夕日のサニーと奈良の匠
「あべのハルカス」へ登り、大阪平野の絶景を拝んだ。このあと、デザイン面で見てみたい駅を目指して移動する。
ワンコインバス
「ハルカス」から「大阪上本町駅」へ。「天王寺→谷町九丁目間」を地下鉄で使っても「大阪上本町駅」へ行けるが、今回はバスで移動。
運賃は「100円」で安い。近鉄電車が大阪上本町到着の折の車内放送で
「あべのハルカス」へは近鉄バスにお乗り換えです。
とアナウンスされるほど。朝から晩まで本数が多くて、非常に便利だ。
バスで10分。大阪上本町駅に隣接する「シェラトン都ホテル大阪」に到着。
難波で暇つぶし
ここから大阪難波に移動。少し暇つぶしと「近鉄グッズ」を買って特急列車に乗り込む。
昭和の近鉄特急
大阪難波駅2番のりばに「鳥羽行き特急」が到着。やってきたのは「サニーカー」。1970年代にデビューした「昭和世代の近鉄特急」。
「ACE」「Ace」などとともに「汎用特急」の一種として使われ、これらや2階建て特急「ビスタEX」との併結が可能。大阪、奈良、京都、橿原、伊勢志摩、名古屋といった沿線各地を柔軟に駆け抜ける。
貴重な光景
車内は少しくすみがあって、座席の倒し方など設備も少し違う。JRではこの世代の特急車両は絶滅危惧種。その上、僕はあまり乗った経験がない。貴重な車両だ。
近鉄のおしぼり
近鉄特急では「おしぼり」が無料サービス。東海道新幹線「グリーン車(こだまを除く)」でもあるが、近鉄はセルフサービス。欲しい人は誰でも自由に受け取れる。
夕日を駆け抜ける
夕暮れとともに走る「サニーカー」。外から撮ったら映えるやろなぁ。
プレイリスト
そんな夕暮れとともに。
大和八木駅
大和八木駅に到着。ここから橿原線の「各駅停車」で北上。
結崎駅
やってきたのは「結崎駅」。
2022年に建て替えられた新しい駅舎。言われないと普通の駅だが、デザイナーが凄い人。
地元が生んだデザイナー
川西康之さんは「結崎駅」がある奈良県川西町出身の工業デザイナー。デザイン事務所「イチバンセン」の代表でもある。
代表作は多数。
JR西日本「WEST EXPRESS銀河」
同「特急やくも」用の新型車
鷲羽山下電ホテル「せとうちグランピング」(岡山県倉敷市)
関東バス
「グッドデザイン賞」や国際的な評価も多数。
土佐くろしお鉄道「中村駅」
EVタンカー「あさひ」
えちごトキめき鉄道「リゾート雪月花」
さらに近鉄20年以上ぶりにフルモデルチェンジする「新型通勤電車」のデザインにも携わっている。
このデザインの一部が、2023年にリニューアルされた近鉄大阪線の既存車両に反映されている。
“匠”の「地元愛」
デザインには「銀河」や「やくも」にもあったような壁やどこか「おうち」のような雰囲気で非常にいい仕上がり。「鉄道デザインの“匠”」として世界で活躍しつつも、自身の腕で故郷の駅を模様替えする「地元愛」を感じられる。
ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。