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フィーバー冷めてから思う北陸新幹線。

2024年3月16日に開通した北陸新幹線金沢〜敦賀間。東京駅から福井県まで乗り換えなしで結ばれることがあってか、大フィーバーで開通初日を迎えた。

開通2日目に行ってみると一目瞭然。たくさんの人でにぎわいを見せた。たぶん半分ぐらいは関東方面だとは思う。

しかし、フィーバーが落ち着いて考えてみたら「敦賀止まり」という中途半端さで悪影響が多く見られる。関西から福井駅までの所要時間は特急時代から時間短縮効果が薄い。強制乗り換えの不便さが際立つこととなった。

乗り換えをラクにする工夫をされているとはいえ、金沢、富山へ行くのにこの駅で降ろされるとなんか物足りなさを感じる。「くたばれ」なんて罵詈雑言が飛ぶのもわかる気がする。

元々関西と北陸はサンダーバード1本で結ばれていて、地域交流も盛んだった。それが減少するという危機感もかなり高い。

計画上、大阪までの全通が最終目標であり、あくまで敦賀駅は仮の終点だ。この先、福井県小浜や京都市内、松井山手駅付近(京都府京田辺市)を通って、新大阪駅に繋げるルートで内定している。しかし、下記の反対意見によってことが進まない。

  • トンネルが8割→残土どうすんの?

  • かやぶきが美しい「南丹市美山町」の景観が損なわれる可能性

  • 地下水が枯らしてしまうかもしれない。

これらもあって2023年京都市長選挙でも争点になるほど。野党系候補はかなり反対していた。結果、延伸に肯定的な候補が当選し、新聞では「安堵」「福井との連携に期待」と前向きに報道されていた。

とはいえ、敦賀駅から長浜市を通って米原駅に繋げるルート案も考え直すよう推す声がある。距離が短く、手っ取り早く全通させるにはいいかもしれないが、運営する側のデメリットや米原から東海道新幹線へ直通するのが困難などメリットが少ない。決まったっちゃ決まったが、イマイチはっきりしない。

ある意味で「金沢止まり」の方がキリが良かったのかもしれない。大阪から見れば200㎞以上離れたところまで乗り換えなしというのは魅力はでかい。在来線特急で少し時間がかかったとて、ずっと乗れた方がラクなのは確かだ。

ここまで言っても、個人的に、北陸新幹線が敦賀までやってきて嬉しいことはある。

  • 元フジテレビアナウンサー堺正幸さんの自動アナウンスを近場で聴ける。

  • 「WESTERポイント」だけで北陸3県に行けるきっぷが登場。

  • 紙きっぷを買う煩わしさがなくなった。

僕がグチグチ言わない性格で、キレイごとに思われるかもしれない。だが、正直言って、全部悪いわけではないし、この現実を甘んじて受け入れている。まだ乗れていない北陸の私鉄も乗りに行きたいし、糸魚川へも足を伸ばして「えちごトキめき鉄道」や大糸線にも乗れたらなんて思ってる。

暫定状態がいつまで続くかわからないが、この不便もどうにかしてエンジョイにしていけたらなんて思って、また行こっかなぁ。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。