見出し画像

サイコロきっぷ5投目(過酷な往路 大阪→城崎温泉)

信号トラブルによって大阪駅で待つこと羽目になって約2時間。電光掲示板は上から2段目の場所に「こうのとり5号」の文字が出てくるようになった。

しれっとやってきた

いつの間に来とるやん!

お茶を飲み干して、コンビニに一瞬行ったらしれっとやって来ていた。着いてから、もののすぐに信号が青に変わった。いつやってくるかわからないこういう状況になると少しの暇つぶしが命取りになりかねない。

大阪駅出発、が…

秒で出発、秒で止められた

秒で大阪駅を出発したはいいが、淀川手前ですぐに信号待ちを食らってしまった。淀川渡って、塚本駅を過ぎた位置から新幹線に沿って新大阪へショートカットする貨物線が分岐している。貨物か回送がいることだろう。こういう旅客を運ばない列車だとアプリの走行位置上はいないことになる。(業務用では見れる)見えない情報にはムカムカしてしまう僕。

快速に抜かれるという屈辱…

停車していると普通列車、快速にすら抜かされる。この光景はなんか屈辱を感じてしまう。

福知山線へ

尼崎駅
先を走る塚口行きとの兼ね合いなのか5分?信号待ち
福知山線(JR宝塚線)へ分岐。
あの普通列車は信号に引っかかって減速している。

尼崎では5分ぐらい信号待ちし、JR宝塚線こと福知山線へ入る。尼崎〜塚口間のS字カーブを抜け、川西池田まで余裕の高速走行で駆け抜ける。

塚口で阪急神戸線とクロス
夏空や
阪急電車平井車庫
宝塚線の電車がたくさんいるが、片隅に能勢電鉄がいることもある。

猪名川の渓谷でノロノロ

後ろをノロノロ。

宝塚手前で普通列車の後ろまで迫り、ノロノロ。この辺が福知山線で1番スピードが出せる区間だけあってなんかモヤモヤする。

猪名川の美しい渓谷

それでも、猪名川の渓谷は美しく心洗われる。温泉やハイキングコースがあるし、いつか降り立ちたい都会に近い秘境だ。

道場駅
一瞬だけ神戸市内だけど、ホンマに神戸?と言われそうなのどかさ。
三田(さんだ)の街並みが見える
三田駅
真っ赤な神戸電鉄が停車

ちょっとだけペースアップ

新三田駅を通過。
大阪方面からの半分はここまで。

こうのとりを阻んでいた普通列車は新三田が終点。ここからは気持ち速いペースまで加速。

ただ、カーブがそこそこ多い。このあたりで撮影された写真やDVDの映像は多くて、撮る側には狙いなのかもしれない。田んぼもあるし、森もあるし。

信号待ち3度目

この場所でまた信号待ち

篠山口に停車し、今度は森の中を駆け抜けると思いきや、1駅先「丹波大山駅」手前で2度目の駅間停車。篠山口からは単線で、どこかで行き違いが必要。遅延で変更が生じると駅じゃないところで停車し指示を待たないといけない。過去には正面衝突した、しかけた事例が多数あっただけにこの慎重さはアリだとは思う。

丹波の渓谷と恐竜の里

5分ちょっと待って再び発車。篠山川に沿って進む。

丹波竜の里

丹波は恐竜が発掘された「丹波竜の里」。恐竜のオブジェが目につく。福井が全国的に知られるが、「2大恐竜の里」を目指せるのか。

谷川駅
加古川線に乗り換えようとしたら、シンプルに列車なくて2時間待ちぼうけたのが今やいい思い出

柏原かいばら

柏原(かいばら)駅
滋賀「かしわばら」、大阪「かしわら」と同じ漢字3兄弟駅の1つ。
新大阪行きの「こうのとり」

柏原駅では新大阪行きの「こうのとり」を待った。あちらも福知山からの折り返しで大幅に遅延していた。

さらに先にも篠山口行き普通列車がいたが、ちょうどええところで避けて、こちらを通した。順調に駆け抜けていく。

福知山駅

京都福知山までやってきた。

先の普通列車にまたもや阻まれつつも、ようやく京都福知山までやってきた。

右手には「はしだて5号」が待つ。
車両は京都丹後鉄道所属「丹後の海」。
ブルーの外見と木材を使った車内空間が特徴。

福知山では京都発京丹後方面行き特急「はしだて5号」が停車し、待ち構えてた。乗り換えられるようになっているが、あっちも全席指定。指定席券を買ってた人は変更の手間が発生していたであろう。ここに限らず各特急で乗り継ぎが間に合わない事態が発生して大変だった。

山陰線へ

一部が行き先変更となる中、5号は通常通り城崎温泉まで行くことが決定。山陰線へ入り、引き続き乗っていく。

牧川に沿って西へ。京都丹後と兵庫但馬を隔てる峠を越えていく。

朝来(あさご)の市街地へ。
城崎温泉発京都行き特急「きのさき」
きのさきも流れ弾の如く遅れている。
江原駅
大阪行き特急はまかぜとすれ違い
はまかぜも途中で折り返すなどした。
豊岡駅
あと1駅、あと1駅
玄武洞
普段は観光ガイドしてくれるが、カットされた。

過酷な往路もあと少し。円山川と玄武洞を眺めると城崎はもうすぐ。普段はこのあたりで車掌が玄武洞についてガイドをしてくれたり、「まもなく開湯1300年の歴史を誇る城崎温泉に到着します」などと枕詞付きで言ってくれるが、この日はカットされていた。こんなゴタゴタしてたら無理やんな。

城崎温泉駅

287系
ライトがつり目な生え抜き車両

こうのとり5号は3時間少しかけて城崎温泉に着いた。過酷な状況からのゴールだけあって到着放送で少し泣きそうだった。

払い戻し(ほぼ)確定

駅メモ!とコラボ中

駅は自動改札が無い、駅員が立ってるタイプ。きっぷを見せると、「払い戻し証明」ができることが告げられ、なんのことかみどりの窓口で聞いてみた。

一通り聞くと「事故/遅延」「城崎温泉」と書かれたハンコが行きの乗車券と特急券に押された。到着が通常12時51分のところ、この日着いたのは15時になるかならないか。遅延が2時間超えたことで「特急券払い戻し」の条件を満たすことになった。

ただし、僕は往復で買ってる「トクトクきっぷ」という特殊な仕様のきっぷ。帰りのきっぷを使った後に初めて条件が発動する。城崎温泉の時点では乗車した証拠を正しく残すためにハンコが押される。これは後回しにはできない。

初めての2時間遅延

何度も旅してきたが、今まで2時間遅延したことはない。今更人生初めてではあるし、やり方も他のきっぷより複雑だ。しかし、誰かと旅してこんな騒動に遭遇したら、少しばかりは経験が生きるかもしれない。

過酷な旅路×プレイリスト

とんだ大騒動で聴いた音楽。列車が詰まるとどこかイライラすることも多かった。しかし、抜けたら抜けたでなんか気持ちいいもの。温泉入る前に心がちょっと整った気分だ。


そして何より、城崎まで辿り着けるようにしていただいたことがありがたい。どんなに振り回されても、目的地に着けた瞬間ほど嬉しいものはない。SNSでは運転指令に「無能」などと失礼極まりないことを言う人もいるが、こんな慌ただしい中で「あんたはどないやねん」って思う。言うやつの勝手だし、僕は足向けて寝られない思いだ。

予定より3分の1の滞在時間にはなるが、外湯めぐりリベンジやーーー!!!!!!

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。