訳あって2丁目のママになりました
お久しぶりの記事がざわつくタイトルとなりましたが、事情があってそういうことをやりました。
今回はそんなヘンなおはなしです。
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とある日の昼下がりのこと。
僕はいつものように家で堅あげポテトを食べながらヘラヘラとしていました。
そんな時、電話が鳴ります。
相手は、僕が長年アルバイトをさせて頂いている会社の社長からでした。
「お疲れ様!今日明日のスケジュールを教えてくれないか?」
そう聞かれたので僕は
「今日はこのあと20時ごろまで仕事で、明日は夕方から予定があります」
と伝えました。
するとその後社長が
「なるほど、わかった!じゃあ今日2丁目の店で働いてくれ!時間は21時〜5時で!」
なるほど、わかった!じゃあ今日2丁目の店で働いてくれ!時間は21時〜5時で!
だと?
僕はどういうことなのかまだよく理解できていません。ほいで21時〜5時て。長過ぎるだろ。
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ここで説明をします。
僕が長年アルバイトをしている会社は、様々な業種のお店をやっています。例えば音楽スタジオとかライブハウスなども経営していました。
その中のひとつのスタジオで僕はアルバイトをしています。
そこで先日、新宿2丁目にMIXバー(同性愛者の人も居ればドラァグクイーンや女装家の人、女性や男性も居るお店のこと)をオープンさせたのですが、そこのママが諸事情でお休みになり人手が足りなくなってしまったので、代わりに僕に出勤してほしい。ということがひとまずの流れとなります。
それを聞かされて僕はまず
おもしろそうじゃん?
と思いました。
僕は水商売の経験も多少なりともありますし、なにより知らない世界の話を聞くことができるというのは良い経験になるのでは?と考え、ふたつ返事で了承しました。
すると社長は
「助かる!ちょっと緊急事態だから、とりあえず仕事終わったらお店に来てくれ。そこで詳細は話すから。よろしく!」
と電話を終えました。
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夕方になり仕事の時間。現場に着いて相方に、かくかくしかじかでママの代わりにこの後2丁目で働くことになったんだよねと伝えたところ
「えっ?2丁目でママやるってこと?」
と言われました。
この瞬間にいつの間にか
2丁目のママデビューすることになったノンケの男が爆誕しました。
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仕事が終わり、僕はお店に向かいます。そこには社長と店長が居ました。社長は
「お疲れさん!悪いね急に。まぁそういうことだからあとはよろしく頼んだ!」
と、どういうことなのかさっぱりわからないままよろしく頼まれてしまいました。
その後、店長から卓番やお店のシステム、物のある場所などの説明を受けている時、後ろに気配を感じました。
振り返るとそこにはギラギラに着飾ってバッチバチに化粧をした人が立っていました。
「あら、今日働いてくれる人?」
振り返るとこんな人が居ました
「ありがと〜助かるわぁ〜よろしくお願いします。ミス・ポセイドンです」
その方はミス・ポセイドンというお名前でドラァグクイーンをしている方でした。
初めて目の当たりにするドラァグクイーンの姿に僕は完全に圧倒されてしまいました。なんてったってこの方2m近い超巨体なのですから。
「初めまして、岩橋です。本日よろしくお願いします!」
と挨拶をさせていただきました。すると
「岩橋?なんか覚えづらいわね。下の名前は?あつし?じゃああっちゃんにしましょ」
と湯婆婆よろしくかのように僕は名前を奪われてしまいました。
そしてミス・ポセイドンさんは続けます。
「あっちゃんはノンケなんでしょ?大丈夫大丈夫、普通に楽しくお客様とお喋りしてくれればOKだから」
と不安をそっと解消してくれるミス・ポセイドンさんでしたが
「でもあれね?営業終わり個人的に身体検査はするからよろしくネ☆」
と冗談なのかなんなのかわからないことを言われ僕は
「ちょっと待ってくださいよ〜!」と芸人だけに許される伝家の宝刀を抜きました。
ですが
「返事はイエスorハイだから」
と真っ直ぐな目で僕を見つめながら言います。
僕はいつの間にか選択する権利すら無くなっていました。
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そんなこんなすったもんだしている間にお店はオープン。お客様が1組、また1組と来店されます。
僕は席に着いて一緒に接客をさせていただきました。
ミス・ポセイドンさんからお客さまに
「今日働いてくれてるあっちゃん。ノンケだからよろしくね」
とご紹介されます。するとお客様は
「え!?ノンケなんですか?珍しいですねこういうところで働いてるのって」
と大体の方に驚かれます。そりゃそうですよね。実際僕もこんなことになって驚いています。
訪れるお客様は年齢も様々、性別も様々。ゲイもいればジェンダーも居ます。なんなら僕みたいなストレートな人間の方が少ない空間です。
そこでの話がとても面白いです。そもそもみなさんの会話術が凄すぎますし、知らない世界の話がどんどこ飛び出してきます。
ケツの穴のほぐし方5段活用の話とか
自分のぽこ〇んの型を取って作るディルドのキットの話とか
おもしろ興味深トークの連続で、お客様を楽しませるより僕自身が楽しんでしまっていました。
もちろんそれだけではなく、悩みを聞いて欲しいと来店する方。とりあえずイエーイ!と楽しみたい方と来店の理由も様々。それを素直に聞いて時には話をして、時には一緒に楽しんでという時間を過ごしました。
そして気がつくと閉店の時間。
店長からは
「ありがとうございました!本当に助かりました!」と言われ
ミス・ポセイドンさんからは
「あたしはどっちもイケるけどあっちゃんどっちがいい??」
とまた真っ直ぐな目で言われました。
僕は目を合わせたまま後退りでお疲れ様でした〜と帰路につきました。
熊と遭遇したときと同じ逃げ方ですね
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とんでもなく疲れたけど楽しかったなぁなんて思いながら電車に揺られて気がつくと僕は
高尾山に居ました
どうやら電車で寝過ごしたらしくかなり遠くまで運ばれてしまっていたみたいです。
翌日は絶好調の二日酔いでした。
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ということでいかがでしたでしょうか?
読んでいて気付いたかと思いますが、別にママをやれと言われた訳ではなく、単純にヘルプとしてお手伝いに行かされただけです。
ですが普通では経験できないこと、お話を沢山聞くことができました。マジで糧。
興味がありましたら新宿2丁目に遊びに行ってみてください。
次回もお楽しみに
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