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依頼したエンジニアとあなたの相性あっていますか?

以前支援していたとあるベンチャー企業での状況でのお話です。

そこでは正社員のエンジニアがAさん1人しかおらず、また経験も浅いということでシステム開発以外のITインフラやどうしても手が回っていませんでした。

なので利用者の人に不利益がありそうな部分を洗い出したり改善案を出したり、Aさん自身の技術レベルアップの教育的な支援することも大切かと思いご支援していました。

元々、人に教えることは好きな方だったこともあり、最初に入った会社では1つのプロジェクトに他の会社からも派遣されて参加するような状況でしたが垣根を超えて自身が上司から教わった技術を資料にまとめたり、自主的に勉強会を開いたり、できる限り自身が持っている技術は外に惜しみなく出すというスタンスでした。

その中での話ですが、開発をより進めたい&エンジニアが採用できないこともあり、エージェント経由でフリーランスのエンジニアの方を1人入れることになったそうです。

ちなみいんフリーランスのエンジニアの相場もピンキリでなんとも言えませんが本当に上下に触れると50万〜120万ぐらいの範囲だとみています。

この単価の違いは

・単価が高い=経験がある、技術力が高い/需要がとてもある技術を持っている

というところに尽きるのですが、それとは別に

・それが今のプロジェクトにマッチしているか、100%活用できるかは別問題

ということを失念されているところが多いかなと思っています。

実力と単価と価値

エンジニアの実力の差は技術力だけでなく課題解決能力だと思います。

実力がある人であれば高度なものも実力がない人の何倍もの、時に何十倍ものパフォーマンスを発揮します。

ラーメンを10分で1杯作るのを実力者なら2杯作れます!というような時間集約型の労働でない知的労働だからこその差です。

ただし、目の前に解決する問題がなかったら?

相談先のところでは、エージェントに手数料込みで100万円くらい払って優秀なエンジニアを紹介してもらったようです。

そこまでは良かったのですが、2〜3ヶ月で単価が高いから契約終了したとのことです。

ここで気になるのは「高い」と言われたところ。

なぜ高いのか?です。

元々開発を進めたくて優秀な人を紹介してもらいました。優秀な人であれば市場価値が高いためもちろん単価は通常より高いです。

それらを織り込み済みで紹介してもらったのに後で「高い」というのはとても気になります。

パフォーマンスが期待通りでなかった

高かった理由はそういう評価だったためです。

思ったよりもアウトプットが出なかったのかな?とも思いました。

なのでアウトプットを見てみましたが、ソースコードを見る限り変なところはありません。

量も大幅に少ないとも思えません。

元々優秀な人を依頼していたという経緯も相まって気になったので問いかけてみることに。

「最初の方にどれだけコミュニケーション取りましたか?」

「依頼する実装の仕様は決まっていましたか?」

ボトルネックは別のところにあり

ともにはっきり「イエス」という回答が出てきませんでした。

そのエンジニア方はリモートワークという条件だったとのことですが、サービスや事業の理解のための時間をとったり、システムを組む前に出来上がるものや要件の共通認識を取る時間をそこまで取っていなかったそうです。

Aさんは唯一の社内のエンジニアだったため、社内SE、いわばシステム関係の何でも屋さんとしても色々な業務に忙殺されていました。

そのため、外部のエンジニアの方とのコミュニケーションが希薄になり、テキストベースのみの場当たり的な依頼とやりとりだけになってしまっていたそうです。

また、開発を進めたいという会社の思惑がしっかりあったのですが、Aさんと社長さんやマーケティング担当者では、プロダクト側とビジネス側という視点の違いと声の大きさ、影響力も違ってきます。

聞いている範囲でだけでも、内部からの上がってくる要望で大変なものも多く、それを調整しつつ納得できる形に設計や仕様に落とし込むのは時間と労力がかかります。それを1人でやるとなると大変です。

このような状況だとシステムの設計をする時間が取れていなかったり不十分だったりしたまま進んでしまっていました。

家を作ることは決めたのに設計図がないのに大工さんにお願いするようなものです。

もちろん外部のエンジニアさんも積極的にコミュニケーションを取ったり、設計支援をしてくれたら良かったのかもしれませんが、元々開発することを期待されて入ったのにプロジェクトマネジメントであったり、会社側の状態や思いを汲み取って「いい感じにやってね!」というのを強いるのはお門違いです。

今回の結果として双方気持ちよい形で仕事ができず、最終的には「高い」という評価で終わってしまい、会社側としては投資対効果が悪かったという結果だけ残ってしまったのが残念でした。

今後の未来に向けて

もし次があるのなら、私だったら事前に社内の状況をお伝えし、システムを組む時間が減ってもコミュニケーションを取る時間をできる限り多く持ち、ビジネス側の状況とシステム側の視点をすり合わせることに前半は注力するかなと思います。

優秀な人を120%価値発揮できる環境を作ることに自身の時間をできる限り割く場作りに注力します。

そこまでして、それでもパフォーマンスが悪いと感じたら他にボトルネックになっている点がないか探しますし、もしかするとビジネスの状況やスキル的にあとあとミスマッチになってしまった結果かもしれませんが、それでもその人の評価を短期的に、一方的に下すのではなくこちらも全力でやってから初めてどうだったかな?払ったお金以上の価値を生み出してくれたかな?と考えるべきかと思っています。

お金で時間を買うというのは大事ですが、物理的に分かりやすいものを買うのとは違い、システムなどの無形資産は高いお金を出せば必ずしも求めてるものが得られるわけではないことが難しいところです。

お金を払い評価する側(クライアント側)が常に正しいとは限らないことは常々意識しておきたいなと改めて思った一件でした。

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