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2021.5月12日 ミス・マープル長編・7『パディントン発4時50分』 & 方眼編みのハート♡

お待たせしました!
ミス・マープルシリーズ読書記録 長編作品7作目は『パディントン発4時50分』です🚞

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名作と名高い『予告殺人』と並び、ミス・マープルシリーズの中でも著名で人気作であるこの作品。
映像化作品も、多数あるのではないでしょうか。

題名からも明白ですが、トリックに列車が使われています。
これは、本邦の推理小説の中でも屈指の名作と言われている松本清張氏の傑作
『点と線』、『砂の器』を想起させるものがありますね。

このデジャヴ感、この感覚。
日本で暮らす我々(又は、日本文学に精通している人々)ならではの、胸に迫る想い。


何とも説明のしようがない、あの感じ。
冷たい戦いの最中でありつつ。
それでありながら
懐かしい、柔らかさと厳しさとが混ざり合ったような
あのざらざらとしながらも、どこか生ぬるい優しさを感じたあの時代の風景を感じさせる何か。

そういったものが、英国で生まれたこの作品からも
そこはかとなく、感じられます。

この作品の中で、抜群の魅力を放っている存在。
それは、クラッケンソープ家の家政婦として勤務することになる【ルーシー・アイルズバロウ】その人であると、言い切っても過言では無いでしょう。

ここで、彼女の人物像を描写している文章を、引用しますね。

【…ルーシー・アイルズバロウは学問に秀でているのみならず、芯にしっかりした常識を持ち合わせていた。
立派な学者の生活はことのほか報いがすくないという点を彼女は見逃さなかった。
…(中略)
金を得るには不足に目をつけなければならない。
ルーシー・アイルズバロウは即座に非常に深刻な不足をさがしあてた── 熟練した家事労働の不足だ。
友人や大学同級生の驚愕をしりめに、ルーシー・アイルズバロウは家事労働の世界に入った。
 彼女はすぐさま成功を遂げ、地位を確立した。】

何という素晴らしい方でしょう❣️
これです! これなんです!!
真に求められている存在、真に必要とされている人物というのは。

私は、この『パディントン発4時50分』という小説を読んで以降、
自分が目指すべき理想の女性像を
【ミス・マープル + ミス・アイルズバロウ ÷ 2 】
と、想定して生きてきました。

① 学歴の高さを鼻にかけることなく、人々の生活に必要不可欠な技術・スキルを高め、それにより収入を得ている人物

② 編み物や裁縫といった手仕事(趣味)を活かして、他の人の役に立てる人物

手芸・ハンドメイド一筋ではなく、エッセンシャルワーカーとしてのパート勤務をしているもの、この2人を追いかけたい想いがあるから。

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夢や希望を追い求め続ける、永遠の少年・少女でいることって、素敵💕

だけど。

現実をしっかりと見つめ、地に足をつけて
自身の生活と身近な人,大切な家族を守るために、きっちりとかっちりと
勤務・労働をこなしている人も、素晴らしい✨✨

この一見相反するような2つの事を、同時に成せるとしたら・・・

それって凄いし、めっちゃ素敵なことだと思いませんか⁈
♪───O(≧∇≦)O────♪

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そんなことを、強く心に刻んでくれる小説が、この『パディントン発4時50分』であると
個人的に、私としては
言い切らせていただきたい!!
そう、強く思うのであります。

本日の編み物作品は、ハートの方眼編みハンカチです♡

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村林和子先生の『アンティークスタイルのクロッシェレース』に掲載されている図を、参考にさせていただきました。

ただ、レース糸ではないコットン100%の糸を使っています。
編み針も、レース針ではなく
3号のかぎ針編みを使用しています。

この小説にふさわしく、見た目可愛いけれど実用的な物を作りたかったので。
ハンカチにしてみました💝

小説の最後に、ルーシーの結婚がほのめかされています💒
ルーシーが選んだ相手は、はたして誰か⁈
ミス・マープルには、分かっていたようです😊

さて。その幸運な殿方は、どなたなのでしょうか🛤


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