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3年間の重み

来週からマスク着用が個人の判断にゆだねられます。
「大きな節目」などと報じられ、いよいよコロナ以前に戻るんだなぁ、と感じている方も多いと思います。

そんな中、こんなニュースを目にしました。

<卒業式前日に先生からサプライズ 入学以来、新型コロナで大きな制限を受けた高校生に歌贈る 高松市>
3月1日は岡山・香川の多くの高校で卒業式です。
2023年の卒業生は、2020年の入学以来新型コロナの影響でいろいろな制限を受けてきました。
高松市の高校では、そんな卒業生に向けて先生たちがサプライズプレゼントを贈りました。


今年卒業を迎える中学・高校の卒業生は2020年4月入学、つまり、3年間の学生生活をコロナ禍で過ごしてきたわけです。

この高校でも、約330人の3年生は入学後すぐに、緊急事態宣言の影響で2カ月ほど登校できないなど、
新型コロナの影響を受けた高校生活を送り、卒業式もマスク着用で校歌斉唱はなかったそうです。

「みなさんにプレゼントがあります」

卒業式の前日。予行演習が終わった体育館アリーナで、高校生活3年間を振り返る動画が流れた後、先生たちの合唱が始まりました。
サプライズプレゼントは、先生全員で歌わたオリジナルソング「君の背中に」。

「大切なものを大切にして」
「ただ前を行け ふりむくなかれ
 君の背中に青い空 君の背中に青い空」

コロナ禍の3年間。試練を一緒に乗り越えた仲間との思い出を大切に未来に羽ばたいてほしい、そんな思いが込められたオリジナルの歌詞が、生徒の心に届く様子がyou tubeの動画越しに伝わってきます。

コロナ禍の3年間。時間は誰にでも平等に流れます。でも中学・高校の3年間は、その重みが違う。

そのことは、先生方が一番わかっていたのだと思います。だからこそ、この歌であり、この歌詞なんだと。

「日常が戻る」なんて、簡単に言っちゃいけないんだ。

自分なりに、この3年間で得たもの、失ったもの、ときちんと向き合って、自分のとってコロナ禍の3年間が何だったのか?をちゃんと評価する。そんな姿勢が、とても大事なんだと気づかされました。

歌のプレゼントを贈られた卒業生は、こんな素敵なコメントを残しています。

「迷惑しかかけていなかったので、そんなことしてくれてとてもうれしいです。
 コロナでいろいろなことが制限されてきたんですけど、振り返ってみたら、
 部活とか学校生活とかも充実して、いろいろな人に恵まれた高校生活だったので、
 あっという間でした」

「担任の先生はいつもは厳しい感じなんですけど、思ってることがちゃんと知れた感じがして、
 最後にすごい素直に聞けたなと。普段はなかなか恥ずかしいので、親にも先生にも感謝の気持ちを
 伝えられていないけど、ちゃんと伝えてみようと思います」

「コロナ禍で修学旅行などが中止になったときは、なぜ私たちはこんな目に、と思いましたが、
 そんな中、先生方は楽しい行事をいっぱい考えてくれました。最後にこんな素晴らしい
 プレゼントをいただき、感動しました」

生徒から出てくる言葉は、支えてくれた人たちへの、仲間への感謝の思いでした。素晴らしい!

「コロナ禍で過ごした学生時代」のことを、胸を張ってこれからも大切にして欲しい。
そして近い将来、職場の同僚になったら、学生時代の話を聞かせてほしい。

ご卒業、おめでとうございます!

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