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夕日のサニーと奈良の匠

「あべのハルカス」へ登り、大阪平野の絶景を拝んだ。このあと、デザイン面で見てみたい駅を目指して移動する。

ワンコインバス

「あべのハルカス」バス停

「ハルカス」から「大阪上本町駅」へ。「天王寺→谷町九丁目間」を地下鉄で使っても「大阪上本町駅」へ行けるが、今回はバスで移動。

ワンコインという激安さ。

運賃は「100円」で安い。近鉄電車が大阪上本町到着の折の車内放送で

「あべのハルカス」へは近鉄バスにお乗り換えです。

とアナウンスされるほど。朝から晩まで本数が多くて、非常に便利だ。

大阪上本町駅
奥には「シェラトン都ホテル大阪」

バスで10分。大阪上本町駅に隣接する「シェラトン都ホテル大阪」に到着。

難波で暇つぶし

大阪上本町から大阪難波へ。
名鉄名古屋ほどではないけど、過密な大阪難波駅

ここから大阪難波に移動。少し暇つぶしと「近鉄グッズ」を買って特急列車に乗り込む。

昭和の近鉄特急

鳥羽行き特急
12400系「サニーカー」

大阪難波駅2番のりばに「鳥羽行き特急」が到着。やってきたのは「サニーカー」。1970年代にデビューした「昭和世代の近鉄特急」。

22000系「ACE」
走行装置は新しいが旧型との“アダプター”を搭載し連結可能。
「ビスタEX」
22600系「Ace」
現在は「ACE」や「サニーカー」と同じ塗装。

ACEエーシーイー」「Aceエース」などとともに「汎用特急」の一種として使われ、これらや2階建て特急「ビスタEXエックス」との併結が可能。大阪、奈良、京都、橿原、伊勢志摩、名古屋といった沿線各地を柔軟に駆け抜ける。

貴重な光景

昭和な「サニーカー」車内。
座席の形が違う。

車内は少しくすみがあって、座席の倒し方など設備も少し違う。JRではこの世代の特急車両は絶滅危惧種。その上、僕はあまり乗った経験がない。貴重な車両だ。

近鉄のおしぼり

近鉄特急のおしぼり
“オールスターズ”が勢揃い。

近鉄特急では「おしぼり」が無料サービス。東海道新幹線「グリーン車(こだまを除く)」でもあるが、近鉄はセルフサービス。欲しい人は誰でも自由に受け取れる。

夕日を駆け抜ける

大阪市内
生駒山地
大和川
JR和歌山線とクロス

夕暮れとともに走る「サニーカー」。外から撮ったら映えるやろなぁ。

プレイリスト

そんな夕暮れとともに。

大和八木駅

大和八木駅に到着。ここから橿原線の「各駅停車」で北上。

結崎駅

やってきたのは「結崎ゆうざき駅」。

2022年に建て替えられた新しい駅舎。言われないと普通の駅だが、デザイナーが凄い人。

地元が生んだデザイナー

川西康之さんは「結崎駅」がある奈良県川西町出身の工業デザイナー。デザイン事務所「イチバンセン」の代表でもある。

代表作は多数。

  • JR西日本「WEST EXPRESS銀河」

  • 同「特急やくも」用の新型車

  • 鷲羽山わしゅうざん下電ホテル「せとうちグランピング」(岡山県倉敷市)

  • 関東バス

「グッドデザイン賞」や国際的な評価も多数。

  • 土佐くろしお鉄道「中村駅」

  • EVタンカー「あさひ」

  • えちごトキめき鉄道「リゾート雪月花」

さらに近鉄20年以上ぶりにフルモデルチェンジする「新型通勤電車」のデザインにも携わっている。

このデザインの一部が、2023年にリニューアルされた近鉄大阪線の既存車両に反映されている。

“匠”の「地元愛」

駅舎
緑の小高い丘は古墳。
奈良県民にとってみれば待ち合わせ場所になるほど、日常に密着しているのだとか。
待合室

デザインには「銀河」や「やくも」にもあったような壁やどこか「おうち」のような雰囲気で非常にいい仕上がり。「鉄道デザインの“匠”」として世界で活躍しつつも、自身の腕で故郷の駅を模様替えする「地元愛」を感じられる。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。