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2度目のガチャコン

WOMCADOLEのライブで彦根に来たついでにプチ観光しようと、多賀町まで足を伸ばし、「ガチャコン」という呼び名で親しまれる近江鉄道に乗車した。

高槻駅で線路内人の立ち入りがあって大幅に遅れるも、新快速の体を張った回復運転に助けられ、予定の電車に間に合った。多賀方面は1時間に1本だからもしあかんかったら、彦根駅でぶらつこうとも考えたが、予定通り行けて感謝しかない。

それはともかく、切符を買って、昔ながらの駅員さんにスタンプを押してもらうスタイルで入場。するとちょうどええタイミングで電車が到着。

今回乗ったのは、親会社である西武鉄道で活躍していた元101系の100系電車、通称「湖風号」。黄色いボディで首都圏の“鬼のようなラッシュ”を捌きまくっていた前職。そこから真逆の今は、琵琶湖っぽい色に装い新たに創業家の故郷である湖東路をのんびり、「ガチャコン」言いながら走る。

近江鉄道では全区間で「サイクルトレイン」を実施。折り畳まなくとも輪行が可能となっている。この日乗った電車でも、キャップ被ったおっちゃんが26インチぐらいのママチャリを連れて乗っていた。こんな自由さはローカル線ならではだ。

ワンマン電車故に運転士さんが肉声で乗り換えを案内してくれているが、ここ滋賀の訛りは地元民の僕には不思議と落ち着く。湖北と彦根や東近江をはじめとする湖東地域では訛りは微妙に異なるが、京阪神とは違う地元訛りはノスタルジーが強くなる。関西人特有の特殊能力故なのかも。
そして、「高宮」を「た↑かみや」と言う地元ネイティブは実家に帰った気分になれる。

「ガチャコン」というあだ名はレールの継ぎ目が短いところから来ている。そのせいか直線区間では縦揺れ、カーブは横揺れが大きく時々怖く、人によっては酔いそうになるぐらい。とはいえ、ポジティブに言えば、スリルだし、そういうのが好きな人には楽しいのかも?

そんなこんな思いながら乗ること18分

終点多賀大社前に到着した。その後の観光はまた次回以降に。

廃線が囁かれながらもなんだかんだ地元やグループであるバス、タクシー、船に支えられている「ガチャコン」。犬上郡※や愛荘町、八日市(東近江市)、水口(甲賀市)、日野方面の人々にとっては貴重な鉄路。JRへの乗り換えでいろんなところに行ける。

※多賀町、甲良(こうら)町、豊郷町

最近では萌えキャラや「ビール電車」などで集客を図ったり、新たに若めの中古車を譲ってもらうなど生き残りや利便性向上など生き残るための明るい話題をよく聞く。そして、「湖風号」以外にも「あかね号」や「お〜いお茶」、「ダイドードリンコ」、新名神高速の土山SAなど多彩なPR電車も「ガチャコン」に彩りを添える。

沿線民ではない僕だが、同じ滋賀の電車だし、ライオンズカラーのバスや竹生島※行きの船にもよくお世話になった。故に愛着が強いし無くならないでほしい。なんとか崖っぷちではいる現在だなら、無くならないためにもたくさん乗っておきたい。今度は八日市に行ってみっかな。

※長浜市沖の琵琶湖にある島。無人島だが、都久夫須麻神社があって、長浜港と今津港(高島市)から船で上陸が可能。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。