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ニュース映画館(#2 ニュース映画で現代社会を勉強しましょう)

ニュース映画館

戦前から戦中、戦後にかけて、映画は、今では想像もつかないほど重要なメディアでした。多くの映画が公開され、多くの人々が映画館に足を運びました。
そうした様子は様々な写真や映像で残っていますが、「国立映画アーカイブ」の中に「NFAJデジタル展示室」という画像ギャラリーがあり、映画に纏わる様々な写真があります。特に戦前から戦中に掛けての映画館の様子を写した写真(社団法人日本映画連合会旧蔵映画公社資料)は興味深いものがありますが、ニュース映画館やニュース映画にまつわる記録も多数あります。戦前のものが多いのですが、当時の様子がわかります。残念ながら画像のリンクが貼り付けられないのですが、1940年に写された、邦楽座(現丸の内ピカデリー劇場)の入り口に、「防空訓練中にも平常通り興行しております」と書かれた立て看板がある写真があります。戦時中も、戦局の報道は人々にとって重要な関心事項であるとともに、国民の戦意高揚のために映画は重視されたということでしょう。映画の役割を示す、貴重な写真です。

戦後は、ニュース映画の役割は大きく変わって行き、特に娯楽を希求した一般大衆のために映画ブームが起こり、併せてニュース映画も広く制作されて行きました。その詳細は別項で述べることにします。

群馬県立文書館のWebには、政策ニュース映画の撮影風景や、ニュース映画を上映している映画館の様子を写した写真が公開されています。映像そのものではなく、こうした一般映画館での上映の様子は、大変貴重です。

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これは窓口の様子ですが、群馬ニュースには、「目と耳で知る県政の動き」とのキャッチフレーズがあったことは、これで初めてわかります。映画館の入場料もそこに示されていますが、大人、学生の他に、中人、小人の種別があります。

下の写真は、同じくニュース映画の掲示のある映画館の入り口の様子です。
「皇太子殿下 県下産業御視察実況」
とあります。当時は、ニュース映画自体が、本編同様に、視聴者に十分訴求するコンテンツだったということがわかります。

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この写真に写る映画館の提灯に、明星雅子、万里晶子という女優名と「脱走」とある題名が見えます。「牝犬脱走」(大映)という映画のようで、劇場公開日が昭和40(1965)年11月となっています。未見ですが、すごいタイトルの映画ではあります。



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