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決算書を読むのが苦手な私が債務超過の企業の融資支援をした話

こんばんは。
コロナ融資の返済も始まり、資金繰りの話題を見かけるようになりました。
そこで今日は決算書を読むのが苦手だった私が、債務超過先の企業を支援した話を書きます。決算書を読むのが苦手、だけど融資支援をしなければいけない人に参考になるかも…?な内容です。
※事実に即していますが、フィクションを織り交ぜて書いています。
 また、記事のわかりやすさの観点から厳密性に欠けるところがあります。

1.相談の経緯

とある社長さんから、融資に関する相談を受けました。
大きなプロジェクトの受注が決まりそうとのことでした。
ただ、プロジェクトは長期間にわたること、多くの人員や支出が必要なこと、入金はプロジェクト終了後となるため、売上よりも先にどんどんお金が出ていきます。
そこで運転資金を確保したいとのことでした。

2.大幅な債務超過

早速決算書を預かって見てみると、頭を抱えるほどの大幅な債務超過でした。正直なところ、経営体制に問題がないとはいいづらい状況であり、仮にこのプロジェクトを受注しても会社にとってプラスになるか自信がありませんでした。
一旦、「こちらの内容では難しいです」とお伝えしたのですが、
「このプロジェクトをなんとしても成功させたい、社運をかけている、どうか融資を受けられるように協力してほしい」とお願いをされました。
正直、結構大変な案件になってしまったのでは…と思いながら、足りない知恵を絞って考えてみることにしました。

3.融資に向けて準備したこと

①プロジェクトの事業性を調べる

社長さんにお願いして、プロジェクトの計画書と受注予定額の書かれた契約書案をもらいました。売上や利益だけでなく、そのプロジェクト自体に事業性があるのか、定量的な効果が見込めるかを確認しました。このプロジェクトが計画通り上手く行けば、会社にとってもプラスになりそうなことがわかりました。

②キャッシュフローを把握する

次に、資金繰り、キャッシュフローの計算です。
入ってくるお金と出ていくお金の額を調べました。
現在進行中のプロジェクト一覧表から入金予定を、月別の試算表や過去の決算実績から出金予定額を算出しました。その結果、必要な融資額をざっと算出することができました。

③改善できることがないか見直す

主に経費削減の観点から、改善策をいくつか出しました。

4.いざ金融機関へ→融資承諾

融資に申し込む前に面談をすることにしました。
私はヒアリングしたことや調査内容を資料としてまとめ、社長さんと一緒に金融機関に赴きました。面談では、プロジェクトに対する熱意や事業性、資金繰りについての考えなどをプレゼンしました。その結果、金融機関の方から、「経営改善に取り組んでもらうことを条件に協力したい」との回答をいただきました。
その後、今後の具体的な改善案を報告した後、正式に融資の申し込みを行い、無事に希望通りの額を融資してもらえました。
いや、本当よかった…。
社長さんからは何度もお礼の言葉をいただきました。

5.学んだこととその会社のその後

  • 決算書がボロボロでもなんとかなる

  • 熱意は伝わる

  • なぜ、融資が必要なのかを説明できるようにすることの大切さ

  • きちんと資料をつくることが大事

  • 審査に回す前に、審査担当者に相談してみる

  • (一度審査で否認されると、再度申し込んでも審査が通りにくいようです)

  • 金融機関は財務内容以外で改善できるポイントを教えてくれる。積極的に相談すべし。

ちなみにその会社さんですが、その後堅調に成長し、別地域に新たな拠点を設けました。自分のことのように嬉しかったです。私も少しは会社の成長に貢献できていたらいいなあ。

さらっと書いていますが、めちゃくちゃ大変でした…。
(結構な頻度で会社に行ったので、社員さんが私のことを顔パスで通してくれるようになりました)
また、決算書を読むのが苦手でも、経験が少なくても支援できることはあるんだなと感じました。これからも頑張る企業を応援できるよう、私も精進していきます!
それでは失礼します。

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