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101ミーターの大冒険 第二部 イルミナ 第9話 オーロラ 変異体

101ミーターの大冒険 第二部 イルミナ 第9話  「オーロラ 変異体」

あらすじ

 ミーターの体は4年間で完全に復旧し、無事に同じく修理されたファー・スター2世号に戻された。
 イルミナは当然無事だった。彼女の本体は、ターミナスの帝国辞書編纂図書館の地下からのコントロールなので、受動機さえあれば、どこにでも移送されるからだ。
 イルミナはミーターが時々白昼夢を見、独り言を喋り出す癖を発見する。ミーターの体の全体がまるでアルカディアの思い出で満たされているように。イルミナはミーターの白昼夢の内容を知っているにもかかわらず敢えて尋ねるのであった。
 思い出の一つは、その時が必ず来る事を50年も待っていたアルカディアのある晩のことであった。
 アルカディアとペレアス・アンソーアの再会の出来事であった。

 場面は、ミーターを乗せたファー・スター2世号のなか。シンナ星の軌道上にいて、時にミーターは地表探索を重ねる。再度の銀河横断に対しての並々ならぬ決意が滲み出ている。
 シンナ星から見上げる眩(まばゆ)い極光になにかしらの兆(きざ)しを感じるミーターだった。
 ただ時たまイルミナのちょっかいが耳障りだが、それでも面白いと感じる。
 イルミナのアンソーアについての感想が際立つ。
 ミーターは、それでも「音痴」という言葉から何かに気がつく。
 ミーターはイルミナにオーロラへの進路を指示するが、禁断の星オーロラの位置がわからない。そこでミーターは、アルカディアの『続・追憶の鍵を開けて』の内容を思い出し、カルガンに行くことを思いつく。

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イルミナ ミーターさん、シンナのオーロラは、綺麗だったわ!カルガンにもオーロラが見えるみたいだけど、オーロラのもともとの意味って分かる?これも図書館には記述がないわ!

ミーター イルミナ、俺もターミナス産だけど、どうも最近のターミナスはおかしい、どこか狂いはじめてる。それも歴史記録消滅のせいかもね。お前のせいじゃないな。
 これもイオスで仕入れた情報なんだが、どうも伝説の故郷の星アタカナの、その伝説らしいんだよ。
 オーロラという気の多い、女神が主神に頼んだっていう話だよ。

イルミナ なにを?

ミーター 惚れた男が永遠に生きられるように。ところが若いたままでとは頼まなかったんで、彼はどんどん老けてしまって、ひからびて小さくなり、手足も動かなくなり、細い声しか出せなくなってしまった。それで彼女は仕方なく彼をセミに変えてしまった、という残酷な話なんだよ。
 なぜか、その星には謎めいた、秘密が隠されているようなんだよ。人類の遠い昔の物語だけど、なんか真実が隠されているみたいなんだ。

イルミナ 寂しくもあり、悲しくも哀れな話なのね!
もしかしたらその人間の変異体。ロボットじゃなかったら、ミュールのことかしらねぇ!

ミーター ミュール。ミュールって、うるさいな、イルミナ。
 ミュールは短命だったぞ!
 待てよ、「変異体」っていうのは正しいかも知れないけど。
 そうかも知れない。今回の探索任務のキーワードの一つは、「変異体」かもな。
 でかした、イルミナ!

yatcha john s.


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