討ち入り

さても極月十四日夜討ちの勝負は
兼ねての計略討ち立つ時刻丑三つの
軒の棟木に消え残る雪の明かりが味方松明
鎖かたびら身を固め
こてすね当ては覚えの手の内
しころ頭巾な頭にいただき
皆一様のいでたちにて
地黒のはんてんだんだら筋
白き木綿の袖印
白山足袋に武者わらじ銀の短冊襟につけ
表に浅野内匠頭家来何のなにがし行年何歳
君恩のために討ち死にとしたためたるを
各々背中に結ぱりつけ
投げ鎌投げ槍縄ばしご半弓薙刀管槍手槍
中にも大高源五殿得てたる掛矢ひきざけて
一時にどっとばかりに討ち入ったり

若手は矢頭右衛門七殿村松吉田を一番に
二番は岡島不破小野寺続く三番が原杉野
間磯貝倉橋早水四番に混じり七人組
奥田前原矢田木村もの数ならぬこの寺坂と
一時に二十三人がどっとばかりに討ち入ったり

またからめての大将は大石力殿後見小野寺十内殿
采配とって下知なせば間兄弟菅野堀部老人なれど
きかぬ金丸勝田大石瀬左衛門劣らじ負けじと死力の勇戦続いて寄せ来る潮田貝賀片岡神崎与五郎殿

福岡県北九州市八幡西区長崎街九−十八折尾の片隅にあった小さなライブハウスブラックホール大将二宮勝助をいつまでも胸に日々終わっていく日々を討ち入りにいけ


日々終わっていく日々を討ち入りにいけ
日々変わっていく日々を討ち入りにいけ

しっくりこない言葉たちを繋ぎ合わせて
錆びついてしまった言葉たちを研ぎ澄ませて
日々終わっていく日々を討ち入りにいけ

日々臭くなっていく脇のにおい
日々増えていく頭の白髪
日々広くなっていく顔のおでこ
どんなに自分から目を背けてみてもこんなに近くにいるやつなんていなかったよ
どんなに自分を遠ざけてみても無様な影だけはどこまでもついてくる
どんなにしっくりこない自分であっても自分であることにかわりはなく日々終わっていく日々の中になにかを探し日々終わっていく日々の中に歌を見つける

少しづつ変わっていく街並みはどこか知らん顔しているのさ
どこの駅で降りてもおんなじ様な顔をして街はまるでラーメンの汁の中
まんまるい満月もやがて形を変え舌を出してはなにもできないぼくをあざ笑う
どんなにしっくりこない自分であっても自分であることに変わりはなく日々変わっていく日々の中になにかを探し日々変わっていく日々の中に歌を見つける

しっくりこない言葉たちを繋ぎ合わせて
錆びついたしまった言葉たちを研ぎ澄ませて
日々変わっていく日々を討ち入りにいけ

頭はひとつも回っていないまま人生という名のスロットマシーンは周り続ける
足りない頭をぶん回してそれでもなにかを吐き出そう
はした金しか持ってないからせめて自分に賭けてみよう
生い立ちや生きてきた証や建前や本音や死にたくなる夜捨てるところなんかひとつもないのさ
すべて歌に変えてやるのさ

しっくりこない言葉たちを繋ぎ合わせて
錆びついてしまった言葉たちを研ぎ澄ませて
日々終わっていく日々を歌にしていく
日々変わっていく日々を歌にしていく


日々終わっていく日々を
討ち入りにいけ

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