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もと 子ども

   三間由紀子

ひだまりにしゃがんで
アリの仕事に  わくわく
この子は利口  こっちはのろま
応援していたら
あら  もう夕焼け

寝っ転がって
大好きな絵本を  ぱらぱら
ねこや魚やおばけをなぞり
小声で話をしていると
あら  よだれが出ちゃった

学校帰りの中学生の中の
かわいい子に  きゅんきゅん
明日も会うかな
ずっと会いたいな
あら  まるで初恋と同じ
だって  もと  子ども  ですから
いいのよ  子どもで

もと  子ども
まだ  子ども
いつまでも  子ども
それで  いいの
みんな  子ども  なのよ

※詩誌「爪」146号

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