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「ICカードの先祖」のお話

ご機嫌いかがでしょうかYukiです。

交通系ICカードが浸透している今、使っている人は非常に多いことでしょう。

切符を買わずに乗れて、売店やコンビニなどの「駅ナカ」からホテル、ガソリンスタンド、ドラッグストア、ファミレスなどの生活の身近な施設まで幅広くつかえる。さらに北は北海道から南は沖縄まで広範囲で使うことができ、旅行でも便利に使えます。とはいえ、全てではありませんが…

ただ、今回は「交通系ICカードの先祖」とも言えるあるカードの話をすることにします。僕にとって、このカードには非常に思い出があるんです。

「交通界のクオカード」

1990年代から2010年代、ICOCAやSuica、PiTaPaなどの交通系ICカードが誕生する前、「スルッとKANSAI」というプリペイドカードによるネットワークがあった。会社ごとにカードの名前は変わるものの、関西5大私鉄や「スルッとKANSAI」に加盟している中小私鉄、地下鉄、同じく路線バス、市バスなどで使うことができた。カード1枚買うことで京阪神私鉄の移動は賄うことができ、残高が切れるまで使えるから切符を買わなくていい。個人的には「交通界のクオカード」と呼べるぐらい汎用性の高いカードだったと思う。

ICOCAが登場したあともしばらくは残っていたが、2017年に発売を終了、2018年1月末に改札での共通利用を終了した。

ただ、阪急阪神ホールディングスの鉄道4社では「阪急 阪神 能勢 北急レールウェイカード」が引き続き発行され、一部の「スルッとKANSAI」とともに利用ができていた。しかし、発行開始から1年程でICOCAに取って代わられ、利用ができなくなった。これで「スルッとKANSAI」からの長い歴史に幕を下ろした。

祖母が愛し

大阪へ母方の祖母に会いに来たとき、京都で観光するときには必ず祖母あるいは母から「スルッとKANSAI」の阪急版「ラガールカード」や京都市交通局版「都カード」が支給される。新大阪から御堂筋線で梅田へ。その他、京都市営地下鉄、市バス、阪急、北大阪急行、モノレールなどなど、切符を買わずに乗れるのはありがたかった。

特に祖母は「スルッとKANSAI」のヘビーユーザーとも言えるぐらいに頻繁に使っていて、勤め先の料亭がある堺筋線扇町駅までこのカードを使っていたと母は話す。

それもあってか、父方の祖父の葬儀の合間で母方の祖母は「レールウェイカード」を使っていることを話していた。堺筋線では使えなかったにせよ、「スルッとKANSAI」愛用者で阪急沿線の祖母にはこれが愛着があって使いやすかったことだろう。

「レールウェイカード」終了後、ICOCAを持っているかは聞いていないが、相当寂しかったに違いない。長年使ってきたものが使えなくなったということだから。ICOCAも愛してくれるといいけどなぁ…

交通系ICと「スルッとKANSAI」

小さい頃は「スルッとKANSAI」の便利さを享受していたものの、やっぱりICOCAなどを使うと、これに敵うものは無いと思ってしまいますし、JR沿線で、高校時代は特にお世話になりました。

それでも、母親から譲り受けた「ラガールカード」を使い切った後に、大切に保存していて、ノスタルジーを感じる宝物として取って置いてます。

事実、関西の交通の一時代を支えた存在であることもあるし、ICOCA登場後も長年愛されたプリペイドカード。特に関西の皆さま、ノスタルジーを感じて頂けたでしょうか。

それでは、また。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。