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ハニスとミーター

割引あり


『2万年後の銀河』
第九部
「Relief」
Relief  1️⃣
「ミーターとハニス」(第1話~第5話)


はしがき

 このSF小説は、私の『ファウンデーションの夢』という故アイザック・アシモフへのオマージュとして創作された、その続編です。舞台は銀河系の端、ラベンダーに輝くターミナス星の首都モーヴの市街地よりさほど離れていないラベンダー畑を経営していた女主人アルカディア・ダレル亡きあとの翻訳・通訳ロボットが一念発起してアルカディアの意思を継いで、アルカディアのなし得なかった夢を実現させる、という実に奇想天外な物語の入り口になります。ミーターとジスカルド・ハニスとの対話から徐々に銀河の秘密が見えはじめてきます。

 

登場人物

ミーター・マロウの他、

ハニス・ジスカルド     以前惑星サンタンニのサンタンニ大学でジャーナリズム の教授。イフニアでスパイ活動。

オリンサス・ダム     アルカディアの同級生。幼いときより科学技術に優れ、 アルカディアに「盗聴機」をつくってやった、それ 改造していったのがミーター。

ドース・ヴェナビリ     謎の惑星イオスの謎の女性。銀河復興の鍵をもつ人物。

ムン・リ・コンパー     ターミナスが主導する惑星連合『ファウンデーション』に加わっている遥か遠方の同盟星コンポレロン出身。モーヴにある銀河帝国立辞書編纂図書館の司書。

第1話 アルカディアの亡骸は?


ガールの妻、ベリスが育てたラヴェンダー畑。


ジスカルド・ハニス 一瞬、遅かったみたいだな、ミーター!すまん。オリンサスさんの足のせいでな。

ミーター・マロウ ハニスさん!それにオリンサスさんまで!

ハニス ミーター君、これから一人ボッチで辛いなあ!

 アルカディアさんは最後に何かいってたかい?

 

ミーター ハニスさん。沢山言ってました。オリンサスさんの面倒を頼むとか、ハニスさんに頼れとか。後でゆっくりアルカディアから言われたことはお話するつもりです。

ハニス  ミーター君、ところで彼女の亡骸(なきがら)をどうする?歴代の女系先祖様らが眠るラヴェンダーのみはらしの丘か?それとも不思議なベリス岬の洞窟のなかかな?

ミーター  ハニスさん、そのどっちでもありません。初めはアルカディアは、お母様方が眠るラヴェンダーの丘にと言ってたんですが、何か気がついたらしく惑星イオスに運んでもらいたいと考えを替えました。もうじき惑星イオスからドースさんがやって来ます。ポニェッツ仕様のラヴェンダーのエキスを惑星ターミナスから惑星イオスへ運ぶ船に一緒に乗せるよう言われました。

ハニス  う~む、惑星イオスへねえ!

 さもありなん。

 「有限とは、弱さと優しさに包まれた無限」、すなわち「再生」。

ミーター  何ですか、ハニスさん?

ハニス  いやね、惑星イオスの標語だよ!なにせ、データ収集はジャーナリストの本義だからね!ここだけの話、それに惑星イオスとくりゃ、ロボット。

ミーター  ハニスさん。なんでそんなことまでご存知なんですか?僕と同じロボット?!

ハニス  まあ、つまりはもうじき「ガールの500年」が近い、ということよ。

 俺は、ミーター君、あの鬼才ジャーナリストのジョウル・ターバーの弟子を自負しているんでねえ。なんちゃってね!

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