見出し画像

Withコロナ時代の観光振興

新型コロナウイルスの影響で一変した仕事内容

観光セクションに異動してから早や7ヶ月が経ちました。ここまで1年の半分以上の仕事は、新型コロナウイルス感染症への対応に関するものがほとんどでした。

観光産業は、よその地域から入域する観光客が地元で消費するお金によって成り立つものなので、収入(観光収益)UPのためには多くの観光客を迎え入れなければなりません。なので、私たちのセクションの仕事は、従来は、観光誘客プロモーションや(観光客)受入基盤強化事業を軸に行われてきたところです。

一方で、新型コロナウイルス感染症は、いまだに世界各地で終息の兆しが見えませんが、この病気は、人から人に感染していくものなので、大勢の観光客を受け入れることは島内での感染拡大に懸念があり、当初は特に警戒が必要でした。したがって、今年度前半に限ると、従来行ってきた誘客や基盤強化は後回しにして、まず感染症対応を迫られることになりました。

緊急事態宣言〜来島自粛要請まで

今回、市長は、感染拡大防止策として緊急事態宣言を発令し、観光客に対しても、やむなく来島自粛を呼びかける異例の措置を取りました。このことによって、島内での感染拡大や医療体制の崩壊は防ぐことができましたが、観光客の入域がストップしたことによる地域経済全体への影響は想像以上に大きく、その悪影響は観光関連事業だけでなく、農林水産業や製造業関係など、幅広い分野にまで及び、石垣市の観光産業の裾野の広さを改めて知ると同時に、観光に極度に依存した一極型の経済構造だということを思い知らされる結果にもなりました。

その後は、緊急事態宣言明け後の6月1日以降、観光客の受け入れ再開を行い、水際対策と市中感染防止対策を講じながら、同時に他地域からのお客様を受け入れるという、感染防止と経済再開の両立を図るべく取り組んでいるところです。

感染防止と経済の両立

私の職場である観光文化課では、これまで、感染防止アート看板設置及びSNSによる拡散の取り組み、感染防止を施した新しい旅のかたちをアピールする啓発動画の作成と広告配信、来島する観光客に対して2週間以上前のオンライン事前登録と来島日前日に来島前の2週間における感染防止への配慮事項に関する宣誓をしてもらって発行する「あんしん島旅パスポート」制度などを行なっていますが、それらは全て感染防止と経済の両立を図るための施策として実施しているものです。

私見として、最近は、日本全体、そして私たちの住む石垣市においても、国民や市民が新型コロナウイルス感染症の存在を受け入れ、上手に付き合うことを覚え始めてきた感じがしています。それは、これまで必要のなかった感染防止対策(マスク着用や手指消毒、手洗い・うがいなど)を多くの人が甘受するようになったことや、感染リスクが高まる一連の行動を避ける傾向からも伺えます。

Withコロナ時代の観光振興について考える

さて、1年(年度)の半分強が終わって後半に入りました。今年度後半の私たちの仕事の主要テーマは、「Withコロナ時代の観光振興」について考え、具体的な施策を立案することになるはずです。また今年度は「石垣市観光基本計画」の改定に取り組む年でもあります。

改訂への取り組みにおいては、観光振興に関連する基本的考え方を確認し、現時点での目指すべき方向性を決め、基本戦略を掲げて実現のための具体策を明示していく作業が必要です。その際に、忘れてはならない視点のひとつが、「Withコロナ時代の観光振興」であり、広義に言えば、ウイルスなど感染症へのリスクマネージメント手法について検討することが必須の時代になったのだと考えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?