ニールセン「10ヒューリスティックス」とシュナイダーマン「8つの黄金律」を見比べてみる
ヒューリスティック評価で使うガイドライン、有名なのが2つあるけどどう違うのか気になったので並べてみました。1985年に8つの黄金律の初版が出た後、ニールセン他によっていろいろ拡張されていったんですね。
中身見た感じだいたい同じようなこと言ってるのでは系をくくるとこんなかんじかしらん。ニールセンの「2. 実際の利用環境に適合したシステム」とか良いルールですよね。「8. 最小限で、美しいデザインにする」の、優先度によって視認性に傾斜かけようっていうのも。
10ヒューリスティックス
1. システムの状態がわかるようにする(Visibility of system status)
システムの状態を絶えず適切にユーザにフィードバックする。
2. 実際の利用環境に適合したシステムを作る(Match between system and the real world)
専門用語や社内用語でなく、ユーザが本当に使っていることばを使う。
3. ユーザーに操作の主導権と自由度を与える(User control and freedom)
ユーザがいつでも状況から抜け出せる出口を提供する。操作のキャンセル、やり直しができるようにしておく。
4. 一貫性を保ち標準に倣う(Consistency and standards)
同じことを表すのに異なる用語を使わない。同じように操作すれば同じ結果が得られることを保証する。
5. エラーを防止する(Error prevention)
エラー後の対応策の充実よりも、エラーの発生そのものを防止する。
6. 記憶しなくても、見ればわかるようにデザインする(Recognition rather than recall)
ユーザに記憶を強要しない。選択肢を提示する。
7. 柔軟性と効率性を持たせる(Flexibility and efficiency of use)
上級ユーザ向けにショートカット機能やカスタマイズ機能を提供する。
8. 最小限で、美しいデザインにする(Aesthetic and minimalist design)
インターフェースに無駄な要素を詰め込まない。必要最小限に整える。
9. ユーザによるエラー認識、診断、回復をサポートする(Help users recognize, diagnose, and recover from errors)
エラー時、ユーザがエラーメッセージを頼りに問題を解決できるようにする。
10. ヘルプや説明文書を用意する(Help and documentation)
マニュアルなしで使えるようデザインした上で、補助のためのコンテンツを用意する。
8つの黄金律
1. 一貫性を持たせる(Strive for consistency.)
用語、色、レイアウト、フォントなどを一貫して使う。
2. 誰にでも使いやすく(Seek universal usability.)
初心者には説明を、熟練ユーザにはショートカットなどを提供する。
3. 有益なフィードバックを提供する(Offer informative feedback.)
すべての操作に対してフィードバックを提供する。
4. 処理の完了を知らせる(Design dialogs to yield closure.)
一連の処理を設計し、処理を完了したことをユーザーがわかるようにする。
5. エラーを防止する(Prevent errors.)
エラーの発生を防止する。エラーの場合は回復方法を具体的に指示する。
6. 操作のやり直しができるようにする(Permit easy reversal of actions.)
可能な限り、アクションは可逆的にする。
7. システムはユーザーの制御下におく(Keep users in control.)
ユーザーがシステムを思い通りに動かせると感じられるようにする。
8. 短期記憶の負担を減らす(Reduce short-term memory load.)
ユーザに記憶を強要しない。選択肢を提示する。
参考資料
安藤昌也. UXデザインの教科書. 丸善出版, 2016年
樽本徹也. ユーザビリティエンジニアリング(第2版)ーユーザエクスペリエンスのための調査、設計、評価手法ー. オーム社, 2014年
"UIデザインにおける8つの黄金律について考えてみた〜【前編】". https://aimstogeek.hatenablog.com/entry/2018/04/27/093520
"UIデザインにおける8つの黄金律について考えてみた〜【後編】". https://aimstogeek.hatenablog.com/entry/2018/11/16/172819
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