さらば、西田局長
俳優の西田敏行さんが亡くなった。『釣りバカ日誌』でのコミカルな「ハマちゃん」役から『アウトレイジ』の厳つい若頭役まで幅広く演じてきた。ドラマや映画の他、ドキュメント番組『人生の楽園』でも長年ナレーターを務めたり、歌手として『もしもピアノがひけたなら』もヒットした。そんなマルチな西田さんは関西人にとっては「探偵!ナイトスクープ」の「西田局長」イメージも強い。
探偵!ナイトスクープの西田局長
初代探偵局長だった上岡龍太郎さんが引退した跡を継いで2代目局長として西田さんが就任。強烈な関西弁ツッコミを噛ます上岡さんとは対照的だった。大らかで優しい標準語の語り口、涙もろいキャラが際立った。感動系のVTRが開けた直後、ハンカチで涙を拭う西田局長は1番の見ものだった。
あの口上
僕は中学生になると夜ふかしで『ナイトスクープ』を母とよく見ていた。涙だけではなく、オープニングで西田局長が読み上げる歯切れのいい口上も印象深い。
この口上を毎回毎回はっきり丁寧に、ときにアクティブに言ってたのは印象深かった。毎度毎度言う口上を早口で効率よく言う人も多いが、西田局長は違う。名俳優と呼ばれる最たるところはこの口上の丁寧さなのかもしれないと思ってしまう。
お父ちゃんみたい
ドラマや映画はあまり見てこなかった中高生当時の僕でも、西田局長の涙もろさや大らかに探偵たちを見守る「お父ちゃん」みたいな雰囲気が見ていてすごくよかった。
お元気そうでも…
2019年に惜しまれつつも「ナイトスクープ“局長”」を勇退。ただ、それ以降も映画やテレビドラマで活躍。『人生の楽園』とNHKのラジオドラマ『新日曜名作座』では生前最期までレギュラーだった。お元気そうだと思ってたのに突然旅立たれたことは皆驚いたことだろう。
俳優に留まらず、ナレーター、歌手、バラエティの司会者までマルチすぎるぐらい活躍された西田さん。高齢や病気などで仕事はセーブしてたとは聞くが、弱ってたという印象は個人的にはしなかった。どんなにお元気そうでも中身はわからないものだ。
バラエティが好きな僕にとっては西田局長のキャラクターは面白かった。なんとなくこういう素で愛される人になりたいもんだと僕は思う。
今までありがとうございました。
合掌。