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ミーターの大冒険 第八部 地球 第9話 再生

181第9話再生
ミーターの大冒険
第八部
地球

第8話

再生

あらすじ

ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。

人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアや同士ジスカルド・ハニスらのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。

はたして地球の放射能汚染を除去することができるのか?

そしていよいよ太陽系外縁部のオールトの雲を抜けて待望した太陽系に突入して行く。
 
 鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。

そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。

新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。

そしてミーターは人類と「宇宙潮流」との関わりについて惑星環境の土壌「墾化」現象に言及する。

ところが、ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は月の軌道目掛けて一直線のコースをとろうとしたところ、手前の火星地表で有機体とロボット(通常のロボットの反応とは違う)の存在をキャッチした。

ミーターの直感は火星に着陸する選択をする。

直感は当たった。
 ダニール・オリヴォーがいたのであった。あのアルカディアの念願であった、アルカディアに成り代わってミーター・マロウが不死の従僕に会えたのであった。

ダニールに誘導されたミーターは、ダニールの月基地に、水の大貯蔵タンクを見せられる。

ミーターはほぼ単独でオーストラリアのウェルスクリークに降り立つ。ほかにダニールの助手ペイリー・リャンとR・オーロラ・ルナセントが同行したが、彼らの地上での行動は、ミーターを除いて、2時間と制限されていた。

イルミナのリードによって北上したアース・オービターは、無事にニフのフニ山頂上に着いた。

案の定、双子座流星群は降ってきた。この年は例年とは違い、幸運にも何ヵ月も継続した。

流星群は成層圏に拡散している特殊水蒸気の雲に注ぎ、水蒸気を雨化させ、地上に雨を降らせ始めた。

ミーターは、北アメリカ大陸の頂き、南アメリカの頂きを踏破し、残るはアフリカ大陸、ユーラシア大陸のみとなった。

その間にイルミナは、アルファのモノリーさんのお土産である粉末の分析が完了していた。

その粉末の正体は、種だった。雨が降れば、地球の緑化が再生する。

イルミナは、忘れていたニュースをミーターに報せる。歓喜のニュースだった。

ミーターがその作業の最終段階でかつてオーストラリア大陸と呼ばれていた地域のタウンゼント山頂で早朝シルクベットから起き上がった時だった。しっかりとして威厳のある響きが頭上からあった。
 ダニールはミーターに、2つの任務を依頼した。

地球の古代の伝説「ノアの方舟」にあるような大量な雨が1ヶ月以上も地表に降り注いだ。

その結果、大気中の放射能濃度は、驚くほど減少していった。

1番目のダニールからの任務を終了後、ミーターは、約束していたミーターはニフの中央東に位置する海岸から切り立った小高い山頂に夜明け前に到着した。

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ミーター ビックリしましたよ。
 2つの星の行政府がある宇宙空港に降りたったら、惑星長官が直接やって来られて、同様にこのように言われたのです。
 
 「ミーターさん、お待ちしておりました。
 オリヴォーさんのご依頼は、私たちが願ったり叶ったりのことです。故郷の星の実在が分かり、放射能の危険がないということでしたら。大いに我らの起源に立ち返ることは、この銀河の未来の新しい時代の到来のために、是非とも必要であることには間違いありませんので。
人員のほか全部の準備はもう終わっております」、とね。

ダニール さもありなん。ミーター君、すべてはジスカルド由来の感応力のなせるわざだ。感応力の真実とは、その感染力が光の速さ以上のシェアリングなのだからな。彼らが先鞭をつければ、やがて、銀河中の星々は我先と、この地球に帰って来るであろう。そうでなくとも銀河の隅々から地球に向けての巡礼者があとを絶たないであろう。

ミーター ダニール、聴力を最大限にしますと、波の声が尋常ではありませんね。
 この眺めは、穏やかで優しくもあり、同時に神妙です。また涙が溢れて来ました。

ダニール アッハッハ。君はこの私以上に人間的なんだな。

正直に言おう。
 私には忘れてはならない3人の人間がいた。といっても、1人はロボットだが。1人は、タバコ好きな地球の警官、極めて喜怒哀楽にとんだ男だった、イライジャ・ベイリー。もう1人は、ガール・ドーニック。彼の証古学には正直いってこの私でもたじろいだ。その秘密を知った後で、地球の「紅皿」の光を浴びた瞬間に、時間を超える感応力を獲得できたみたいだ。

ミーター 紅皿?

ダニール そうだ。ニフ人の太古に実在した女性だ。彼女こそ、人の本質だと理解できた。
 それゆえ、私は、ベイリーの友人、グレディア・ソラリアの容姿と物腰に紅皿の面影を重ねたんだよ。ドースもそのような思いから誕生させた。それに繋がる女性にアルカディアがいる。
 アルカディアは、この私の想像以上の偉大な女性であった。

ミーター そうでしょう!そしてその面影は、ウォンダ・セルダン、ベイタ・マロウと瓜二つでしょう?

ダニール ズバリだ!流石、アルカディアの盟友だ!

やがて間もなく日が東の大海から昇って来る。

ミーター ダニールさん、私をここに誘われたわけがなんとなく分かって来ました。

この頂きが、「カビレ」であるのですね。

つまり、「再生」!繰り返される「希望」、「祝福」!!

ダニール 申し分ない答えだ!
 「カビレ」とは、太陽系の太陽であるという意味以上に繰り返され日々に強く生きようとする人々の感謝と希望、そのものの心ということ。

ミーター アルカディア家に大事に唱えられて来た呪文の最後の語句!

ダニール ズバリそうだ。

答えよう。太古のニフの人たちが南の海から移動して来て、恩寵の新天地としてこの土地を浄めた。
 「世々絶え間なく続く夜明けとして聖別した」。東に昇る日に祈りを捧げた。

ミーター ダニール、今、東の海から一条の光の柱が中天に上昇しています。
 これって?

ダニール ミーター君、私が地球を訪れた時に見た光線だ。
  
 これと同じだった!

地球再生の始まりの大いなる兆しだ!
これを君と一緒に見たかった。これを見るのが、第2の任務だ。

※ 是非、この一話をご覧くださった方は、『ファウンデーションの夢』第6話の『時間も感応できる!』をご覧下さい。

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