で妖魔が暴れているというのは本当ですか」
クロ「ええ、正体不明の"狼"のような妖魔が潜んでいるそうよ。私達も警戒を怠らないようにしてるわ。何かあれば教える」
レダイン「ありがとうございます。開発、頑張ってね(嫌味っぽく)」
○まだ笑ってるピランチをひとにらみして去るクロ。
ピランチ「は~、じゃ俺も行くかな。新薬の開発頑張れよ、ポンコツ君」
レダイン「む~っ」
看護師「先生、行き倒れと思われる子供が運ばれてきました」
○ガリガリに痩せた野生児(マリス)が運ばれて来る。
レダイン「この子の身元は?」
看護師「分かりません…」
レダイン「点滴をしましょう」
○すると、陰からうなり声がしたと思い、レダインがふり向くと、狼がとび掛かってくる。
レダイン「きゃあっ!?」
看護師「先生!?」
ピランチ「ちっ、"月華風林"!」
○ピランチが札を投げると、狼がキャンと言って飛びのく。
ピランチ「大丈夫か!?」
レダイン「この妖魔…今みんなが言っている妖魔ね」
○狼の妖魔、マリスを守るように立ちはだかる。
ピランチ「コイツら、グルなのか。どうする、先生? 敵を助けるのか?」
レダイン「もちろん助けます」
○レダイン、妖魔に近づく。
レダイン「怖がらないで。私はあなたも、その少年も傷つけない。ただ助けたいだけなの。助けたら、あなた達がいっしょに住める場所を用意する。決して引き離し
たりしないから。だから安心して」
○妖魔はそれを聞き、釘を刺すような目でマリスのそばに座る。レダインは治療を開始する。
マリス「…う。」
レダイン「気が付いたのね。ここは病院よ。あなた、名前は?」
マリス「ベンデッタ…ベンデッタ!」
○飛び起きるマリス。ベンデッタと呼ばれた妖魔がグルルと返事をし、抱きつくマリス。
マリス「…ニンゲン…タスケタ? うれしい…おれ、ころすか?」
レダイン「殺さないわ、あなたも、ベンデッタも」
マリス「オレ、マリス…」
レダイン「マリス。どこから来たの? 町の外から来たのね?」
マリス「・・・・しろい・・・・はね・・・・まもの・・・ミンナ、シンダ。ニゲテキタ……」
レダイン「! …逃げてきたのね? なら、しばらく休んで。でもお願い、食べ物はあげるから、もう『狩り』はさせないで。ベンデッタも、それでいいかしら」
○ベンデッタ、うなづく。
マリス「ベンデッタ…ズットイッショにイテモいいのか? コイツ、ニンゲン、チガウ」
レダイン「ええ、いいわよ。あなたの大切な友達なんでしょう」
マリス「ウレシイ…ウレシイ。ズットイッショ…」
○ベンデッタを抱きしめるマリス。それを「ふ~ん」といった表情で眺めているピランチ。
○場面転換、執政室。
閻魔「…その少年は確かに白い羽根の魔物と言ったんだな」
レダイン「はい、女王」
閻魔「白い羽根…まさか…」
レダイン&閻魔&クロ「『天使』…!」
ピランチ「…?」
<つづく>[newpage]
登場人物
閻魔
ピランチ
クロ
ルーア
レダイン
神
家臣
天使
天使2
天国の市民
天国の市民2
天国の市民3
天国の市民4
天国の市民5
ほか、天国の市民多数
○城。ピランチが歩いていると、ざわざわしている。
ピランチ「ん?」
○人ごみに近づくピラ
ピランチ「どうした?」
クロ「陛下が天国に視察に行くと言うのですよ」
ルーア「危険だぜ、やめた方が…」
閻魔「平気だ。ばれないようにするから。どんな場所になっているのか見てくるだけだ」
ピランチ「ハハッ。地獄の番人が天国なんて、無理に決まって…」
○変装している閻魔。
ピランチ「お、おい、なんだその恰好は」
閻魔「変装だ。マナーにうるさい国だからな。周りと同じ格好をせねばならん。これが天国のドレスコードのようだ。私、そんなに変か?」
ピランチ「い、いや…ちょ、ちょっと動揺しただけだ」
閻魔「では、行ってくる」
クロ「お気をつけて…」
○天国に降り立つ閻魔。歩く
天使「おい、何だこの変な服は!! 没収だ!!」
市民「おいおい、そりゃないぜ」
閻魔(…ひどい世界だ。みんな自分のことしか見てない)
天使2「おら立て、引っ立ててやる」
市民2「信じてくれ、オレじゃない」
天使2「なら証拠はあるのか? この世界では全て証拠がなければ意味がないぞ」
市民2「クソッ、クソッ…」
閻魔「待て」
天使2「あん? 何だお前は」
閻魔「否定してるじゃないか。話くらい聞いてやったらどうだ」
天使2「…まだ『未調教』のヤツが居たようだな。天使に逆らうとどんな目に遭うか、思い知らせてやるッ!」
○天使の剣を軽く受け流す閻魔。倒れる天使。それを遠巻きに眺めておろおろする市民たち。
閻魔「みんな、こんな世界でずっと生きていていいのか!? 生きていた頃を思い出せ、あんたらはもっと高潔だったはずだ! だから天国に居るのだろう!? みんなで反旗を翻そう!」
市民「し、しかしそうもできない…なぜなら、神に敵うのは閻魔くらいしかいないからだ…」
神「ねーぇ、五月蝿いんだけどォ、なんの騒ぎィ?」
○神が登場する。
閻魔「…あんたが神様か」
神「そーだけどぉ、何コイツ? 英雄気取り? クククッ…アタシに勝てると思ってんの?」
クロ「陛下!」
閻魔「お前達、来たのか!?」
ルーア「ここは神のホームグラウンド…戦うには不利だぜ」
神「あらお前…閻魔女王か。あんな腐った土地から来て、この神聖な聖域を犯すなんて…ユルさない」
○神、閻魔、変身する。バトル
閻魔「なぜ人をここまでがんじがらめにする!?」
神「なぜって、それが平和でしょ? それが幸せでしょ!? アウトローの集まりのアンタらには分かんないでしょうね!」
閻魔「アウトローなのはお前らの方だッ!!」
○神に負ける閻魔。
神「お前、よくそんな口が利けるな? お前の父親は散々悪事をして、その力でお前を守り、育てただろ。お前と言う存在そのものが既に、悪に変わりないのさ!」
閻魔「…確かに先代の閻魔大王は悪人だった。だが、これからの私がどうするかは、私の自由だ!!」
○力をさらに開放する閻魔。
ルーア「待て、こんな所でそんなに力を使ったら、お前は死ぬぞ」
閻魔「…人は、ただ生きることが目的じゃない。幸せになる事が目的なんだ。あたしにとっての幸せは、みんなを助けること。だから、いいんだよ。」
神「フン、白々しい…負けたら悔しいだけじゃない? 自分だけ見つめてれば、それで良いのよ!」
閻魔「悔しくていいじゃないか・・・・それでも人は与えられたカードを使いきるまで、生きて生きて行き抜くんだッ!!」
○また負ける閻魔。
神「とどめよ…正義の味方ヅラしてるとこ悪いけど、世界は勝った方が『正義』なのよ」
○とどめをさそうとした神の攻撃から閻魔を守るピランチ。
閻魔「…ピランチ!?」
ピランチ「じゃあ俺も言わせてもらう、俺にとっての幸せは、アンタと生きていくことだ!!」
クロ「あたしも」
ルーア「俺もだ!!」
○天国の市民も応じる。
閻魔「正義は必ず勝つ。何故なら…正義には、仲間がいるからだ!!」
神「何だこの力は!? 何百にもなって…ウオオォォア」
○神、変身解ける
神「イツツツ…」
○閻魔、神の前に立つ
神「や、やめてェ…殺さないで…あたしは、ただ幸せに生きたいだけなのォ…」
閻魔「立ちな。あたしがこれから、色んなことを教えてやるよ。アンタの父親の代わりにな」
神「…! 殺さ、ないの…?」
閻魔「あんたはただ、知らなかっただけさ。正しい生き方を」
市民「神様が倒された…」
市民2「え…って事は、今後は誰が神様になるんだ?」
市民3「閻様では?」
市民4「閻魔様が新しい神様だ!!」
市民5「オー、マイグッドネス!!」
○歓声が上がる。
ピランチ「イテテ…」
閻魔「ピランチ!! 死ぬな、しっかりしろ!! アンタはあたしと生きていくんだろ?」
ピランチ「…思い出したよ。昔、アンタ、実験の授業で一人ぼっちの俺に、話し掛けてくれたろ? 一緒にやろうって」
閻魔「・・・・ピランチ、もういい、喋るな」
ピランチ「ヘヘッ、俺に惚れたか?」
閻魔「…ああ。ありがとう…」
○息を引き取るピランチ…。容態を確認しようと近づくレダイン。
レダイン「ん? …彼、死んでませんよ。どうやら懐の"カルリビーンズ"が彼を攻撃から守ってくれたようです」
閻魔「え!?」
ピランチ「アレ、ハハハッ、早とちりした」
閻魔「…良かった!」
○抱きしめる閻魔。
ピランチ「え、ちょ、マジでやめて、みんな見てるから。ねぇちょっと、聞いてる!? おーい…」
<おわり>
主人公が女性である意味がわからない。王なんだから普通に男でいいのでは、、、ピランチと恋愛させたかっただけか?
閻魔をニールにして全面的に『AIEN』に統合します。
ただ、閻魔の娘であるという設定はこれはこれで好き・・・、、、
あと意識高すぎて餓死した人の番外編を書く予定
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