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「政策ニュース映画」とは?(#0 ニュース映画で現代社会を勉強しましょう)

政策ニュース映画

戦後、昭和20年代半ば頃から、都市部を中心にした復興の様子を、特に行政側が映像として記録することが、しばしば行われました。それらは、映画館で本編の前に流されるニュース映画として公開されました。テレビが家庭に入り込む前のことです。新聞や映像などのメディア企業ではなく、自治体が企画、制作した地域のニュース映画を、「政策ニュース映画」と呼んでいます。

特に大空襲の被害が多かった地域を中心に、各地で政策ニュース映画は製作されましたが、それらは余りまとまって残っていません。政策ニュース映画は、公文書ではないので保存規定もなく、行政刊行物扱いなので、地域によって扱いはまちまちとなっています。破棄されたり、散逸したものも少なくはなく、そのため余り研究もなされていません。
 
高度経済成長前の昭和20年代の記録は、進駐軍によるものが多く、当時の国民は映像はおろか、写真すら自ら記録することは、なかなかできませんでした。そうした中で、地域の自治体が残したこの政策ニュース映画は、当時の市民の目線で人々の暮らしが記録されているという意味で、重要な資料であり、研究資料としても価値があるものです。

そこに映るものは、絶対にフィクションでは描けないもので、それこそが私たちの社会のついこの前の姿だったのです。

note図1

愛知県政ニュース

note図2

茨城県政ニュース

ここから、それらの政策ニュース映画を、細かく見ていきます。それは取りも直さず、終戦直後から高度成長期に至るまでの、市民の姿を通して、時代の変化を明らかにしていくことにもなります。


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