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2021.11月18日 T&T長編・3『親指のうずき』& Aの方眼編み

アレコレ寄り道をしてしまい、遅くなってしまいました💦
トミー&タペンスシリーズ 長編作品読書記録
本日は第三作目『親指のうずき』について綴ります。

1968年刊行されたこの作品では、ご夫妻ともに初老と呼ばれる年齢になっておられます。
初登場作品では、激しくスピーディーな展開のめくるめく冒険活劇を繰り広げていたのですが
主人公二人の年齢に合わせるかのように、スローテンポで落ち着いた、しっとりとした雰囲気が漂う作風へと変化しています。

とはいえ、トミー&タペンスシリーズですから。
タペンスが突拍子もない大胆な行動を取り、一時的な記憶障害まで患うくらい危険な目に遭ったり
追い詰められて、殺害されそうになったりと
相変わらずのハラハラドキドキなスリル・ショック・サスペンス感は健在です。

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他界した叔母さまの遺品を引き取るために、老人ホームを訪れた二人でしたが、
そこにあった絵画の元の所有者を探すために、タペンスさんが単独で旅に出てしまうのです。

トミーさんはその時、国際合同秘密機関連合という変わった組織の会合だか同窓会だかに出席するため、数日間家を離れており。
その隙を狙って、冒険にお出かけした訳ですね。

夫人のお気持ち、よく解ります。私も、同じことするかも。
多分、する。きっと、する。

『親指のうずき』という題名は、『マクベス』の一節
「なんだか親指がずきずきするよ、やってくるんだ、邪悪なものが。」
から、とられた言葉のようです。

タペンスさんが、叔母さんの居た老人ホームで感じた邪悪な気配というか悪寒を表現するのに、
この台詞を引用したのですよね。
クリスティ氏は、シェイクスピア様の作品を好んで愛読なさっていたようで。
こういう、ちょっとした配慮によって
作品の文学的な香りが高まり、読書の楽しさがより深まるのだと思います。

読書記録を書いているうちに、『マクベス』も再読したくなってきちゃいました🏰
こうして、寄り道がまた増えていくのですね😅

本日の編み物作品は、前に宣言していた通り
「A」の方眼編みです。

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何故「A」を選んだのか?
それは、主役のベレズフォード夫妻の家で
忠実な使用人として働いているアルバート氏に
敬意を表したいから なのです!

思い返せば。二人と初めて出会った『秘密機関』事件の頃のアルバートさんは、とても爽やかな少年で
事件解決の捜査に協力したのが縁で
ベレズフォード家の家仕事をこなす使用人になったのですよね。

トミー氏は、アルバートさんがチキンを焦がした件にやけにこだわっていたけれど🍗
チキンが焦げた原因を作ったのは、トミー氏のような気もするのですよねぇ…

それより、今回の親指うずき事件で最も貢献したのは、実は
アルバートさんだろうと、私は思うのですよ!
「アルバートさん、凄い!!」

その尊敬の意を込めて。本日の一文字は「A」に決まりです🤗🇬🇧


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