文科系のための情報科学 授業資料(1)
1.授業の概要
あなたはコンピュータの中で何が行われているかを、正確に理解していますか?
「いいえ」と答えた人の殆どは、コンピュータが怖くはないですか?
わからないものが怖いのは当然です。
パソコンを代表とするコンピュータは私たちの日常生活に馴染んだものとなってきています。最近のパソコンは「中途半端」に良く出来ていますから、知識が無くても見様見真似でなんとか使えるように見せ掛ける、思い込むことが出来ます。しかし、それらを支えている技術に関して正確に理解しない限り、使えるように見えるのは錯覚であり、いずれ限界が来てしまいます。少なくとも実社会で必要とされるスキルまでには到達しません。
コンピュータを「使える」ようになるためには、内部で行われていることを「理解」しておく必要があります。
コンピュータが生まれてから80年近く経ちますが、その内部構造は当初から変わっていません。今後もコンピュータが使われていく限り変わらないでしょう。
この写真は、最初のコンピュータとされる「ENIAC」というシステムです。
どこにコンピュータがあるかわかりますか?
実はこの人たちが入り込んでいる建物自体がコンピュータだったのです。
こんな大きなコンピュータですが、機能的には今のパソコンやスマホに遥かに及ばないほどのモノでした。一説には、電気を使いすぎて、街が停電するほどだったともいわれています。
これが今のコンピュータに繋がるものとは全く思えませんが、中身の仕組み自体は全く変わっていません。
この講義では、コンピュータの中身、つまりメカニズムを概念的に理解することを目指します。
それは今後80年以上有効な知識になるはずです。
これにより、実習系科目、情報リテラシーや、各学部の専門科目で必要とされる基礎的な前提知識を養うことを目的とします。
実習系科目を履修する方は、ぜひ早めに履修をしておいてください。また情報関係の仕事や資格などについても併せて解説するので、大学における今後の学習の指針としてください。
教科書はありません。参考文献としては、以下を指定しておきます。ジュニア新書ですので、難解ではありません。但し、この本はもう15年以上前に執筆したもので、まだSNSやスマホなどが一般的ではなかった時代のものです。でもコンピュータそのものにまつわる部分は、全く変わっていません。80年も前に考えられたコンピュータのメカニズムは、たかが15年ほどでは古びることはなかったという一つの証拠でもあります。
次回以降の授業のために、皆さんに用意してきてほしいものがあります。それは、パソコンのカタログです。どこの会社のものでも構いません、1部用意してきてください。もちろんネット上にあるもので大丈夫です。
この授業では、このカタログを素材にして、コンピュータの機能を理解して行きます。
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