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阪堺電車ぶらり

浜寺公園のレトロな駅舎でランチしたら、乗り放題きっぷ「堺おもてなしパス」で「阪堺電車」に乗っていく。

利用できるのは「浜寺駅前〜我孫子道あびこみち間」。まずは我孫子道まで乗車する。

浜寺駅前

浜寺公園駅から徒歩5分ぐらいの「浜寺駅前」停留所。小屋のような駅舎とホームが1本とこぢんまりしている。

701形

701形
706号は「帝塚山学院」広告電車

止まっていたのは「701形」。

両手連動ハンドル
広島で見たやつだが、路面電車でしかこの形状見ぃひん。

大きな窓と近代的な性能が特徴の昭和後期に製造された車両。運転台も両手連動型のハンドルが備わる。

南海直営だった阪堺電車

「南海グループ」ロゴマーク
かつて阪堺電車は南海直営だった。

入り口には赤と黄色のロゴマーク。「南海電車」をはじめ、南海グループ共通で使用されるものだ。

かつては南海直営で大阪に3路線路面電車があった。「平野線」が地下鉄(大阪メトロ)谷町線の開通と引き換えに廃止され、残った「阪堺線」「上町線」が「阪堺電気軌道(阪堺電車)」として分社化した。

沿線

南海電車を乗り越える。

「浜寺駅前」を発車するとすぐに盛り土を駆け上がり、南海電車をオーバークロス。路面電車が普通鉄道を跨ぐ光景はかなり珍しい。

50㎞/hまで加速。

盛り土を下るとしばらくは路地裏を走る。この辺は路面から独立している「専用軌道」。片側1車線を走る自動車ぐらいまで加速する。ちなみに路面区間では40㎞/h(原付程度)が限界。

朽ち果てた柱が趣ある。
石津川
大道筋の路面区間

「東湊」停留所を過ぎると路面区間に入る。ここから「大道筋だいどうすじ」という堺のメインストリート。沿道には、「フランシスコ・ザビエル」が訪れた屋敷跡や与謝野晶子の生家がある。

信号制御に従う。
ただ黄色い矢印は無い。
中央分離帯を走る。

生垣と花壇できっちり分離されていて、一見走りやすそう。しかし、交差点の信号待ちが多数ある。サイレン鳴らす救急車もやってきて、優先していた。時刻表の所要時間もこの辺りは余裕を持たせていた。

「ちん電」のプライド

フツーに見える「とまりますボタン」
でも押すとベルが一発鳴る。

阪堺電車の「とまりますボタン」はかなり独特。他社の路面電車やバスなら「ピンポーン」「ブー」となるところ、ここでは「チン♪」とベルが鳴る。

本来は電車の発車合図や呼び出し、緊急時を知らせるため。関西の大部分の私鉄や市営地下鉄では車掌がいる場合に使われている。阪堺電車でもかつて車掌が使っていたが、ワンマン化され発車合図は使われなくなった。

路面電車の別名「ちんちん電車」「ちん電」は大阪では阪堺電車を指して呼ばれることが多い。沿線を紹介する雑誌やネット記事でも「大阪のちんちん電車」という風に呼ばれることがほとんど。こういう呼び名に対するそこはかとないプライドが「とまりますボタン」なのだろうか。公式マスコットも「ちん電くん」だし。

本来の使われ方ではないにせよ、路面電車で「チン♪」と鳴る姿はこうでなくっちゃと思う。路面電車でベルを聴くことはほぼ無いし、車掌が乗る広島の路面電車も新型はブザーを搭載している。身近でフランクな存在として「ちんちん電車」「ちん電」は呼ばれてほしいものだ。

再び路地裏
高須神社
駅名は「たかすじんしゃ」と読ませる。
大和川

大和川を越えて、堺市から大阪市へと入る。

プレイリスト

あびこ道

あびこ道の車庫

「我孫子道」駅にやってきた。電車の行き先では「あびこ道」と表記される。この駅が乗り放題きっぷが使える行き止まりになるのでここで下車。

左が阪堺電車の本社ビル
若干かさが高いのはホーム跡?

阪堺電車の本社、車庫、定期券売り場などがある大規模な駅。天王寺から来た電車の半分と恵美須町始発の全電車はこの駅で折り返す。

踏切は遮断棒が無い「第3種」
地元の田んぼ道にもあったけど、危なっかしそうやったなぁ。
あびこ道の商店街

駅前は大阪らしい下町の路地。商店街が踏切を跨いで伸びている。

カラフルな阪堺電車

たくさんいるカラフルな電車たち。
阿倍野(あべの)にある「アポロビル・ルシアスビル」の広告
映画館もある大きなビル。
不動産会社のラッピング
テレビ大阪で見た気がするような…
キューズモールに入居する野村證券

様々な路面電車がやってくる。コンパクトでよく目立つ路面電車はいろんな会社の広告がラッピングされている。

堺トラム

阪堺電車初の低床車「堺トラム」
「紫おん(しおん)」と呼ばれる。
墨字体のロゴ
堺トラム「青らん(せいらん)」
今は早め早めの確定申告を呼びかける。

阪堺電車初の低床車両「堺トラム」もやってきた。

堺市の交通施策や堺の魅力発信を目的に2015年にデビュー。3編成いて「紫おん」「青らん」「茶ちゃ」と命名。与謝野晶子や千利休といった堺市ゆかりの人物や街のイメージから来ている。

大阪一の質屋さん

名物質屋さんのラッピング
大阪人は全員知ってる説?
セブンイレブン来た笑
700形の1世代前「600形」

阪堺電車でよく見かけるのが、「岡崎屋質店」という阿倍野にある質屋さんの広告電車。1時間いるだけで違う番号の電車を3、4回は見かけるし、黄色と水色のカラーリングは目立つ。

創業90年の老舗で買取り実績多数。「阪神梅田本店」で質流れセールも開催していて、大阪No. 1と言える質屋さんだ。


この後には激レアでウルトラビンテージな電車に出会うがこの続きはまた…

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。