TOEIC800点突破のピラミッド-Listening編-
本記事を手に取ってくださってありがとうございます!
本記事では、世界で最もメジャーな英語資格の一つである、TOEICの攻略方法について説明していきます。記事は全文無料で読めますが、筆者にコーヒーを奢りたいという風変わりかつ優しい方がいれば、必要に応じて500円をお支払いください。
はじめに(読み飛ばし可能)
本記事では、TOEICにおいて、最小の努力で最大の成果を出すための方法を説明していくわけですが、記事作成における前提条件や、筆者が留意していることをお伝えしておきます。
1.今のスコアに関係なくTOEIC800点は突破できる
前提条件として、現在のTOEICスコアにかかわらず本記事の方法を実践すればTOEIC800点は十分達成可能です。つまり、本記事の対象読者はTOEICで800点を達成したい方々全員ということになります。現在のスコアは全く関係ありません。
340点なんて全部適当にマークしても取得できるレベルの点数なんですが、ここから3~4か月の学習を通して800点を突破することができたので、現在のスコアにかかわらず800点を突破することは誰にでも可能であることを胸に刻んでください。
2.玉虫色の情報に価値はない
筆者が本記事を執筆するにあたって、玉虫色の情報に価値はないことを強く意識し、そのような発信をしないように留意しています。
玉虫色の情報とは例えば、
「TOEIC受験に際して、語彙力強化に先に取り組むのか、文法力強化に先に取り組むのかは人それぞれです。それぞれの選択肢にメリットとデメリットがあるため必要に応じて自分に合う方を選択してください。」
のような、すべての人々に当てはまる何の示唆にも富んでいない情報です。
このような類の情報発信は様々な場所で散見されます。ところがこれは結局、自分のスタンスを明確にとることによって発生する反対意見を恐れてリスクから逃げている発信でしかありません。読者にとってはこの上なく無意味なものです。
本記事では、一定数の反対意見が発生するリスクを許容して、あらゆる内容について自分のスタンスを明確にとります。
何よりも読者の皆様への価値提供にコミットした内容になっておりますので、少々長いですが最後までご覧ください。
3.優先順位のついていない情報に価値はない
もう一つ筆者が執筆に際して留意していることとして、優先順位のついていない情報に価値はない、ということが挙げられます。
現代は大変恵まれた時代で、インターネット上には無料の情報があふれています。TOEICに関してもGoogle検索でたどっていけば良質な情報にたどり着いて一定の成果を上げられそうな気がします。
しかしながら、そこら中に転がっている無料の情報には情報の優先順位がありません。情報がありすぎて、いったい何から手を付ければよいのか全く分からない状況です。
本記事ではそのような困った状況を回避するために、情報の優先順位を明確に優先順位付けし、ピラミッド形式でLevel1~Level3に分類しています。
数字が小さいほど重要度が高く、Level1をクリアしていない場合Level2に手を付けることは禁止です。
このような明確な優先順位付けによって、読者の皆様は迷うことなく学習計画を立てることができます。
4.TOEICとは?
本記事における前提条件を確認したところで、そもそもTOEICとは何か?についても触れておきましょう。知っている方は読み飛ばしてください。
TOEICとは”Test of English for International Communication”の略で、ビジネスなどで使用される英語のコミュニケーション能力を測定するための試験です。
英語系資格において世界的に最も認知度の高い試験として知られており、就活市場や転職市場でも重要視されています。
試験はListening PartとReading Partの2つに分かれていて、各Part495点満点、合計990点満点の試験です。
試験時間はListening Part約45分、Reading Part約75分の計120分とかなり長めですが、それでも時間が足りなくなる試験としてかなり有名です。
TOEIC受験者全体の平均スコアは約600点で、本記事で目標としている800点は、全受験者の上位15%程度のスコアであることがわかります。
普通の人々に比べて英語に対する関心がずっと高いと考えられるTOEIC受験者という集合の中で、さらに上位15%を狙おうとしているということを読者の皆様は認識してください。
こう聞くとTOEIC800点という壁が少々高く感じられる方もいらっしゃるかと思いますが、本記事で説明する内容に愚直に取り組めば誰でも突破することが可能です。
5.TOEIC800点突破に必要な勉強時間
TOEICという試験の概要がわかったところで、800点を突破するために必要な勉強時間において触れておきましょう。
下の図は、オックスフォード大学が発行した資料に掲載されていた表に基づいて筆者が作成したものです。
表の見方としては、まず縦列に記載されている数字の中から現在のスコアを選択し、横行の中から目標とするスコアを選択します。今回は、現在350点/目標850点として計算しています。それらが交差している表内の数値(1,225時間)が必要とされる勉強時間です。
……………………..….多い!!!あまりにも勉強時間が多すぎる!!!
日々、学生生活や仕事で忙しい読者の皆様には到底捻出できない時間だと思います。
ということで、こんな無謀なことが記載されている表は完全に無視してしまいましょう。いいんですいいんです。忙しい皆さんは月75時間~100時間の勉強時間、3~4か月の学習期間でサクッと800点突破を目指しましょう。
すべては本記事と別冊の「TOEIC800点突破のピラミッド-Reading編-(いつか書きます)」に記載しています。
TOEIC800点突破のピラミッド-Listening編-
ここからは、メインコンテンツであるTOEIC800点突破までの道筋、Listening編をお伝えしていきます。本記事ではTOEICのListeningについて、TOEIC全体で800点を突破できるレベルにまで引き上げることを目的としています。
TOEICで800点を突破するためには、Listeningで400点~450点を取得、それに対してReadingで400点~350点を取得することが必要となります。TOEICではReadingよりもListeningの方が簡単だといわれることが一般的で、筆者も下図のような内訳で800点を達成しました。
本記事でお伝えする内容に対して愚直に取り組んでいただければ、最低でもListeningは400点を越え、調子が良ければ450点取得も夢ではないと考えています。記事の内容をしっかり腹落ちさせて、学習を進めていきましょう。
なお、これから先の内容を読み進めるにあたって、必ず守っていただきたいことが1点だけあります。それは、必ず最も低いLevelの内容から極め、極め終わってから次のLevelの内容に手を付けるいうことです。Level1.語彙力を極めていないにも関わらずLevel.2 Listening力に取り組むのは禁止です。Level.3についても同様です。
本記事では、TOEIC Listeningパートのスコアを戦略的に伸ばすために、学習の順序を明確に定めています。ここでいう戦略とは、物事の優先順位を明確に決定し、その順位を徹底的に守り抜くことです。
優先順位をつけて学習を進めることによって読者の皆様は、膨大なTOEIC関連情報の海を正しい方向に、正しいフォームで泳ぐことが可能になります。最小の努力で最大の成果を出すために、この点は必ず順守してください。
Level.1 語彙力
800点突破の第一歩として、最も根源的に必要となる能力は語彙力です。当たり前ですが、いくら文法を理解して聞こえてくる英語の内容を知覚していても、単語の意味が解らなければスコアを上げることは不可能になります。
逆に、いくら文法の知識がめちゃくちゃであっても、全英単語の意味が理解できていれば、それなりにスコアをとることが可能です。例えば下記の例を確認してみましょう。これはフィンランドで約10,000人に話されているロマ語という言語です。
読者の皆様はこの言語に対して予備知識は全くないと思いますが、それぞれの英単語の意味さえわかれば日本語訳を醸成できると思います。
この画像から察するにロマ語の文法は英語と大差なく、少々理解しやすい部分もありますが、初めて触れる言語でさえも語彙力さえあれば大半は理解できてしまいます。筆者が何よりも先に語彙力を極めることを推している理由はここにあります。
語彙力の重要性が理解できたところで、800点突破において必要な参考書を購入してください。必要な単語帳は下記2冊です。購入しても筆者にお金が入ること等ありませんのでご安心ください。
上記2冊の英単語帳はTOEIC頻出語彙の80%程度(筆者の感覚です)を網羅していて、これらの単語帳なくして今日のTOEIC学習はままなりません。
語彙力強化の道筋としては、まず銀のフレーズ(以下:銀フレ)を極めることで頻出語彙のうち50%程度を網羅、その後金のフレーズ(以下:金フレ)を極めることで80%までを網羅、その後は良質な模擬試験を解き続けることで限りなく100%に近づけていくという順序です。
ではここからは、実際に銀フレや金フレをどのように極めていくのか解説していきます。まず初めに行うことは、銀フレに掲載されているすべての単語に目を通し、意味が解らなかった単語にはチェックを付けていく作業です。
上図のように、右ページに記載の日本語部分を隠し、上から英単語だけを確認していきます。英単語をみて日本語訳が分かれば特に何もしなくていいのですが、英単語を見て日本語訳が瞬時に出てこなければ左ページにレ点を入れます。左ページに記載の日本語分と虫食いの英文は現段階では特に見る必要はありません。
このような作業を、まずは銀フレで行います。銀フレには1,000語を超える英単語が収録されていますが、このレ点記入作業をすべての英単語に行います。
すべての作業を一度に行おうとすると2時間ほどで完了するかと思いますが、英単語だけを確認し続ける2時間は思いのほか消費カロリーの大きなものです。適当に休憩をとりながら、愚直にレ点を記入していきましょう。
銀フレに収録されているすべての英単語にレ点を記入したら2周目に突入です。2周目では、もう一度初めから単語を確認していきます。しかしながら、1周目と同じようにすべての単語を確認する必要はありません。1周目の時に意味が解らずレ点を付した単語のみを確認すればOKです。
下図のように右ページに記載の日本語部分を隠し、上から英単語だけを確認していきます。英単語を見て意味が分かった場合は左ページに付していたレ点を消去します。銀フレ2周目として、この作業をレ点が付されているすべての英単語に行います。
以降、3周目、4周目、5周目と同様の作業を行って、銀フレに付されているレ点をどんどん減らしていきます。そしてレ点がすべて消えた時、銀フレを極めたといえるのです!!…と言いたいところですが、これではまだ極めたとは言えません。
レ点がすべて消えたら、もう一度1周目で行ったように1からすべての英単語に目を通し、わからない単語が新たにできていないか確認を行います。当然ここで意味が瞬時に出てこない場合はレ点復活です。
このように、1周目のレ点記入作業と2周目以降のレ点消去作業を何度か繰り返し、銀フレにレ点を付与する必要がなくなった時“銀フレを極めた”といえる状態になるのです。
銀フレを極めた後は金フレを極めていきます。金フレのレイアウトは当然銀フレと同じですので、取り組み方は全く同じです。
まず1周目としてすべての英単語に目を通し、意味が瞬時に出てこない単語にはレ点を記入。2周目以降はレ点が記入されている英単語にのみ目を通し、意味が分かればレ点を消去。
1周目のレ点記入作業と2周目以降のレ点消去作業を何度か繰り返し、金フレにレ点を付与する必要がなくなった時“金フレを極めた”といえるでしょう。
銀フレと金フレを極めた読者の皆様は、これからお伝えするLevel.2 Level.3の内容に進んでいただいて構いませんが、スキマ時間で英単語の無料音声学習を通して語彙力のメンテナンスを行いましょう。
方法は簡単で、下記アプリをダウンロードして会員登録をした後、画像の通りの手順を踏めば無料で銀フレや金フレに掲載されている英単語の音声学習をすることが可能です。
ここまで徹底的に語彙力を極めた方々は、次のLevelに進むことが可能です。何度も言いますが、Level.1である語彙力を極めていない場合次のLevelに進むことは禁止です。皆様の学習順序を明確にし、迷わないためにもこれだけは守ってください。
Level.2 Listening力
Level.1語彙力を極めた皆様がTOEIC800点突破に向けて次に行うべきことはListening力の向上です。語彙力が極められていても、Listening力すなわち聞こえてくる英語を文章として理解する能力がないとスコアを上げることは難しくなります。
もちろん、語彙力が全くない方がListening力だけを極めた場合に比べるとスコアはとりやすいです。語彙力をLevel.1に据えている理由はここにあります。
語彙力ほどの重要性はないものの、Listeningパートでスコアを上げるためにListening力は当然重要ですから、その鍛え方をここからは説明していきます。必ず語彙力を極めた状態で取り組んでください。
Listening能力を鍛えるために必要な学習手順は下記の通りです。
公式問題集のListeningパートを解く
徹底的にシャドーイング
まずは必要物資の購入からです。適切な武器がないと戦では勝てません。下記リンクからTOEIC公式問題集を購入してください。できるだけ最新のものがよく、本記事作成時点ではバージョン10が最新でした。例によって、購入によって筆者にお金が入ることはありません。
公式問題集を購入したら、実際に問題を解いてみてください。問題を解く際は、可能な限り本番と近い状況を作って解くことが重要です。具体的には、制限時間2時間を時計で測り、Listeningパートを解くときはイヤホンを使用せずスマホから音声を流します。スマホからListening音声を流す際も、前述のabceedから流すことが可能です。
………………はい解きましたね?お疲れ様でした!!!慣れていない中でListeningパートをおよそ45分間も解き続けることはかなりの苦行だったと思います。
ここで皆様の努力を打ち砕くことを恐れずに述べようと思いますが、問題を解くことはスコア向上に何も貢献をしません。むしろここからが本番になります。
これから皆様は徹底的なシャドーイングという更なる苦行を経験することになります。これはもう地獄です。でもやってください。地獄に落ちてください。
シャドーイングとは、Listeningの問題で使用されていた音声を聞きながら、リアルタイムで音声と全く同じ発音を行うトレーニングです。音声に対して影のようについていきながら発音をする点で、シャドーイングという名前がついています。
やってみるとわかるのですが、このトレーニングは大変負荷の高いものです。しかしながら、Listening力向上にはこのトレーニング以外する必要はないといっても過言ではなく、筆者もシャドーイングだけで本番に臨み440点/495点(得点率88%)を取得しています。
具体的なシャドーイングの方法ですが、方法自体は極めてシンプルです。例えば、スマホから“Thanks for listening to the podcast Best in Business.~~”という英語が流れてきたら、それについていくように、まったく同じように“Thanks for listening to the podcast Best in Business.~~”を発音します。
過去形や完了形の“ed”、複数形の”s”、冠詞(a,the)、前置詞(to,for,with等)も聞き逃してはいけません。音声と全く同じの完璧な発音を目指して、同じ文面を何度でもシャドーイングしていきます。これが本当に地獄です。
また、一つ重要なこととして、公式問題集の中で遭遇した知らなかった英単語はノートを準備して書き留めておくことをおすすめします。前述の通り、銀フレや金フレに取り組んだだけではTOEIC頻出語彙のうち80%ほどしか網羅していないと筆者は考えています。
残りの20%については、公式問題集を通して模擬試験を受け続け、その過程で遭遇した知らなかった単語を自分の中で蓄積しておくことでクリアにしていきます。ノートに書き留める際は、下画像のようにチェックボックス・単語・意味の順に記載します。
このように作成したら、銀フレ/金フレを極めた時と同じように日本語訳を隠して英単語を一つ一つ確認、意味が瞬時に思い浮かばないものについてはレ点を付与します。
2周目に取り組む際にはレ点がついている単語のみ確認すればOKです。銀フレ/金フレを極めた時と同様、レ点が付与された英単語を一つ一つ確認、意味が瞬時に頭に思い浮かぶものについてはレ点を消去します。
1周目のレ点記入作業と2周目以降のレ点消去作業を何度か繰り返し、ノートにレ点を付与する必要がなくなった時“このノートを極めた”といえるでしょう。
話を戻します。このLevelではシャドーイングを徹底的に行い、Listening力を極めることが最重要目標です。Part1(写真説明問題)、Part2(会話返答問題)は文章量が少なく、楽にシャドーイングができるのですが、Part3(対話問題)、Part4(長文説明問題)になると文章量がグッと上がり、何度もくじけそうになります。
しかしながら、シャドーイングは皆様のListening力を向上させるための最短ルートですから、だまされたと思って繰り返し取り組んでください。血の池地獄を何往復も泳いでください。バタフライで。
本記事の内容でシャドーイングの方法に疑問がある場合は、Google検索すれば様々な方法が出てくるでしょう。シャドーイングはシンプルゆえ、どの情報を参照しても大きな違いはありません。とにかく公式問題集の音声と比べて完璧な発音ができるよう、徹底的なシャドーイングにコミットしましょう。
Listening力については、公式問題集1冊に収録されている2題のListeningパートの全文について完璧なシャドーイングができるようになった時点で”極めた状態“とします。
なお、次の”Level.3 試験への慣れ“を極める過程で公式問題集の問題を大量に解くことになりますが、その過程で大量のListening問題に遭遇しますから、それら全てをシャドーイングし、Listening力のメンテナンスと更なるアップグレードをしていきましょう。
Level.3 試験への慣れ
語彙力とListening力を極めた皆様は、Level.3として試験に慣れ、TOEIC Listeningパートの解き方を身に付けていきましょう。語彙力を極めていない方々はまずは語彙力を極めるところから、Listening力を極めていない方々はListening力を極めるところからやり直しです。この点は必ず守ってください。
なお、語彙力やListening力を極めた方々も、その能力が色あせないように定期的に単語帳を見返したりシャドーイング(以前取り組んだ文章でも十分効果があります)をしたりしてメンテナンスをし続ける必要がありますのでご注意ください。
本題である、TOEIC Readingパートの解き方ですが、そもそもTOEIC ReadingパートはPart1~Part4までに分かれます。これから、各Partの特徴と解き方を解説していきます。
まずはPart1についてです。Part1には、掲載されている写真についてA~Dの4つの英文が与えられ、その中から写真を効果的に説明しているものを選択するという特徴があります。
このパートについては、シャドーイングを徹底的に行い、Listening力を極めた皆様ならば自動的に満点が取れます。特に特別な攻略方法はありませんし、その必要もありませんので安心してください。
続いてPart2についてです。Part2には、5語~10語程度の英文(基本的に疑問文)が読まれ、それに対する適当な返答をA~Cの3択から選択するという特徴があります。例えば下記のような内容が読まれます(文面は問題用紙に記載されていません)。
Part2については、とにかく問題文の最初の単語に耳の神経を全集中させることで、高いスコアが見込めます。When?と来れば、About a month ago.などのタイミングを表す選択肢が正解になりますし、Why?と来れば、Because it stopped running.などの理由を表す選択肢が正解になります。
当然こんなに単純な問題ばかりではないですが、徹底的なシャドーイングを通してListening力を飛躍的に高めたうえで、問題文に全集中しておけば8~9割の正答は可能な範囲です。
続いてPart3についてです。Part3には、2~3人の対話を聞いてそれに関する3つの問題について、適当な選択肢をA~Dの4択から選択するという特徴があります。例えば下記のような内容が読まれます。
Part3については、他のPartと同様Listening力を極めておくことが当然必須ですが、それ以外にも問題の解き方にポイントがあります。
Part3開始時、まず試験内容の説明が30秒程度でアナウンスされます(青枠部分)。しかしこのアナウンスは全く聞く必要がなく、この30秒で私たちがしなければならないのは選択肢の先読み(赤枠部分)です。
選択肢をすべて理解した上で対話文を聞き、対話文のアナウンスが終了した段階で3つの選択肢をすべて選びきっていることが理想です。
上図のQ32~34について、対話文のアナウンスが終了したら、問題文のアナウンスが行われます(青枠部分)。このアナウンスにも30秒程度時間がかけられるのですが、対話文のアナウンスが終了している段階で問題は解き終わっているはずですから、この時間で私たちは再度選択肢の先読みを行います。
このようにPart3では、
①Part3の試験説明の間に選択肢の先読み
②対話文アナウンスの間に3問解き終える
③問題文アナウンスの間に次の選択肢の再読み
の手順を①→②⇔③と繰り返して解いていきます。
最後にPart4についてです。Part4には、1人が話す内容(アナウンサーによる報道、ビジネスプレゼンテーション等様々)を聞いてそれに関する3つの問題について、適当な選択肢をA~Dの4択から選択するという特徴があります。例えば下記のような内容が読まれます。
Part4は登場人物が一人になっただけで、出題形式や解き進め方はPart3と全く一緒です。
①Part4の試験説明の間に選択肢の先読み
②英文アナウンスの間に3問解き終える
③問題文アナウンスの間に次の選択肢の再読み
の手順を①→②⇔③と繰り返して解いていきます。
登場人物が少ない分、個人的にはPart4の方が難易度は低いように思います。
以上が、TOEIC Listening パートの全容とその対策や解き方です。
このチャプターで解説したことを強く意識しながら、公式問題集のListeningパートを解き、徹底的なシャドーイングを行い、それが完了したらまた新たな公式問題集を解く。というサイクルを繰り返すだけで、Listeningパートは軽く400点を超えてきます。
TOEIC800点突破のピラミッド-Reading編-
ここまではTOEIC Listeningパートの攻略法について説明をしてきましたが、ここからはReadingパートの攻略法をお伝えしていきます。繰り返しになりますが、本記事ではListeningパートとReadingパートを合わせて800点を突破できるレベルにまで引き上げることを目的としています。
TOEICで800点を突破するためには、Listeningで400点~450点を取得、それに対してReadingで400点~350点を取得することが必要となります。
本記事でお伝えする内容に対して愚直に取り組んでいただければ、最低でもReadingは350点を越え、調子が良ければ400点取得も夢ではないと考えています。記事の内容をしっかり腹落ちさせて、学習を進めていきましょう。
ここから説明する内容についても、Listening編と同様、必ず最も低いLevelの内容から極め、極め終わってから次のLevelの内容に手を付けてください。
「物事の優先順位を明確にし、その順位を徹底的に守り抜く」という戦略を愚直に守ってください。
Level.1 語彙力
Readingパートの点数を伸ばすために最も重要になる能力は語彙力です。この点はListeningパートと同様です。
どれだけ文法を理解して英文の構造を知覚しても、単語の意味が解らなければスコアを上げることは不可能になります。
逆に、いくら文法の知識がめちゃくちゃであっても、全英単語の意味が理解できていれば、それなりにスコアをとることが可能です。
語彙力の身に付け方はListening編のLevel.1で説明した内容と全く同じなので、本記事をご参照の上、まずは語彙力を極めてください。ここでの説明は省略します。
Level.2 Reading力
Level.1語彙力を極めた皆様がTOEIC800点突破に向けて次に行うべきことはReading力の向上です。語彙力が極められていても、Reading力がないとスコアを上げることは難しくなります。
では、Reading力とは具体的に何を指すのでしょうか?
筆者はReading力を下記2種類の能力であると定義していて、これらを鍛えることができれば800点を突破するポテンシャルが身に着くと考えています。
① 英語の文法に精通し、長文の構造を理解できる能力
② ①を瞬時に行える、速読力
ここでは、Reading力を構成する上記2種類の能力を徹底的に鍛えるトレーニング方法をお伝えします。
まずは必要物資の調達からです。
Reading力を鍛えるトレーニングでは下記2種類の参考書が必要になります。
まずは1冊目、通称「文法特急」からご紹介します。
TOEIC Readingパートは、Part5~Part7に分かれています。文法特急は主にPart5の正答率や解くスピードを上げるために使用する参考書になります。
全体の1/3しか対策できない参考書をなぜ買う必要があるんだ、と思われた方も多いでしょうが、TOEICにおいてPart5を解くスピードは極めて重要です。
まずはPart5の例題から見てみましょう。Part5は、10~20語からなる短い文章を読み、空欄に当てはまる単語を四択から選択する問題です。
Part5の解き方を知らない受験者は、与えられた文章を1から10まで読み込んで、丁寧に和訳までし、各選択肢を吟味しがちです。
ところが、Part5の解き方には様々なお作法があります。例えば下記のようなものです。
空欄部分の単語がなくても文章が成立するなら空欄部分は副詞
空欄後部の文章が完全な文章なので空欄部分は関係副詞
空欄後部に名詞があるので空欄部分は形容詞
空欄後部が句なら空欄部分は前置詞
空欄部分が節なら空欄部分は接続詞
空欄後部に目的語がないので受動態である可能性が高い
”ate”の3文字で終わる単語は動詞であることが多く、"ly"で終わる単語は副詞である
問題文よりも先に選択肢に目を通し、まずは品詞の違いを利用して答えを絞り込む
高校英語などでも学習した内容も多いですが、TOEICならではの作法も数多く存在します。このような作法を包括的に身に付けることのできる、絶対的な参考書として、文法特急があります。
Level.3 試験への慣れ
おわりに
本記事では、TOEICにおいて最小の努力で最大の成果を出すための方法を徹底解説しました。気づけばかなり長い内容になってしまいました。ここまで読んでくれる方はどれほどいるのかわかりませんが、少し書きたいことを書いて終わりにします。
筆者は昔から英語についてよい思い出が全くありませんでした。高校時代には英語表現のテストで100点満点中7点をとって学年360人の最下位をとりました。
先生からは職員室に来るよう言われました。さすがに怒鳴られるだろうなと思って、最下位という自分の罪を少しでも笑いに再生利用しようと思って、ボイスレコーダーをポケットに忍ばせて職員室に向かいました。
ところが職員室にいた先生はもはや怒りを通り越していたようで、筆者は優しくなだめられ、諭され、かえって心に来ました。イソップ物語のなかで太陽が北風に対して圧倒的勝利を飾った理由が誰よりもわかりました。ボイスレコーダーの音声は誰にも聞かせずにそっと消しました。
さすがに母親には怒鳴られるだろうと思って恐る恐るテスト結果を提出すると、母親にもなだめられ、諭されました。最下位に転落して心が冷え切っていた筆者の周りでは、皮肉にも複数の太陽が煌々と輝いていました。
大学時代に受けたTOEICでは常に300点台でした。英語の授業には比較的真面目に出席していて、先生からも好かれていた分、TOEICの成績がばれた時の呆れられ方といったらそれはもう悲惨でした。この先生は北風だったようです。確かに教室は少し寒かった。
そんな筆者でも、社会人で一念発起し累計3か月間本気で英語に取り組むことでTOEIC800点に到達することができました。自慢したいのではありません。TOEIC800点は誰にでも到達できるのだということを強調したいです。
この世には3種類の教科書があるといわれています。一つ目は聖書、二つ目はコーラン、三つめは本記事です。
本記事を閉じたその瞬間、必ず何かアクションを起こしてください。まずは銀フレを買うでもいい、TOEICの試験内容をもう少し知るために何かググるでもいい。
この記事を読んでいるその時がモチベーションのピークです。このタイミングで何もしなかった人々に、いったい何ができるというのでしょう。最後まで読んでくださるほど英語熱が高い読者の皆様には、どうかそんな人にはならないでほしい。
学年最下位からのリベンジ、TOEIC300点台からリベンジ、皆様にもできます。必ずできます。
読者の皆様の幸運を祈って、末筆とさせていただきます。
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