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市民憲章とSDGs

昨年の10月にリアルとオンラインのハイブリッドで開催された「市民憲章運動推進第55回全国大会・石垣大会」の報告書を読んだ。

中でも、日本貿易振興機構アジア経済研究所の上席主任調査研究員である佐藤寛(さとう・かん)氏の記念講演『SDGs時代の市民憲章の新たな役割』の講演内容はとても参考になった。(講演内容の全文を報告書に載せてくれた事務局さん、ありがとう。)

今は、猫も杓子もどこでもSDGsで、行政だけでなく学校や企業もSDGsを語らないと「何やってんの?」って言われかねないほどの”社会現象”化している。けれども、その意義や目的、内容であるとか、私たちの生活や普段の活動との関わり、地域の将来とどう関わっているかをきちんと理解している人はそう多くないかも知れないと思う。(環境を守ることがSDGsには良い、ペットボトルを使用する代わりにマイボトルを使う、割り箸の代わりにマイ箸を、みたいな断片的な知識や活動が大半かもしれない。)

そういった意味で、この佐藤氏の記念講演ではSDGsを根っこから理解するための話をとてもわかりやすくしてくださっている。私の場合、家庭人、地域住民、行政職員など、それぞれの立場(佐藤氏は「アクター」と呼んでいた。)でSDGsにどう向き合えば良いのかが比較的よく理解できた。

私なりのSDGsのポイントは、包摂性(インクルーシブ)であり”誰も取り残さない”という精神をどこまで実践できるかだと思う。Tシャツやサッカーボールの例で語られていたように、誰か又は何かの成功や繁栄の裏で「労働搾取」「児童労働」「環境破壊」などのネガティブなことが起きていて、とてもイヤな思いや辛い目に遭っている人がいる状況はありえないし、それを見過ごしたり見ないふりをするのは良くないということをみんながより認識しないといけなくなっている。いいね!というだけではダメで具体的に反応しないといけない。

少し話題を変えて、、、

石垣市では今から40年以上前、昭和52年に石垣市民憲章が制定されている。市内の学校の校庭には憲章板が置いてあるので見たことがある人も多いと思う。私は、平成30年と31年(令和元年)の2年間、役所で市民憲章推進協議会の事務局を務めさせていただいた。

石垣市民憲章は、前文と「一、私たちは、」で始まる例の4つの文章で、市民なら誰でも納得し共感できる内容だと思う。郷土づくりのための目指すべき規範として掲げられていて、石垣島(市)の地理的特性や優位性、歴史を踏まえつつ、豊かなまちづくりを実践するための大切な心得が網羅された名文だとも思う。

社会・歴史・自然・文化すべてに言及している石垣市民憲章は、記念講演で佐藤氏が話している通り、国連のSDGsの精神を体現していると思う。環境・社会・経済というSDGsの3本柱をきちんとカバーしているというのもその通りだ。

とは言え、SDGsも市民憲章も、いいことが書いてあるよね~で済ましたのでは、氏が言う「大胆な約束」は守れないので、一人一人の行動が大切になるのと、時間と空間を拡張して市民憲章をバージョンアップするためにも、アクター同士を取り結ぶ役割を、とりわけ行政が積極的に担う必要があるんじゃないか。

将来のまだ見ぬ子たちが私たち同様地球で安全に楽しく暮らせるようにするためには、大げさでもなんでもなく実は待ったなしの状況であり、ゆるいことをちまちましていては全然ダメなのかも知れない。

自分も社会も、大胆に変革(トランスフォーム)しなくては!

石垣市民憲章

#SDGs
#石垣市民憲章
#全国市民憲章運動推進協議会

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