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京とれいん雅洛レビュー

阪急電車の観光列車「京とれいん」。伝統のマルーンの塗装をそのままに、和柄のラッピングを施し、和風の内装に畳の座席に大改造している。豪華な内装ながら、普通運賃のみで乗れる。また、インバウンド全盛時にデビューしたこともあって、日本語と英語の他、中国語、韓国語の4ヵ国語による自動放送やディスプレイの案内を行っていたり、車内備え付けのパンフレットもそれに準じて用意されている。
「京とれいん」は2種類あり、まず第1弾として、かつて京都線の特急だった6300系がデビュー、のちに第2弾として神戸線から移籍した7000系を大改造し、「京とれいん雅洛」としてデビューした。土休日ダイヤでは前者が「快速特急A」、後者が「快速特急」で”十三駅に停まるか通過(※)”で区別される。反対に運行のない平日は団体専用列車や西宮北口〜嵐山の直通特急(雅洛のみ)に使用される。

※…十三駅にホームドアが設置され、他と扉位置が異なる6300系が乗り降りできなくなり、通過の措置にしている。ただし、信号の関係上一旦停止はする。

恐るべし阪急


今回、僕は「京とれいん雅洛」に乗ってきた。「京とれいん」は過去に乗ったことがあるが、「雅洛」はデビュー以来初。
京都河原町駅に行き、2号線で待っていると、伝統のマルーンカラーに金の帯、ヘッドマークを掲げて、「雅洛」が滑り込んだ。ワクワクして乗車し、まずはこの列車の目玉であるアレを探しに行く。
アレというのは…

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なんと、列車に枯山水の庭!!
「雅洛」で新たに登場し、デビュー時は斬新さで特に話題を呼んだ。京町家をイメージした内装でその坪庭を車内にも設置したという。
ポイントなどの大きな揺れでも崩れないよう工夫されていて、非常に綺麗だ。枯山水の後ろには縁側風の畳座席があり、雰囲気充分に愛でることができる。
その後も発車時刻まで車内を探索。第1弾同様に畳のボックス座席や窓向きの座席もある。車内の内装は季節の移ろいをイメージして車両ごとに異なっていて、どの車両のどの席に座ろうか迷いに迷ったほどだ。フリーWi-Fiや液晶ディスプレイ、つり革、優先座席もあり、安全面や使いやすさを感じられる面もある。加えて、フリーWi-Fiとは別に、スマホ画面で前面展望映像を楽しむ用のWi-Fiもあり、「密」を避けて前面展望を楽しめるのも今となっては便利なサービスだ。
昔は阪急沿線在住の母方の祖母の家によく行ってて長らくお世話になってきた。「京とれいん」が世に出る前、堺筋線以外、マルーン一色、木目、オリーブ色座席の3点セットが当たり前だった。ところがどうだろう。和風で度肝を抜く観光列車を作ったではないか。
「阪急電車が一皮向けた」
そんな感覚を覚えた。
”恐るべし阪急”

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。