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2021.5月8日 ミス・マープル長編・6『ポケットにライ麦を』 & ポケットに黒ボタンを

ミス・マープルシリーズ読書記録 長編・第6作品目は『ポケットにライ麦を』をお送りします🌾

実は。個人的に、ミス・マープルシリーズの長編小説の中で最も好きな作品が、この『ポケットにライ麦を』です♡

とにかく、大好き☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
知名度はそれほど高くないかもしれませんが、
(読み物として、これほど高い水準の小説がこの世に存在するなんて! 信じられないくらいだわ)
と、うなってしまうほど
もの凄く、優れた作品だと感じます。
勿論、写真の本は借り物ではなく
購入して得たものです📕

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『ポケットにライ麦を』という題名は、マザーグースの童謡から引用されています。

《ポケットに ライ麦を
 詰めて歌うは 街の唄
 くろつぐみを二十四 パイに焼き
 切って差出しゃ 鳴きいだす
 お城料理の すばらしさ … 》

ここで思い出されるのが、ポアロものの短編『二十四羽の黒ツグミ』ですね。
他にも、マザーグースからの引用が印象深い作品としては
最も有名な『そして誰もいなくなった』や
ポアロもの長編『五匹の子豚』があります。

私は、ポアロシリーズの作品の中では『五匹の子豚』が1番好きです。

そう!もうお気づきの通り
私の好みは、犯人探しやトリックの解明という部分の優秀さや意外性ではなく
【文学・物語としてどれだけ優れていて美しいか】という点に、重きを置いているのです。

この作品は、マザーグースだけではなく
アーサー王物語にも、材を取っていて
その二重構造が、何とも美しく素晴らしいものとなっています。

登場人物の名前リストを見れば、一目瞭然です。

レックス(王様) ・・・会社社長
パーシヴァル ・・・レックスの長男
ランスロット ・・・レックスの次男
エレイヌ ・・・・・レックスの娘

レックスの子ども達の名前は、彼らの母親がテニスンの『アーサー王物語詩』が好きだったから
という理由で名付けられたという設定になっていますね。
他にも、ヴィヴィアンという名の人物も登場するし。

何となく、ロマンティックで抒情的な雰囲気を醸し出していて
ミステリ小説でありながら
同時に、芳醇な香り高い文学作品でもあると感じます。

ところが。
事件そのものは、浪漫も騎士道精神も完全に無視して
冷酷非道極まりない展開をみせ、そのギャップが
ぐっさりと胸に突き刺さるのですよ🗡
ミス・マープルが、強い憤怒と哀切の想いから
事件解決に乗り出した気持ち、痛いほど解ります。

ミス・マープルシリーズの短篇集『火曜クラブ』に収められている作品の中に
この『ポケットにライ麦を』と類似した部分のある短編がありますので
読み比べてみるのも、一興かと思います。

大好きな小説なので、まだまだ語り足りない!
(≧∀≦)
でも、これ以上は長くなり過ぎるし
未読の方に、要らぬ先入観を与えてしまいそうなので
これくらいに。

この読書記録では、なるべく事件の核心に触れるネタバレは避けて書くようにしているのですが。
思い入れの強い作品ほど、ついつい筆がノってしまい
踏み込み過ぎてしまいそうになりがちなのですよね…
気をつけなければ!(`・ω・´)

さて、本日の編み物作品はこちら

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黒色の移動ポケットを編んでみました🐧

ライ麦は、別名【黒麦】
さらに【くろつぐみ】も、この小説の鍵を握るキーワードの一つです🗝

なので、黒色のポケットにしようと。
ただ、流石にライ麦は手元になかったので

代わりに、黒のボタンを用意しました。

これも、見立てです♪





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