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ミーターの大冒険 第六部 地球へ 第3話 両性具有の人間

143第3話両性具有の人間
ミーターの大冒険 
第六部 
地球へ
第3話

両性具有の人間

あらすじ

ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、ファウンデーション暦488年1月、カビレ星系目指して、第一回目の探索をおそらく恒星カビレ近くのシリウス星界近くでの超新星爆発のガンマ線バーストによって大破し、ミーター・マロウも宇宙空間に放り出された。

そこ近くの領域を航行中のR・レオナルド・エノビアレラに拾われた。R・レオナルド・エノビアレラは、自己修理のため銀河辺境のイオス星というロボット第零法則グループの製造・修理の基地に赴く途中であった。彼はミーターをイオス星につれて行くことにした。

それから4年間、ミーターは独自なリハビリを受ける。ポエニッツ仕様のラヴェンダーのエキスの温泉療養である。

4年が過ぎ、ファウンデーション暦492年、眠りにおちていたミーターは、修理されていたファー・スター2世号の中で、イルミナに起こされた。その時、ファー・スター2世号はシンナ星の軌道上にあった。

ファー・スター2世号はシンナ星からカルガン星経由でコンポレロンに着く。

コンポレロンでは、地上ではこれといった手がかりは見つけられなかったが、イルミナにある異変(フィードフォワード症候群)が生じ、不死の従僕の気配を感じる、という。

イルミナの特殊能力で、ヴァジル・テニアドールという懐疑主義の歴史学者の頭脳から二つの情報を手に入れる。
 一つは約2万年前の航海日誌に記されてあった周辺の星の座標と、二つ目は故郷の星系カビレの異常さ、つまり、他には珍しい、ガス惑星を取り囲む巨大リングのある惑星と、他の岩石惑星を回る巨大衛星があること。

その航海日誌の座標にはない恒星系が前方に存在していて、彼らは突如として、反ミュールで知られていたガイアを発見する。
 
 ガイアの長老ドムとの通信で地球とミュールに纏わる真実を知った。

ガイアの誘導で、ファー・スター2世号はオーロラの恒星系に無事にたどり着く。

二人の目の前には、オーロラの揺らめく極光が怪しく波打っていた。

オーロラでジスカルド・レヴェントトロフの機能停止の頭部を発見し、銀河歴史消滅以前の全体像を垣間見た。

ファー・スター2世号に戻った二人は、オーロラの次の探索星をソラリアに定める。

ミーターは、例のデニアドールの航海日誌にあった座標を現在時点の時差を考慮して修正して方向をロックした。おそらく例のソラリアであった。
 ミーターは日誌にあった、他の二つのスペーサーの星も、その座標には間違わないと確信した。
 
 ついにファー・スター2世号はかつてグレディアがいたと言われていたソラリアの軌道に着く。そこで、イルミナのリサーチによって、伝説通りに、大量のロボットがいることを確認する。そして両性具有の人間の存在も。

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イルミナ ミーターさん、感じたわ、地下深くの地下坑に1個体または2個体の人間のような生体反応。

ミーター イルミナ、さっきは感じないで、今はじめて感じられたというのか?

イルミナ そうですけど、明らかにロボットが動く金属反応とは、違うわ。オーロラでは、地下坑道にいた機能停止状態のジスカルド・レヴェントロフ様を感じられなくて、悔しい思いをしたので、今度は失敗しちゃいけないと思ってね、サーヴェイ能力を別な波長に切り替えたんです。

ミーター 別な波長で?どこまでお前の能力は凄いんだ!
 ところで、その「人間のような」というのは、どういう意味なんだ?

イルミナ そうね、なんキロも離れたテリトリーに分散されてはいるものの、同じ反応なのです。
 性染色体が通常の人間の染色体と違うのよ。
 いうなれば、XXY という異形染色体ね。「反陰陽」と呼ぶことも可能ですね。

ミーター なんだって、人間もある生物のように「両性具有」ってあるのか?

イルミナ そうとしか考えられない反応なんです、ミーターさん。「宇宙は広い、神秘で溢れてる!」ってことでしょうか?

ミーター なにギャグ、言ってんだか!そんな場合じゃ、ないぞ、イルミナ。

イルミナ そうでした。ごめんなさい。

そうね、明らかに両性具有って、性分化疾患では、ないわね。雌雄同体と同じことなんですから。ある種の植物や動物にみられる進化変化ということですね。
 ところで、どうされるんです、ボス?この惑星に降りられんですか?
 おそらく、ガール・ドーニックは降りて、彼らと直面したんだわ。勇気があったんですね!

ミーター 今考えている最中だ。
 それにしても、お前のその表現、気に食わないなあ。俺が勇気がないとバカにしているようにしか聴こえないけど。

イルミナ ごめんなさい。誤解しないでください。それはあくまでもガール・ドーニックの判断・行動への評価にしか過ぎない言い方で...

ミーター まあ、いい。イルミナ、その彼らに会ったら、地球についての情報が得られるか、どうか思案しているんだ。哲学的に。

イルミナ 心理歴史学的に、ですね!素晴らしい発想ですわ。そう来なくちゃ!

ミーター 今、ミュールのことを考えていた。ミュールとの相違と言ってもいい。

イルミナ なるほどね、ミーター教授。ミュータントの意味のことですね。ガールが追時した微細心理歴史学ですね!宇宙の神秘には、宇宙自体の構造的発展、単にプラス・マイナスを超えた視野から、もう一歩先の観点から見ないといけない、という、あれね!「宇宙潮流の地政学」!

ミーター まさしく、流石、学習するイルミショナー!

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