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嵐が丘とジャノメエリカ

昨日に引き継ぎ、ギョリュウバイに似た花がその隣にあました。
日本名、「ギョリュウモドキ」。正式名称は、『ジャノメエリカ』。


 ヒースの中でも、もっとも人気であるのが「ジャノメエリカ」で開花時期は2月~4月。
 花言葉は、『博愛、孤独、寂しさ、裏切り』。
 スコットランドでは、エリカの茂る荒野が多くあります。 「荒野」、「荒地」は英語で「ヒース」と呼ばれ、詩や小説の舞台になることが多かったようです。
  花言葉は瘦せこけた荒野のイメージから「孤独」が生まれたのでしょう。

 『嵐が丘』。
 私が大学時代を通してじっくり読み通した本を思い出しました。ヒースクリフとキャサリンの恋物語。みなさんもよくご存知のエミリー・ブロンテの『嵐が丘』です。なんとおぞましくも儚い人間のさがが剥き出しになった妖気的、復讐の物語。そこの舞台のスコットランドの荒涼としたヒース草原。まさに夢に出てきたその風景の草木をこんなところで、この歳になって、まざまざと目の前にしようとは!
 エミリー・ブロンテは、この小説を書き終えてわずか1年で亡くなっています。エミリーの姉は、『ジェーン・エア』で有名なシャーロット・ブロンテ。
 彼女の小説に出てくるキャサリンはエミリーの写しだったのか?

 寒さに凍えた寒風吹きすさぶヨークシャーにそびえる〈嵐が丘〉の屋敷。その主人に拾われたヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに焦がれながら、若主人の虐待を耐え忍んできた。そんな彼にもたらされたキャサリンの結婚話。絶望に打ちひしがれて屋敷を去ったヒースクリフは、やがて莫大な富を得、復讐に燃えて戻ってきた。
 一世紀半にわたって世界の女性(男も同様)を虜にした恋愛小説。もちろん男がよんでも一向にさしつかえはありません。

 当然、この『嵐が丘』の風景から、その花言葉が生まれたのだろうか?

春の寒風はもうすぐ終わる。
荒涼としたヒース草原を思い浮かべて、もう一度、その寒々とした人間の暗い残虐性と、それを凌ぐような浪漫性の入り乱れたエミリーの情念を追念して、『嵐が丘』を読んでみてはいかがでしょうか。
 むろん、スコットランドのヒースの花の季節は8月の3週間だけと聞きますが、ここ海浜公園では、は2月~4月と違いはありますけれど。

https://youtu.be/5cGqfVnjW7Q?si=xbG9OOWNHnMVyauZ

yatcha john s. 「嵐が丘とジャノメエリカ」

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